良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018)現代版SF巨大生物の島!?

 先週、観に行った『孤狼の血』よりもむしろ気になっていたのが『ランペイジ 巨獣大乱闘』でした。明らかにおバカ映画だろうと誰でも予想がつく、この作品に対して、理屈とか整合性、脚本がどうかとかは意味を成さない。  特撮ファンとしてはただ巨大スクリーンで展開される派手な大暴れを楽しめるかだけを基準にして席についています。大昔だったら、巨大生物が現れて、“小さな”町を不安に陥れる作品と言えば、『SF 巨大生物の島』のようなアイデア一発の安易なB級、いやC級作品を思い浮かべました。  細々と場末で掛けられるか、箸にも棒にも引っ掛からずに数年後に“未公開傑作選”特集で12チャン映画としてボォーっと過ごしている週末の深夜帯に物好きが見る程度の作品でも今では立派に宣伝まで入り、舞台設定もシカゴというアメリカでも有数の大都市で撮影を行なえるノンキな街がハリウッドなのでしょう。
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 巨大化に必要な設定は昭和の頃は特殊な成長促進剤や核汚染による突然変異だったのが、医学の進歩とともに遺伝子操作によるものに変わっています。超巨大化した猛獣たちが暴れまわるという科学の誤った進化という昔からの伝統パターンは健在です。  ただし登場するのは東宝オールスターズではなく、様々な動物の遺伝子を掛け合わせた猛獣たちです。夏には巨大な昔のトカゲたちが大暴れする『ジュラシックパーク』が公開されるので露払い的感覚で観るのも一興です。  主役はマッチョな元軍人で野生動物保護区に勤務している設定の黒人俳優ドウェイン・ジョンソン、ヒロインの遺伝子工学博士も黒人女優(ナオミ・ハリス)だが別にブラザー映画というわけでもない。
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 ヒール役は悪の化学企業の支配者である白人姉弟というのは逆にどうなんだろうとも思います。全編通して肩透かしだったのは巨大猛獣大脱走を想定していたのがまさかのムササビ狼(?)、白ゴリラ、トカゲワニ(?)の巨大生物三種盛りだけだったことです。  主人公はクライマックスで太腿に近距離で銃撃されても、すぐに全力で駆け回れるターミネーターみたいな非リアルなマッチョマンであり、ゴリラと手話と会話の両方でも意思疎通が出来るもはや超能力者と化して行きます。
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 またジョークも理解しており、死んだふりや科学者の女優にセックスしたか?とニヤニヤしながら指の動作で追求します。もともとハードルを下げてスキップするくらいで、ビールや酎ハイでもやりながら楽しくみればそれでオッケーではないか。  エンディングでは解毒剤により仲間に戻ったゴリラがマッチョマンと協力して残りの二頭をムリヤリ仕留めた後に人間の救助活動に向かう所で終わります。なんだこれ! 総合評価 60点