2008-01-01から1年間の記事一覧
今年に入ってから観た映画はいったい何本だったのだろう。『ランボー4』『ジュノ』『アクロス・ザ・ユニヴァース』『ホット・ファズ』『クライマーズ・ハイ』『崖の上のポニョ』『ウォーリー』『レッド・クリフ』『ザ・マジック・アワー』『相棒 劇場版』『…
アナログ時代からのビートルズ・マニアでしたが、20数年前の引越しの際にコレクションすべてを失ってしまってからはCDに買い換えて、公式盤のみで我慢しておりました。失った音源には中学のときから大学時代までに40枚近くコツコツ貯めた、レトロ調のジャ…
レッド・クリフと聞いて、「赤壁の戦い」を思い出した人はかなりの三国志マニアかもしれません。一般に三国志というと、ビジネス書コーナーなどでぼんやりと書店で見たこともあるでしょうが、実際に手にとって、購入するところまで行く人は稀でしょう。むし…
おそらく、ゴジラへの思い入れが強い人ほど、『ゴジラ』(1954)から『怪獣大戦争』くらいまでのゴジラ・シリーズこそがリアル・ゴジラだと言い張るのでしょう。またはヘドラの残像が残っている人はこれこそがオリジナル以来では準優勝的な最高傑作と信…
最近、どうもあまり映画を観たいと思わない。劇場に行かないわけではない。この春夏以降でも、『大いなる陰謀』『最高の人生の見つけ方』『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの伝説』『ヴァンテージ・ポイント』『カンフー・パンダ』『ハプニング』『…
いまから20年以上も前の学生時代、大阪の海外ブートレッグや輸入盤専門店でレコードを買い漁っていた頃、さまざまなアルバムを手に入れました。音質は最悪、ジャケットはボロボロ、たまに反りがあったり、変な臭いがしたりと海賊盤というとマイナスなイメ…
納涼ということで、前回と今回はホラー映画を記事にしていますが、この映画のタイトルがまずは凄い。死霊の「盆踊り」なのだ。もともと死霊の方々は真夏の暑い日に出てくるものだと昔から相場が決まっています。 しかしチェーンソーを振り回したり、鍵爪で他…
ギニーピッグ・シリーズはそもそもはビデオのみの発売であり、80年代当時に劇場公開されたわけではないので、厳密に言うと「映画」ではありません。また現在見るのが非常に困難になっているため、なかば伝説化している感すらあります。のちに2006年に…
M・ナイト・シャマラン監督作品と言えば、配給会社の意に反して大ヒットした『シックス・センス』以降、『サイン』『レディ・イン・ザ・ウォーター』などが続いているが、正直言ってパッとしないものばかりである。寂しいような、冷たいような映像感覚には…
孤高の天才、スタンリー・キューブリックが監督した最初の映画というと、ほとんどの人は知らないか、映画マニアでも『非情の罠』を思い浮かべるでしょう。現在、一般の映画ファンが観ることができる作品はマニアックな映画祭を除くと、フィルム・ノワール的…
『アルジェの戦い』はアフリカ大陸に位置するアラブ諸国のひとつであるアルジェリアが、宗主国である侵略者フランスから多くの犠牲者の血の代償を払いながら、念願の独立を勝ち取った過程をセミ・ドキュメンタリー・タッチで描いた60年代映画の傑作である。…
待望の、というにはあまりにも長い歳月が過ぎました。髪の色は白くなり、薄くなり(ウィリスよりはましか…)、お腹には貫禄がつき、筋力は衰えてしまう。しかしドタバタ動き回っていたインディも楽しかったが、66歳を越えてなお、アクション・シーンに果敢…
ファシストで、ファランヘ党総統のフランコ将軍の率いる軍隊の侵攻に立ち向かうべく、共和派の戦線に参加するためにスペイン入りした、アンドレ・マルローが書いた小説を彼自身が監督して撮りあげたのが、この『希望 テルエルの山々』です。 この映画は戦後…
作品が始まる前、幕が閉じられたまま、五分弱の序曲がかかる。『ザッツ・エンターテインメント』みたいです。観客に、この映画が大作であることを宣言しているようでした。パラマウント映画の映像が出てきますが、米仏合作映画となっています。 ただ、合作と…
リチャード・レスター監督により1964年に製作された、「じゃーーーーーーん!」というギター音が印象的な、言わずと知れたビートルズの主演映画の第一作目がこの『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』です。いまでは『ハード・デイズ・ナイト』…
クエンティン・タランティーノ監督が『パルプ・フィクション』(1994)で大成功を収めて以来、プロットの時系列を切り刻んで、あちらこちらに再配列させて、観客を惑わす映画がかなり増えてきました。その中にはただ理解しづらくなっただけの無意味な作…
しかしまあ、良しにつけ、悪しきにつけ、なんとタイムリーな公開時期になったのでしょう。よりによって、サイクロンが吹き荒れた、こんなときに軍事政権下のビルマを舞台にした映画が封切られるとは思いませんでした。しかも有名なアクション映画の久しぶり…
誰でも映画を観た経験はあるでしょう。小さい頃、親に手を引かれ、アニメか特撮か、それともはじめから大人向けの映画を観たかもしれません。そうした経験が基盤となり、映画ファンになっていく人も多いでしょう。自分もそうした一人でした。もしかすると映…
みんなが大好きな「映画」には大事な要素が三つあります。一つ目は当然ながら「映画」という作品そのものです。そしてそれを製作する映画監督や俳優などの「作り手」が要ります。しかしながら、ただ作品があってもしょうがない。観られてこそ、初めて映画に…
ナチ・イーグルの威圧的な映像が前世紀に製作された二大プロパガンダ(もう一方は『戦艦ポチョムキン』)の幕開けを告げる。第一次世界大戦の勃発と敗戦という結果がもたらした悲劇的な、そして惨めな戦後ドイツ国内の様子と苦悩を述べた後、カメラは雲の上…
リュミエル兄弟の『シネマトグラフ』、ジョルジュ・メリエスの『月世界探検』、エドウィン・ポーターの『大列車強盗』以降、労働や家事で疲れきった庶民が一時の夢を見るため、そして明日また働くための活力とするためのささやかな娯楽の王様として、旅一座…
ハリウッド映画、邦画の別に関わらず、ストーリー性に優れている映画、つまり劇映画こそが唯一の映画だと思っている人がほとんどである現在、かつて存在した種類の映画運動について何かを書くことも必要なのではないか。 どういうものかを例に取りますと、1…
朝な夕な、まだ肌寒い日々をだらだらと暮らし、さまざまな名作及びカルト映画を何気なく観ていると、ふとした瞬間に画面に集中しつつも、一方で思い巡らせている時があります。それは映画を「観ている」という時は「目」だけでなく「耳」も、そして、もちろ…
1970年代後半から1980年代前半を駆け抜けたイギリスのロック・バンド、ポリスをはじめて聴いたのは、たしか1979年の『ドゥ・ドゥ・ドゥ・デ・ダ・ダ・ダ』だったと記憶しています。しかもそれは「なんじゃこりゃあ!」としかいいようがない、ま…
長い間、何年何十年と映画を観ていると、これまでにも様々な問題作品と呼ばれる映像作品に行き当たりました。メジャーなものでは『ノストラダムスの大予言』『獣人雪男』『狂鬼人間』など特撮系の発禁作品。『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』『九十九本目の生…
しかし、なんともまあ…。おどろおどろしいタイトルを付けたものです。その名もずばり『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』とは。漢字ばっかりです。作品タイトルのインパクトだけで、気の弱い人は遠慮してしまうかもしれません。「江戸川乱歩」「恐怖」「奇形」…
今回採り上げた『ミステリアス・ピカソ』は単なる芸術家の絵画制作過程を追ったドキュメンタリーではない。何しろスタッフが群を抜いている。監督としてこの作品を仕切ったのは『情婦マノン』『恐怖の報酬』などの秀作を持つアンリ=ジョルジュ・クルーゾー…
タブーの概念は時代ごとに変わるので、大丈夫になる時代がまた来るかもしれません。絶対的な価値観などそもそも存在しないわけですから、気長に待っていれば、普通に見れるときがまたくるでしょう。そうすると現在ある意味、神聖化されている第24話もただ…
1968年に、円谷プロ制作の特撮作品シリーズとして今も評価が高い『ウルトラセブン』が放映終了後に、TBSタケダ・アワー(このために、夜のドライブで終わる放送回でのラストシーンでは「武田 アリナミンA」の電飾看板が大映しになる!)の後釜番組と…
東宝映画が『ゴジラ』と『七人の侍』で大当たりを取った1954年の翌年である1955年に『ゴジラの逆襲』のあとに製作されたのが今回紹介する『獣人雪男』です。しかしこの作品を今ビデオやDVDで正規で見るのは不可能です。何故ならソフト化されてい…