2012-01-01から1年間の記事一覧
映画を彩る俳優にはポスターのど真ん中に来る、お客さんを呼べる主役として君臨し続けるスターと彼らを支える脇役の二種類が存在します。子どもの頃からひねくれていたぼくは主役俳優よりも彼らの引き立て役になることが多い脇役の俳優たちについつい眼が行…
蜷川実花作品を振り返ると思い出すのはポップでカラフルなイメージです。土屋アンナを起用した『さくらん』、AKB48のPV『ヘビーローテーション』で見たような華やかでエロチックな匂いが充満している感じの色彩が彼女らしく思います。 ただ残念ながら、彼女…
庵野秀明が1980年代後半に手掛けた初期の傑作アニメがこの『トップをねらえ!』であり、このシリーズには後の代表作『新世紀ヱヴァンゲリヲン』の原型と思える数多くの設定やイメージを見ることが出来る。 軍艦内の標識の数々や書式にはヱヴァのファンならば…
一本の映画DVDを発売日前に注文したつもりになっていましたが、Amazonのカートを確定させていなかったことに先週になって、ようやく気付きました。 あらためて注文をしたところ、ようやく昨日になって、前から見たかったジャンヌ・モロー主演、ジャン・ジュ…
フェデリコ・フェリーニ監督の代表作『8 1/2』の“1/2”が何を指すのだろうと思った映画ファンは数少なくはないでしょう。この“1/2”は彼ひとりの監督作品ではなく、アルベルト・ラットゥアーラとの共同監督だったこの作品『寄席の脚光』やその他のオムニバス作…
映画館で見た予告編が面白かったために公開前から興味があったこの作品。なんとか時間を遣り繰りして、ようやく本日になって観ることが出来ました。 ここ数年は貧乏暇なしの傾向が続き、なかなか観に行く機会も減ってきていたので、数ヵ月ぶりの映画館での鑑…
レコード会社との枚数リリース契約上、出さざるを得なかったのがビートルズ唯一の二枚組オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』です。 アナログ・レコードを久しぶりに手に取り、B面最後の『ジュリア』を聴き終わり、ターン・テーブルへ二枚目のレコードと…
日本のアニメを見慣れた目には少々物足りなく映るかもしれませんが、公開された当時はなかなかの話題作としてマスコミなどにも取り上げられていたのがこの『風が吹くとき』です。 核爆弾が落ちようとする寸前、イギリス(チャーチルやスターリン、ヒトラーの…
WOWOWシネマの深夜帯をぼんやり見ていると、一本のモノクロ映画が始まりました。タイトルは『四人の復讐』とあります。内容は軍の機密を知って、謀略にはまって汚名を着せられて不名誉除隊させられた高潔な軍人が帰宅後に殺害され、残された四人の息子たちが…
レンタルビデオ最盛期だった80年代後半、ホラー映画コーナーに行くと必ず隅っこの方に置かれていたのが『ギニーピッグ 悪魔の実験』と『ミミズバーガー』でした。 前者のシリーズは宮崎事件の影響で未だに国内では正式に販売されていませんし、後者の『ミミ…
黒澤明が生涯で監督した映画はデビュー作『姿三四郎』から遺作となった『まあだだよ』までで全三十作品あり、小学生の頃から黒澤映画ファンだったぼくは多くの作品をビデオで何度も繰り返し見てきました。 年齢的にモノクロ時代には間に合わなかったぼくが映…
1950年代の特撮映画といえば、日本の『ゴジラ』(1954)、ハリーハウゼンの『原子怪獣現わる』(1953)というあまりにも有名な怪獣映画が二つあります。その陰に隠れてしまっているのは否定できないものの、今回の『怪獣ゴルゴ』もまた長い間に渡り、特撮フ…
黒澤明監督の最後のモノクロ作品となった『赤ひげ』は武骨な立ち回りなどのいわゆる一般の方が黒澤映画に持つであろう男祭りの派手さはないものの、風景や人物の描写や構図でモノクロ映画の美しさの極致を堪能させてくれました。 『赤ひげ』完成後に黒澤明監…
部屋の整理をしようとして、押入れ奥のビデオの段ボールを引っ張り出してきました。ふいにある作品を見たくなり、ガサガサと箱の中を探していたのですが、この作品のビデオテープを発見したので、数年振りに一本のビデオを見直しました。 20年物のVHSテープ…
邦画と洋画のホラー映画の違いは何だろうか?ユニバーサル映画は多くの怪物を生み出し、吸血鬼ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、ミイラ男、狼男、半魚人などは今でも多くのファンの心を鷲掴みにしています。 一方、わが国のホラーとはずばり怪談であ…
ずいぶん前からタイトルは知っているし、そこそこ気にはなるものの、わざわざ買ってまでも見たいとは思わない作品がけっこうあります。『獣人ゴリラ男』はそういう位置づけにあった作品で、特撮ファンのぼくへのアマゾンお薦め作品ではかなり上位にランクイ…
いつものことではありますが、昔見た古い映画を探すときに困ってしまうのがコロコロ変わる邦題です。オリジナルタイトルが『ザ・クレイジーズ』、ビデオのタイトルが『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』、東京12チャンネル放送時の題名が『第2のカサンド…
来年にはデビュー五十周年(!)を迎えようとするローリング・ストーンズが出演した映画のなかで、純粋なライヴ物ではないのは『悪魔を憐れむ歌』のレコーディング風景をジャン=リュック・ゴダールが撮り続けた『ワン・プラス・ワン』のみです。 孤立していく…
映画がテレビに押され、娯楽の一番手から転落し、斜陽期を迎えていた当時の大スター、石原裕次郎と三船敏郎が共演したというだけではなく、五社協定などのしがらみの多い閉鎖的な映画界にあって、石原プロと三船プロという独立プロダクションを立ち上げた二…
一般的な映画ファン及びマニアだけではなく、それと気づいているかどうかにかかわらず、おそらく多くの人々はこの作品からの引用を見たことがあるでしょう。 アルフレッド・ヒッチコックの『サイコ』はそれほどよく知られている映画です。我が国のバラエティ…
誰もが知るアルフレッド・ヒッチコック監督の代表作のひとつ『サイコ』。主演のアンソニー・パーキンスの異様な演技、シャワー・シーンでハーマンの音楽と絶叫とともに殺害されるジャネット・リー。あまりにも有名な映画に出演してしまうと、その後のイメー…
大型バイクに颯爽と跨がった小人のオッサンの強烈なインパクトのポスターでお馴染みの、その名もズバリの『小人の饗宴』はヴェルナー・ヘルツォークが1970年に監督したモノクロ作品です。 この作品は登場人物すべてが小人という一見すると、現代版『フリーク…
ジャーマン・ニュー・シネマという大きな波を世界中の映画ファンに知らしめた、記念すべきというよりも見ておくべき作品のひとつがヴェルナー・ヘルツォーク監督初期の代表作となった『アギーレ・神の怒り』です。 この映画でいう“神”というのはイエス・キリ…
牧口雄二という名前を知っている映画ファンはそれほど多くないでしょう。彼は東映に所属していた職人監督のひとりで、低予算かつ下劣な見世物映画、当時としては普通だった、興行のメインではない二本立てや三本立ての添え物作品を任されていました。 我が国…
日本もアメリカも大企業のお偉方の最大の関心事は自分の任期中の株主総会を上手くやり過ごすことです。そのために必要なのは売上・利益・顧客数などが前年度より純増していくことか、メーカーならば新技術の実用化が肝要になります。 この4点セットをクリア…
四十代以上となる僕ら世代には“わが青春の”という枕詞に続くワードは“アルカディア”でしょう。『宇宙戦艦ヤマト』や『キャプテン・ハーロック』、『銀河鉄道999』で有名な松本零士がこの映画から多大な影響を受けたのは間違いなく、本人もこの映画を愛してい…
短編であろうと長編であろうと、すべての映画には上映時間という縛りがあり、良い映画は時間を忘れさせてくれて、その作品世界に没頭させる力を持っている。 一方で普通の映画や出来の悪い映画には不必要な会話やシーンが少なからず存在し、観ている者をイラ…
カルビン・クーリッジ以来、フーバー、ルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、そしてニクソンと8代で約50年に渡り、彼ら歴代アメリカ大統領たちの数多くの秘密を握っていた悪名高いフーバーFBI長官の名前をはじめて知ったのは今…
今日は久しぶりにJRに乗って、奈良の隣の橿原市まで映画を観に行くことになり、朝8時から出かけました。乗ってみて驚いたのは電車の扉が発車時間近くまで待っていても、まったく開かないことでした。 いつの間にか、乗降システムが変わり、扉近くの開閉ボタ…
今年、映画館での二本目。邦画大人気シリーズの第三弾で、前二作ではまだ可愛らしかった須賀くんをはじめとする子役たちの現実的な成長等もあり、おそらくはシリーズ最終話、もしくは区切りとしての位置付けで製作されたのがこの作品のようにも見えます。 今…