溝口健二監督作品
『虞美人草』は1935年製作ということで、その当時の多くの映画と同じく、大戦の戦火に焼かれたものも多く、溝口作品も含めてほとんど残っていない。その大火の中で生き抜いてきた、戦前の作品だったために、かなり期待して鑑賞することになりました。 結…
1944年製作で、中途半端な国策映画の臭いがする、ほとんど溝口健二監督らしさの見えない作品です。なんのために、わざわざこのような無意味な作品が作られたのか、理解できません。孤高の剣聖と呼ばれた宮本武蔵の生き様を、勇壮に描くわけでもなく、か…
サイレント映画時代の溝口健二監督の傑作のひとつであり、オープニングの大雨の中で駅に佇む二人(山田五十鈴さんと夏川大二郎さん)の男女のフラッシュバック・シーンのみで、彼らの生き様を過去と現在、そしてその後の未来についてサイレントなので当然で…
溝口健二監督の戦後トーキー期における『雨月物語』と並ぶ代表作であり、単に溝口監督の代表作であるだけでなく、歴代日本映画の代表作でもある。これほど深い作品を現代の監督はいまだに誰一人撮れていない。 ほとんど全ての昭和世代の日本人ならば、知って…