良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『美女と液体人間』(1958)東宝怪奇人間シリーズの一本。暗闇と下水道を舞台にする異色作。

冒頭にカラーで映し出される原爆実験映像が鮮烈な印象を放つ東宝怪奇人間シリーズのうちの一本で監督は本多猪四郎、特撮は円谷英二、出演俳優は本田組の常連である平田昭彦、土屋嘉男、佐原健二、田島義文が作品を固めている。 彼らに加えて佐藤允、千田是也…

『CASSHERN』(2004)映像を作り上げる才能はありますが、監督向きではない。

キャシャーンと言われて、三十代以上の人がまず思い出すのは当然、昭和40年代(1973~1974)に放送されていた竜の子プロ制作の人気アニメである。幼稚園に通っている頃に放送されていた、この番組には思い出が多い。本題である映画『CASSHE…

『淀川長治さんの思い出』日曜洋画劇場の解説DVDが出ていたなんて!嬉しさと哀しさが…

ツタヤ半額レンタルの日だったので、お昼に近所のツタヤに借りに行くことにしました。クラシック映画を追い求めるためにどうしても空振りすることが増えてきた。行ってもクラシックの新入荷が少ないのだ。 もちろんフェリーニ作品やゴダール作品はほんの少し…

『風の谷のナウシカ』(1984)<パート2>音楽と映像の融合の素晴らしさを堪能しましょう。

<続きです。> ディティールの細かさが重厚なテーマをさらに尋常ではないものに際立たせている、この作品『風の谷のナウシカ』のなかで、じつはとても漫画チックな先祖返りのような演出を見ることの出来るシーンがある。それはユパがトルメキアとの空中の白…

『風の谷のナウシカ』(1984)<パート1>宮崎駿監督の代表作。細部へのこだわりは凄まじい。

宮崎駿第二回監督作品であり、その後の作品群に与えた影響と衝撃は計り知れないほど大きなものがあります。シリアス路線の先駆けであり、革命といっても良いほど素晴らしい出来栄えを誇り、そのクオリティの高さはいまでも他の追随を許さない。 「腐海」とい…

『ピンクレディーの活動大写真』(1978)スゲエー安易!それでも歴史的価値は大きい。

その名も仰々しいこのタイトル『ピンクレディーの活動大写真』は本編(ドラマ部分)を石立鉄男、田中邦衛、秋野太作、小松政夫らを起用して無理やりカメラを回して撮ったようなコントもどきのストーリーと田中健、なべおさみ、松山英太郎らを使って撮ったメ…

『抱きしめたい』(1978)ゼメキス監督デビュー作品!本人たちの映画よりも素晴らしい?

この『抱きしめたい』をはじめて見たのは80年代後半か90年代初めかはっきりとは覚えていません。WOWOWで見る度に録画を忘れてしまい、最後に録画のチャンスがあったのは1998年後半でした。そのときは忘れずに録画準備をしていたのですが、何故…

『ゴジラ対ヘドラ』(1971)最大の異色作。低迷していた中で制作された奇跡の一本。

♪鳥も~魚も~どこへ行ったの~?♪とんぼも~蝶も~どこに行ったの? 水銀、コバルト、カドミウム、鉛、硫酸、オキシダン~♪汚れちま~った海!汚れちまった空! 生きものみ~んないな~くなって 野も山も黙っちまって~ 地球の上~に だれもだれ~もいなけ…

『日本沈没』(2006)沈没してないじゃねえか!沈没してしまったのはドラマ部分だ!

主演俳優が草彅剛でヒロインが柴咲コウ、監督が樋口真嗣 と聞いた段階で劇場まで行って観る気が失せてしまい、DVDが出るまで待とうと思っていたのがこの平成版『日本沈没』でした。別に主演の二人が嫌いだというわけではなく、彼らのキャスティングを決め…

『第二回映画検定 合否発表の日がきた。』はじめて実施された一級試験の結果や如何に?

「来年明けの一月十一日に結果が発表されます!」と連呼していた映検スタッフの声を聞いてから、いつのまにか年も明け、普通に働き出して二週間が経ちました。木曜が十一日だから、おそらく今日には結果の封書が来るのだろうと思いましたが、今日は飲み会が…

『日本以外全部沈没』(2006)B級テイスト?それ以下ですが、怪作です。毒気を評価!

2006年に話題になった邦画のひとつに『日本沈没』のリメイク版がありました。大昔に東宝系で公開された、あの作品のリメイクで、当時は結構衝撃的だったのを覚えていますし、ラスト・シーンも印象に残っています。 宣伝を見た限り、それを現代風にアレン…

『第十七捕虜収容所』(1953)ビリー・ワイルダーの描く戦争映画は異色の名作だった。

のちの映画でも多用される勇ましいテーマ曲『ジョニーの凱旋』が幾度も流れる、巨匠ビリー・ワイルダー監督による異色の戦争映画がこの『第十七捕虜収容所』です。口笛で吹かれたり、みんなで勇ましく歌われるこの曲は最高にカッコよい。誰でも一度は聴いた…

バスター・キートンの師匠、“ファッティ”・アーバックルの勇姿を見よ。『おかしな肉屋』(1917)。

ロスコー・“ファッティ”・アーバックルの名前を聞いて、すぐにピンと来る方はかなりの映画通でしょう。チャーリー・チャップリン、ハロルド・ロイド、バスター・キートンを称して「三大喜劇王」とすることが多いが、「デブ君」ことロスコー・アーバックルを…

『犯罪王リコ』(1930)ギャングスター映画のルーツといえる、不朽の名作。古典です。

社会的に悪影響を与える組織犯罪であるギャングが魅力的に描かれている価値観の反転に世界大恐慌によってもたらされた混乱の余波を感じさせる。マーヴィン・ルロイ監督による1930年制作のこの映画は後に続くギャング映画の草分けであり、『民衆の敵』『…

『リオ・ブラボー』(1959)後期?西部劇50年代の傑作!ゆったりと心地良い時間が流れていく。

新年明けましておめでとうございます。今年一年がみなさまにとって、素晴らしい年でありますように。そして素晴らしい映画に巡り会えることを心からお祈り申し上げます。 さて、2007年一月元旦に、まず最初に見たのは西部劇の名作『リオ・ブラボー』でし…