2012-01-01から1年間の記事一覧
『殺人はライフルを持っている』はピーター・ボグダノヴィッチ監督のデビュー作品です。主演にかつてフランケンシュタインの怪物役で人気者になったボリス・カーロフを起用し、しかも彼を怪物や悪役で使わずに人間味のある黄昏時の老俳優として起用していま…
低予算映画であることが付けられた邦題によって、どんなバカでもすぐに分かるのが『ホラー喰っちまったダ!』です。原題からだと電子レンジの大虐殺という感じでしょうか。当然これは『悪魔のいけにえ』のパクリです。 『吸盤男オクトマン』と同様に大昔のア…
2009年の夏に『新世紀ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開されてからすでに三年が経って、ようやく今回の『新世紀ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のお目見えとなりました。 Quikeningは急展開の急なので、ここは大風呂敷を広げる回なのでしょう。またQはQuest…
ついに『吸盤男オクトマン』が1500円という超特価でDVD化されました。『悪魔の植物人間』『悪魔の凶暴パニック』など大昔のカルト・ホラー映画が次々にリリースされている流れに乗り、ついに陽の目を見たようです。 特撮スーツ制作の第一人者のひとりである…
『安重根と伊藤博文』という映画はかなり前から気になっていた作品のひとつでしたが、なかなか見る機会に恵まれないまま今日に至っていました。 製作がどこの映画会社なのかすら知りませんでしたし、誰が出ているのかも見当もつきませんでしたが、漠然とテロ…
最近、映画館で流れる新作予告を見ていて、興味を持ったのが『シルク・ド・ソレイユ』『新世紀ヱヴァンゲリヲン劇場版Q』とこの『のぼうの城』でした。 ヱヴァは新作が公開される度に毎回観に行っているので、第三作目もこまめに公式サイトをチェックしてい…
曽根中生監督自身が気に入っている作品であり、興行的にもヒットしたのが1983年公開のこの『BLOW THE NIGHT 夜をぶっとばせ』です。 噂には聞いていましたが、観る機会に恵まれず、今回はじめて全編を鑑賞しました。僕が通っていた中学校では学校独自の映画…
山本政志監督作品でもっとも有名なのはおそらく『ロビンソンの庭』でしょうが、ぼくが一番衝撃を受けたのはこの『闇のカーニバル』でした。 冒頭とラスト・シークエンス、中間部にほんのワン・カットのみにカラー撮影が採用されていて、本筋はすべてモノクロ…
戦争映画の宣伝で話題になるのは製作費の大きさや出演する大スターたち、そして迫力のあるスペクタクル・シーンであり、中身が問われることはあまりない。 戦争の記憶が鮮明に残っている時期であれば、悲惨さや厭戦気分を色濃く伝える作品が出来上がるが、一…
アメリカなどの欧米を旅した方ならばお分かりでしょうが、現地空港へ着いた途端にあることに気づきます。というか、なんだか違和感が生まれてくるのです。 その違和感の正体は道行く人のほとんどが険しい顔をしていて、カッコよくないということです。ロサン…
武田鉄矢主演の『思えば遠くへ来たもんだ』は現在DVD化されていません。そのためネット・オークションでは大昔のVHSテープが7000円位で取引されています。 主演が武田鉄矢で、彼の周りを固めるのはあべ静江、熊谷真実、乙羽信子、山本圭、植木等、山谷初男、…
今日は全身の疲労をケアするために知り合いがやっているリンパ・マッサージを受けました。もう何回もやってもらっているのですが、全身やってもらうともれなくどこもかなり痛い。 指がツボやリンパの流れが滞る場所に来るとヒーヒー言わされます。しかしここ…
つい先日記事にした『夢売るふたり』を観た後に一時間ほど余裕があったのでランチを食べてから、その日に続けてもう一本、『踊る大捜査線FINAL』にも足を運びました。 前作『踊る大捜査線THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』の出来があまりにも期待外れだった…
『パニック・アリゲーター/悪魔の棲む沼』(1978)は『ジョーズ』(1975)以降に大量生産されたイタリアの動物パニック映画のひとつで日本では劇場公開はされていません。そんなときのためのテレビ洋画劇場で、ぼくは子供の頃にこれを見たときにはこの映画のチー…
予告編で力強い旋律が印象的なヴィヴァルディの四季の冬(正式には『バイオリン協奏曲集 四季 第四番 へ短調《冬》 第一楽章』)が掛かっていたため、公開前から気になっていたのが阿部サダヲと松たか子が主演を務める『夢売るふたり』です。 火の不始末が原…
『眼には眼を』『洪水の前』『愛の地獄』『火の接吻』『裁きは終りぬ』などで知られるアンドレ・カイヤット監督作品から受ける印象はなんとも言いようのない重苦しさと数日間に渡って続く自問自答です。 普通そういう風には思わないのですが、彼の作品を見て…
『トラックジャック/激突ハイウェイ大攻防戦』を見たのと『マッドマックス2』を見たのとどっちが先だったろうか。たぶん、この作品を見たのは小学生の頃で、『マッドマックス2』を見たのは中2か中3だったと記憶しています。柴田恭平がマックスの声、ジョニ…
この作品は劇場未公開のテレビ向けのフィルムで、いわゆるテレ・フィーチャーという括りになります。スピルバーグの『激突!』ももともとはテレビ映画として製作されたことを考えると一概に安かろう、悪かろうと馬鹿にはできない。 わが国の日活ロマンポルノ…
『バニシング・イン・60″』とは直訳すると「60秒以内に消え失せる」という意味でしょうが、この映画では60秒以内で駐車場から乗用車を盗難するという意味で用いられます。ただしこの映画の原題は『Gone in 60 Seconds』なので、こっちの方が分かりやすい。 …
ヒッチコックの『鳥』、スピルバーグの『ジョーズ』、そして『ウィラード』『ベン』など動物パニック映画はホラーの中で一つのジャンルとして定着しています。その流れで鳥やサメ以外に他の動物に目をつけた者がいました。 蜂の大群が人間に襲い掛かり、町中…
ビートルズの名曲『レット・イット・ビー』『ゲット・バック』が主人公の故・古尾谷雅人の意志を表す重要なモチーフとして機能していた角川映画が『悪霊島』でした。横溝正史作品を売りにしていた当時の角川書店、つまり角川春樹の戦略は大いに当たり、80年…
前作『ウィラード』が予想以上にヒットして多くの観客を動員したためか、翌年の1972年には早速、フィル・カールソン監督による続編『ベン』が公開されました。 『ウィラード』のラスト・シーンであるベンたちによるウィラード粛清場面から始まるこの映画は一…
これまでに、いったい何本くらいマカロニ・ウェスタン映画が撮影されたのかは定かではありませんが、そのなかには『荒野の用心棒』『ジャンゴ』のように名作として後世に残るものがある一方で、誰にも顧みられることなく、映画会社の倉庫に埋もれ、フィルム…
『ウィラード』について話すには『ベン』のことも触れねばならないでしょう。『ベン』といえば、なんといってもマイケル・ジャクソンです。晩年はまるでウィラードのような奇行がメディアを賑わし、古くからのファンを心配させていましたが、マイケル・ジャ…
この『オー!ゴッド』もまた最初に見たのは東京12チャンネルで、ユニクロから出てきたようにカジュアルな服装(野球帽を被っている!)の神様がなんとも素晴らしい。 御爺ちゃんの神様、ジョージ・バーンズの声をアテていたのは磯野波平(永井一郎)でした。聞…
『デス・シップ』というビデオやDVDタイトルよりも、中学生の頃にゴールデン洋画劇場で紹介されたときのタイトル『ゴースト/血のシャワー』のほうがぼくら世代にはしっくりきます。 製作が1978年で、テレビで見たのがたぶん1983年か1984年なので、けっこう遅…
テレビ朝日の看板ドラマ・シリーズのひとつに水谷豊主演の『相棒』があります。2000年と2001年にパイロット版的な単発ドラマが3本製作されたあと、2002年に本格的にシーズン1がスタートしてから、すでに10年以上が経っています。 『相棒』というタイトルが表…
『暗号名 黒猫を追え!』は暗号名を“コードネーム”、黒猫を“ブラック・キャット”と読ませます。荷物を抱えた黒猫ヤマトの宅急便の宣伝映画でも、彼らに預けた荷物を取り戻す映画でもありません。 これはスパイ映画のひとつで、虚虚実実の駆け引きのある見応…
『ドラゴン危機一発』(1971)『ドラゴン怒りの鉄拳』(1971)、そしてハリウッド製作の『燃えよドラゴン』(1973)で全世界的な第一次カンフー・ブームの立役者となったブルース・リー。 彼の最後の出演作としてこの『死亡遊戯』(1978)があります。しかし…
『デスレース2000』はB級映画の帝王、ロジャー・コーマン製作による、いつもの通りの低予算映画であり、近未来(20年後とかなので、SF未来都市とか作らなくていいので、すぐ出来て安上がりだから!)SF物のバイオレンス・レース映画です。 70年代後半まで、…