アルフレッド・ヒッチコック監督作品
一般的な映画ファン及びマニアだけではなく、それと気づいているかどうかにかかわらず、おそらく多くの人々はこの作品からの引用を見たことがあるでしょう。 アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』はそれほどよく知られている映画です。我が国のバラエティ…
ヒッチは今回、フロイト博士の『精神分析入門』からインスパイアされたと思われるストーリー展開と台詞の言い回しを前面に押し出した脚本、夢の世界をセットとして具現化させるために起用されたサルバトーレ・ダリという二つの斬新な切り口を持つこの作品を…
イギリス時代、それもサイレント映画を製作していた頃のヒッチコック監督作品のひとつが、この『シャンパーニュ(シャンペン)』です。全部で9本撮影されたヒッチコック監督のサイレント時代における8番目の映画です。そしてこれは彼にとって非常に珍しい…
1956年に製作された、この『ハリーの災難』はいかにも、アルフレッド・ヒッチコック監督らしいブラックなセンスに溢れたコメディ・タッチの作品です。ですが、ヒッチ先生の作品を見るときは、どうしてもアンドレ・バザンらに代表される、カイエ・デュ・…
イングリッド・バーグマンが主演女優として、存在感を示している以外、他に印象に残るシーンなどがほとんど皆無といってよい作品でした。アルフレッド・ヒッチコック監督が、何故このような歴史物を製作したのかという意味があまり解らない。『ロープ』のあ…
ヒッチコック監督、通算33作目に当たる『パラダイン夫人の恋』は1947年度製作の作品です。主演にグレゴリー・ベック、共演のパラダイン夫人役にはアリダ・ヴァリ、ベックの妻役にはアン・トッドを起用しています。 製作者のセルズニックの気まぐれと、…
アルフレッド・ヒッチコック監督、1949年製作作品であるとともに、ヒッチ作品に唯一、稀代の名女優マレーネ・ディートリッヒが出演している作品でもあります。映画史上、ベティ・デイヴィスと並ぶ最大の妖女であり、他の出演者を圧倒する存在感の持ち主…
1951年製作、レイモンド・チャンドラー脚本による、アルフレッド・ヒッチコック監督の絶頂期に作られた傑作のひとつであるとともに、ストーカーを扱った映画の原点ともいえる作品でもあります。当時は、サイコ・キラーの一形態として珍しいタイプの犯人…
ヒッチコック監督の1958年製作作品であり、特撮で有名な作品でもあります。ヒッチをあまり知らない人でも『鳥』・『サイコ』と共に、名前だけならば聞いたことがあるだろうと思います。個人的には、主人公の心理面の混乱を、いろいろな映像で示していた…
ネタバレあり。 ヒッチ先生、初のトーキー作品という記念碑的な作品です。しかし流石のヒッチ先生でもこのトーキーというものをどう使っていけばよいのだろうかとお悩みのようです。ストーリーとしては1920年代の大英帝国において、ヒロインのしたことは…
ヒッチコック監督により1934年に製作された『暗殺者の家』の、彼自身によるリメイク作品。この作品は映画愛好者の間では人気の高い作品です。しかし個人的にはあまり好みではありません。その理由はストーリー構成、俳優(特に悪役)、演出、音楽などが…
ヒッチコック監督のイギリス時代の代表作のひとつであり、列車しかも超特急という「密室」と「速度」による二重の圧迫の中で作品が展開されていく。被害者を救出して犯人を捜すストーリーなので、ミステリーの要素の強い作品です。非常に狭い空間の中で起こ…
ここ3年くらいのことなのですが、田舎だった、わが家の近所も造成が進み、山や林がどんどん伐採され続けています。そのせいか夏秋の夜になると、駅の周りの街路樹に、「鳥」達が大挙して集まり、木々から溢れんばかりの大群が一晩中鳴き続けていました。そ…
ヒッチ先生の『北北西に進路を取れ』に次ぐ、活劇の代表作です。まだヒッチコック監督作品を見られていないビギナーの方には『鳥』、『疑惑の影』、『サイコ』、『裏窓』、『海外特派員』、『北北西に進路を取れ』などと共に必ず見て欲しい作品です。 無実の…
ヒッチコック監督がついに最高の女優を手に入れました。彼女の名前は後のモナコ公国王妃となるグレース・ケリー。歴代ハリウッド女優の中でも、最大級のアイコンを使って撮った作品である。ヒッチ先生が最も好むブロンド美人で、理知的かつエレガントであり…
1940年製作の正統派ヒッチ作品。あまりヒッチ先生らしくない(レベルは凄く高いのですが)『レベッカ』の次に製作された今作品には、ヒッチ先生のアイデアが溢れかえっています。『レベッカ』で抑え付けられていた才能が一気に噴出してきた観があります…
1958年製作の『北北西に進路を取れ』は、映画学校の教科書にも出てくるほどの名作であり、この作品はヒッチ映画の完成形です。時間を忘れて、見入ってしまいます。見た後でも、目と記憶に焼きついている色々なシーンが数多く、展開もヒッチ作品を何本も見た…
イギリス時代のヒッチコック監督が、資金繰りや役者の問題、更にはかつての上司からの嫌がらせなどで、苦しみもがいていた頃の作品ですが、後々考えてみると、彼がサイレントでも傑作といえる本作を、1926年に制作していたことはとても興味深い事実です…
まだ監督としての名声を確立する前の作品であるために、予算があまり取れずにいた頃の作品。素晴らしい工夫は随所に見えますが、自分の思い通りには仕事が出来ていない印象はぬぐえません。 今回のピーター・ローレは大ヒットですが、その他の役者の人選に関…