良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

溝口健二監督作品

『虞美人草』(1935)なんせ、音が酷すぎる。ただ、現存しているだけでもありがたい。

『虞美人草』は1935年製作ということで、その当時の多くの映画と同じく、大戦の戦火に焼かれたものも多く、溝口作品も含めてほとんど残っていない。その大火の中で生き抜いてきた、戦前の作品だったために、かなり期待して鑑賞することになりました。 結…

『宮本武蔵』(1944)溝口健二監督、絶不調時代の作品。ひどい出来栄えです。

1944年製作で、中途半端な国策映画の臭いがする、ほとんど溝口健二監督らしさの見えない作品です。なんのために、わざわざこのような無意味な作品が作られたのか、理解できません。孤高の剣聖と呼ばれた宮本武蔵の生き様を、勇壮に描くわけでもなく、か…

『折鶴お千』(1935) 溝口健二監督の、サイレント時代に撮られた数少ない、現存する作品のひとつ。

サイレント映画時代の溝口健二監督の傑作のひとつであり、オープニングの大雨の中で駅に佇む二人(山田五十鈴さんと夏川大二郎さん)の男女のフラッシュバック・シーンのみで、彼らの生き様を過去と現在、そしてその後の未来についてサイレントなので当然で…

『山椒大夫』(1954) 命懸けで正義を貫いた先に待ち受けているものは・・・。ネタバレあり。

溝口健二監督の戦後トーキー期における『雨月物語』と並ぶ代表作であり、単に溝口監督の代表作であるだけでなく、歴代日本映画の代表作でもある。これほど深い作品を現代の監督はいまだに誰一人撮れていない。 ほとんど全ての昭和世代の日本人ならば、知って…