良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『殯(もがり)の森』(2007)河瀬監督自身、二度目のカンヌ映画祭受賞作品。

河瀬直美監督がカンヌ映画祭グランプリを受賞した『殯(もがり)の森』は冷静にストーリーのみを追っていくと、恐ろしいほどに単純な映画であると言わざるをえない。 <以下ネタバレバレなので、観に行く予定のある方は要注意です。> 冒頭に土葬される風習…

『萌の朱雀』(1997)河瀬直美監督が最初にヨーロッパで認められた美しい作品。

『萌の朱雀』は奈良県出身の河瀬直美監督がその名をはじめてヨーロッパ及び日本(なぜか日本では海外で評価されるまではまったく一般に評価されない。)に知らしめた記念すべき作品である。 『殯(もがり)の森』がカンヌ映画祭でグランプリを獲得したため、…

『につつまれて』(1992)河瀬直美初陣!ドキュメンタリーで始まった映画作家人生。

カンヌ映画祭でグランプリを取った、河瀬直美監督がその名を始めて世に知らしめた記念すべきデビュー作品がこの『につつまれて』であるが、これはいわゆる劇映画ではなく、ドキュメンタリー映画でした。 静かで内省的な映像とその繋がりを見ていると、ロシア…

『不良少女モニカ』(1952)ヌーヴェル・ヴァーグに大きな影響を与えた一本のフィルム。

最後の映画作家であったイングマール・ベルイマン監督の全作品のなかでも、もしかすると『第七の封印』と並んで、最も有名なフィルムのひとつと言っても過言ではないのが『不良少女モニカ』であろう。北欧スウェーデンでの短すぎる一瞬の夏の思い出と厳しい…

『沈黙』(1962)キリスト教批判の問題作?いえいえ。純粋に映画芸術の到達点です。

さきごろ惜しくも他界されましたイングマール・ベルイマン監督の問題作『沈黙』(1962)は「神の沈黙」三部作である『鏡の中にある如く』(1961)『冬の光』(1962)に続く最後の一本です。最後の映画作家といえる彼の死は純粋な映画を知る者が…

『カリガリ博士』(1919)ホラー映画の起源的作品にして、ドイツ表現主義のエッセンス。

もともとはドイツの巨匠、フリッツ・ラング監督で撮影が行われる予定だったのが、『カリガリ博士』という風変わりなタイトルを持つこの作品です。事情はよくは分かりませんが、最終的にこの作品を任されたのはロベルト・ウィーネ監督でした。 ただしこの作品…