良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『シン・シティー』(2005)タランティーノ、ロドリゲスそしてフランク・ミラー。濃いはずですが・・。

うるさ型で個性的なタランティーノ、ロドリゲス両監督にフランク・ミラー(原作者)が絡んでくるという一歩間違えればコテコテな作品に成ってしまうかと思いきや、実にあっさりしているこの作品。 タラさんらしい「痛そうな」映像、ロドリゲス監督らしい派手…

『8 1/2』(1963) フェリーニ監督の、というより20世紀映画の到達点 ネタバレあり。

一度でこの作品の良さを味わいつくせるものが存在するとすれば、それは映画の神様でしょう。難解かつポップな作品です。一見すると軽く見えるのですが、近寄ると火傷する重厚感を持つ作品です。重苦しさと軽薄さがひとつの作品に同居しています。 簡単な筋書…

『透明人間』(1932) 『フランケンシュタイン』の成功に味を占めたユニバーサルが送った新たな刺客。

ジェームズ・ホエール監督の1932年の作品。お金が大好きなユニバーサルがもっと怪物で儲けようとして急いで作らせて、まあまあ儲かった作品。 透明人間の造形を決めたのはこの作品です。深く被った帽子とサングラス、顔中に巻かれた包帯と大きなコート、…

『雨月物語』(1953) 光と影の織り成す死の物語。溝口健二監督のトーキー時代の代表作のひとつ。

黒澤監督が『羅生門』によってベネチア映画祭の金獅子賞を取った翌年に、同じ大映から製作された溝口健二監督の3年連続ベネチア映画祭受賞作品となったうちの一本です(1952年の『西鶴一代女』の監督賞、1953年の『雨月物語』、1954年の『山椒大夫』での…

『大人は判ってくれない』(1959)トリュフォー監督の長編デビュー作にしてヌーヴェル・ヴァーグの傑作

ヌーヴェル・ヴァーグの代表的な監督というとゴダール監督、ジャック・リヴェット監督、そしてトリュフォー監督の名前を挙げることが多い。すべて彼らはアンドレ・バザンが主宰していた「カイエ・デュ・シネマ」誌に執筆していたライター陣でした。 批評家が…

『十二人の怒れる男』(1957) 名優H.フォンダとリー・J・コッブの白熱の絡み合い。男の映画。

お気に入りの一人であるシドニー・ルメット監督(『狼たちの午後』、『プリンス・オブ・シティー』など)の1957年の作品。ヘンリー・フォンダが歴史に名を残す名優であるということは、モノクロ映画を愛好する人々ならば誰でも知っていることです。 カラーで…

『黒猫』(1934) 怪優ベラ・ルゴシとボリス・カーロフの初共演作品。

ユニバーサル映画というと『キング・コング』、『ジョーズ』、そして『ターミネーター』などの怪物映画が有名ですが、それらの先駆けとなったものにモンスター映画と呼ばれる一連の作品群がありました。『魔人ドラキュラ』(1931)、『フランケンシュタイン』…

『プラン・9・フロム・アウター・スペース』(1959) アメリカ映画史上最低の映画。 ネタバレあり。

エド・ウッド監督の1959年の作品。アメリカ人の映画ファンみんなが最低だというこの映画。栄えあるアメリカ映画史上でももっとも最低の映画に選ばれるなんてのも凄い。しかもぼくはこれを実は二度も見てしまったのです。1回目は、確か10~15年位前に当時の…

『フリークス(怪物團)』(1932)これはたんなるキワモノ映画ではない。 ネタバレあり。

MGM製作で、トッド・ブラウニング監督が1932年に放った衝撃の問題作で、邦題は『怪物團』です。作品としてみるとサーカス一座で働いている主人公を中心にした、似たもの同士の可愛らしいラブストーリーに、陰湿極まりない金目当ての男女が彼を色仕掛けで…

『フランケンシュタイン』(1931) ボリス・カーロフが作った怪物のイメージは偉大です。

一番最初に見たフランケンは、ジェームズ・ホエール監督が1931年に制作した『フランケンシュタイン』でした。映像もストーリーも素晴らしく、テンポよく語られていき、ボリス・カーロフの名演技にも助けられ、フランケンといえば、これの事を指していました…

『イエロー・サブマリン』(1968)本人達は乗り気ではなかった、エプスタイン最後の企画。

たしか1985年と1987年に見たきりだったのが、10年位前の『ビートルズ・アンソロジー』が放映されて、ブートでしか聴けなかったものがCDで正式に聴けるようになり、これらをまた買いなおした折に、ついでに見てからでも10年近くが経ちました。 今回は初めて…

『レット・イット・ビー』まだ著作権問題はシリアスではなく、海賊盤で『ゲット・バック』を聴いていた

ビートルズの主演した映画は全部で5作ありました。『ビートルズがやってくる。ヤア!ヤア!ヤア!』、『HELP!』、『マジカル・ミステリー・ツアー』、『イエロー・サブマリン』(ラストのみ)、そしてこの『レット・イット・ビー』です。 このうち現在…

『スター・ウォーズ』いろいろ。

阪神がまた優勝しました。三十年近いファン歴の中で優勝したのは1985年、2003年、そして今回の合計3回のみです。1985と2003はかなり大騒ぎして数多くの試合をTV等で観戦しました。しかし今回は3試合くらいしか見ていません。ちょっと前に見た…

『怪物の花嫁』 1955 監督 エド・D・ウッド・jr 最低映画とは言われていますが。ネタバレあり。

今日はツタヤが半額セール中だったので、勢いに任せて借りまくり三本のホラー?映画もその中に入っていました。それはハマーフィルム社の作品でクリストファー・リーが最初に出演してトップスターになるきっかけとなった『吸血鬼ドラキュラ』、そしてエド・…

『イントレランス』(1916)グリフィス監督渾身の作品。映画芸術の全ての要素を含む至宝。

完璧な作品です。彼こそが映画のオリジナルです。映画の父と呼ばれるに相応しいグリフィス監督の最高傑作であるばかりではなく、これを見る前と見た後では映画に対しての考え方が変わります。 後の監督にどれほどの影響を与えたか、そしてその後の映画が如何…