良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『ダンボ』(1941)じつはかなりディープな内容だった、素晴らしき初期ディズニー作品。

子供の頃、見てそれっきりになっていた作品のひとつがこの『ダンボ』です。覚えていたのは耳で飛ぶシーンとピンクの象くらいで、そのほかは全く記憶に残っていませんでした。かつて見た作品を再び見る過程のおいて今回選択しました。 雨の描写が何度か出てく…

『ロング・エンゲージメント』(2004)オドレイ・トトゥがどんどん良くなっているのを実感できる作品。

『ロング・エンゲージメント』はジャン=ピエール・ジュネ監督、オドレイ・トトゥ主演のラブ・ストーリーですが、謎とき物や戦争映画としての色彩が濃い作品でもあります。舞台は第一次大戦後のフランスの田舎町と多くの人々の回想で語られる大戦中の戦場です…

『キング・コング』(2005)肝心なシーンがすべて削除されていることが「世界第8の不思議」だ!

ピーター・ジャクソン監督による、この作品は2005年のリメイク作品の中でも『宇宙戦争』と並んで、非常に注目度の高いものでした。映像的には素晴らしく綺麗な作品であり、色彩感覚に優れた監督である事は窺えます。 しかし、制作費に何百億円も掛けたと…

『キング・コング』(1933)特撮映画の金字塔にして、怪獣映画の最高傑作。

監督にメリアン・C・クーパーとアーネスト・B・シュードサック 、特撮にウィリス・H・オブライエンを起用して製作された『キング・コング』は、その後の特撮映画に与えた多大なる影響と、映画ファンの心に刻み込まれたインパクトの大きさにおいて、他に類…

『狂熱』(1921)ルイ・デリュック賞という名を冠される、ルイ・デリュック監督の代表作のひとつ。

ルイ・デリュック賞というとフランスの有名な映画賞のひとつであり、歴代受賞作品にも『シェルブールの雨傘』、『田舎司祭の日記』、『髪結いの亭主』、『夜霧の恋人たち』、『かくも長き不在』など雰囲気のある作品が選ばれています。 悲観的で、退廃的で、…

『ゴルゴダの丘』(1935)一般的な解釈に基づいていますが、映像テクニックに優れています。

『ゴルゴダの丘』は1935年のジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品で、カトリック信者の寄付を得て、5年の歳月をかけて作られた、聖書に忠実な映画です。解釈も一般的なものであり、物議を醸すような奇抜な演出はありません。まあ、スポンサーに一般人の浄…

『ダヴィンチ・コード』(2006)批評家にはブーイング、観客には拍手を浴びた作品とは?

本日、観に行ってきました。平日という事もあり、500人程度収容されるスペースには150人くらいが収まっていました。結構新しい設備だったので、音も良く、席も後ろの方の真ん中を確保できたので、まあ上出来でした。 不満だったのは最近というか、ここ…

『戦艦ポチョムキン』(1925)完璧なモンタージュと映像表現の巧みさ。映画ファンは必見。

『戦艦ポチョムキン』は革命ロシア(ソ連ですね。)の最大の巨匠、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の残した作品の中でも、とりわけ人気が高く、東西陣営問わず、その後の映画人に与えた尋常ではない影響力の大きさにおいて、他に類を見ない怪物のようなフ…

『小さき勇者たち ガメラ』(2006)脚本に問題あるが、事前の予想を大きく上回った作品!

土曜日の第一回目上映ということもあり、早めに映画館に足を運びました。上映時間30分前にもかかわらず、観客はオレ一人だった。もしかすると貸し切り状態になってしまうのかもしれないと覚悟を決めたのが10分前。すると家族連れが3組ばかり合わせて1…

『シャンパーニュ』(1928)ヒッチコック監督には珍しいラブ・コメディー映画。ネタバレあり。

イギリス時代、それもサイレント映画を製作していた頃のヒッチコック監督作品のひとつが、この『シャンパーニュ(シャンペン)』です。全部で9本撮影されたヒッチコック監督のサイレント時代における8番目の映画です。そしてこれは彼にとって非常に珍しい…

『666号室』(1982)映画の現状と未来を憂えるヴェンダース監督と巨匠たち。

『666号室』という聞きなれない題名が付けられたこの作品は、いわゆるシネマ(劇映画)ではない。ヴィム・ヴェンダース監督が、1982年のカンヌ映画祭に招かれた映画監督たち、それも超のつくほど有名な人たちに対して、シネマの現状と未来をどう捉え…

『ゴジラ』(1954)モノクロで描かれたゴジラは復興途上の帝都を再び蹂躙する破壊神だった。

1954年というと、日本映画界にとっては二つの傑作映画がひとつの会社から公開された年であり、他社からも外国での映画祭に出品され、大いなる栄誉を受けた年でもあります。二つの傑作とは『七人の侍』と『ゴジラ』、ひとつの会社とは東宝、他社とは大映…

『ワン・プラス・ワン』(1968)ローリング・ストーンズの邪魔をするゴダール。ブライアンがいる!

『ワン・プラス・ワン』はローリング・ストーンズのロック史に残る名曲、『悪魔を憐れむ歌 Sympathy for the Devil』の制作風景を、五月革命の真っ只中、左翼思想にかぶれだしたジャン=リュック・ゴダール監督が自作の短編を挟み込みなが…

『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1960)製作日数わずか2日!の怪作。さすがミスターB!

1960年に、わずか2日という製作日数をかけて製作された伝説の映画、それがこの『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』です。このような荒業をやってのけたのはもちろん、B級映画界の巨匠、ロジャー・コーマン監督です。 ロジャー・コーマン監督作品は一…

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966)ガイラがとにかく恐い!気持ち悪い!

世界に誇る、東宝特撮映画の黄金の四人、田中友幸(製作)、円谷英二(特撮)、伊福部昭(音楽)、そして本田猪四郎(監督)が揃った『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』は『ゴジラ』をはじめとする東宝特撮映画史上でもかなり異色の作品です。ヒ…

『レオン』(1994)これが最高!これ以降の、ジャン・レノもリュック・ベッソンも輝いていない。

最も人気のあるフランス人監督といえる、リュック・ベッソン監督のというよりは90年代を代表する作品で、個人的にも年2回は見る作品のひとつです。見所としてはなんといってもナタリー・ポートマン、ジャン・レノ、そしてゲイリー・オールドマンという主…

『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965) 人間が怪獣と戦うとこうなるんですね!

最近、自分のブログ更新記事を眺めていると、ほとんど音楽映画と怪獣映画しか扱っていない事に気付きました。現在の興味の対象がそっち方面に向いているので仕方がないと言えば仕方ないのですが、このままではそれ専門になってしまうかもしれません。 新作評…

『ガメラ対大悪獣ギロン』(1969)大悪獣って、いったい?肥後の守が飛んできた~!

『ガメラ対大悪獣ギロン』をはじめて見たのは幼稚園の年少さんの時でした。30年以上前ということになります。勿論リアルタイムでは無理だったのですが、ブラウン管の馬鹿でかいTV(たしか、扉がついていて、見る時に開けるという仏壇みたいなやつでした…

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)さすがにきつくなってきました。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は2001年から順次発表されてきた、映画版のハリーポッター・シリーズの第4作目ということになります。第一作目、そして第二作目の時のようなファンの熱狂は既に無い。また3作目から急速に進んだダークな世界観を…

『映画検定 公式問題集』を解いてみました。

たまたま今日、本屋さんに行くと、目に飛び込んできたのは『映画検定 公式問題集』の文字でした。何のことやらさっぱり分からずにとりあえず手に取り、パラパラとページをめくってみました。新手のクイズ本かと思い、出版を確認したところ、なんとキネ旬だっ…

『マジカル・ミステリー・ツアー』(1967)ビートルズが自分よがりに作ってしまったクズ映画。

ポップ音楽史上、もっとも意義のあるアルバムだった『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が大成功を収め、意気軒昂だったビートルズの陰で、一人のスタッフが亡くなりなした。彼の名前はブライアン・エプスタインで、長年ビートル…

『ヘルプ! 4人はアイドル』(1965)圧倒的な成功と、じわじわ蓄積される疲労と消耗。

『ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!(原題 ア・ハード・デイズ・ナイト それにしてもよくこんなへんてこなタイトルをつけたものです。)』(1964)が興行的に大ヒットを収めた後、再びリチャード・レスター監督を起用して制作された、2作目の…

『キッズ・アー・オールライト』(1979)むしろ、奇人キースよりもピートの狂気がバンドの歴史である。

彼らのナンバーのなかでもっとも有名な曲、『マイ・ジェネレーション』から始まる、この記録映画が公開されたのは、1979年です。つまり、奇人として数々の奇行で有名だった、ドラマーのキース・ムーンが薬物の過剰摂取が原因で急死してから一年後に、彼…

『金星人 地球を征服』(1956)スピルバーグも、ジョー・ダンテも大好きな作品。

金星人といっても、細木数子先生の占いとは全く関係はありません。これは大金をかけて、ギミックを競う最近のSF映画とは一線を画す、ある意味もっともSF映画らしい正統派の作り込みがなされている作品なのです。ここでいう正統派とは短期間かつ低予算で…

『プロデューサーズ』(1968)最低のミュージカル『ヒトラーの春』で大儲け!

またまた、リメイクされた映画のひとつになった、『プロデューサーズ』のオリジナル版です。 オリジナル版の『プロデューサーズ』はメル・ブルックス監督によって1968年に公開され、アカデミー賞の脚本賞を取ったほどの作品でした。まさか『ヒットラーの…

『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』(1982)ストーンズがまだ日本に来れなかった日々。

つい先日も、来日を果たしたローリング・ストーンズですが、長らく日本では彼らを生で見ることは不可能でした。その理由は言うまでもなく、メンバーの薬物問題でした。何度も来日は企画されたようですが、はじめて来たのはたしか80年代後半だったのではない…

『大巨獣ガッパ』(1967)日活唯一の怪獣映画!なぜか熱海で大暴れ!

日本が生み出した、怪獣映画主人公の金看板と言えば、1000人中、800人が「ゴジラ」だと即答するでしょう。残りの200人のうち、180人は「ガメラ」に決まっていると誇らしげに反論するかもしれません。 そして1000人のうち、残った20人(つ…