良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『死霊の盆踊り』(1965)原作がエド・ウッド…。他に何か言葉がいるのだろうか?

 納涼ということで、前回と今回はホラー映画を記事にしていますが、この映画のタイトルがまずは凄い。死霊の「盆踊り」なのだ。もともと死霊の方々は真夏の暑い日に出てくるものだと昔から相場が決まっています。  しかしチェーンソーを振り回したり、鍵爪で他人の顔を引っかいたりする奴ら(ジェイソン氏は死霊ではありませんが。)は結構いましたが、盆踊りをしにやって来る死霊の方々はあまり聞かない。
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 全世界的には『プラン・9・フロム・アウタースペース』が最低映画だと言われ続けていますが、こちらの方がさらに酷い。しかも携わっているのがあの御大エド・ウッドと来れば、良い映画には成りようがない。  ヘイズ・コードがきつかった頃に、性的な見せ物映画の一環として製作されたものであり、女性の裸踊りこそが最大の、そして唯一の見せ場である。ホラーであると思ってみていると大間違いな映画、それがこの『死霊の盆踊り』なのです。おそらくこの作品って、劇場で掛けるためというよりも、ドライブ・イン・シアターとかポルノ映画館での収入を見越した映画だったのでしょう。
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 史上最低の映画監督、エド・ウッドの名前は映画界では有名でしたし、内容がどうのこうのよりも、ただ客を呼べればいいという思惑のみで製作が決まったのでしょうか。  内容は酷いの一言、単調の一言で片付けられる。よくある映画評では一行くらい書いて、「最低。0点。」とかで済ますのでしょうが、実際見所が全くないこの作品について書いていくのは非常に難しい。
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 カルト映画としては有名であるが、それは「これは最低の映画だから、見ておいたほうが良いよ!」という普段の映画ファンたちの会話としては成り立たない言説が飛び交う、摩訶不思議な映画である。これを観た後ならば、どんな映画でも名作にみえてくるから不思議である。
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 一応ストーリーはあるのですが、別段どうでもいい程度です。スタイルのいい10人(たぶんこれくらいだったと…。)のおねえちゃんたち(彼女たちは現役のストリッパー。)が一人ずつ、全裸ではなく、中途半端なトップレス状態で、ただダラダラと脱いで、フラフラ踊っているだけ、しかもそれが延々と90分以上続くという恐ろしさなのです。  猫娘、インディアン風、花嫁衣裳、羽飾り、黄金の女(『ゴールド・フィンガー』のパクリ)、その他いろいろで一応は趣向を凝らしているつもりのようです。
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 これを退屈せずに見ていられるという人は果たしているのだろうか。乱痴気騒ぎと呼ぶにはあまりにも渋く、何十年前の田舎のストリップ劇場って、こういう感じだったのかなあという感慨にふけりながら、睡魔と闘っていました。
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 演技と呼ぶには情けなく、下手すぎるクリスウェル(たしかプラン9にも出ていたような)が演じるドラキュラみたいな悪魔?、ヴァンパイラより酷い出来の闇の女王、Z級のミイラ男と狼男の着ぐるみたち、やる気のないヒロイン。このヒロインは目の前で展開される文化祭レベルの間抜けな演技を見守ることすら放棄してしまい、視線があっちこっちに泳いでいました。
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 そして台詞が全くない踊り子たち(しかも音楽と踊りがまるでバラバラ!アフレコであること、踊りの振付師が踊り子たちに不評で途中で解雇されてしまったため、もともと酷かったのが、はじめと終わりでさらにバラバラで収拾が付いていない。)が織り成す悪夢の、というか二日酔いの後のような気だるい感じがなんとも言えない。
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 ゆるい、とにかくゆるすぎる。これでいいのか!?エドだから良いんでしょうね…。  絵コンテという考え方も無いようで、フィルムがちゃんと繋がっていないのもB級をはるかに下回る出来でした。ドライブのシーンで、ツーショットでは夜なのが、ロングになると真昼になってしまったりするのを見るとがっかりして、興が醒めていくかたもいるでしょう。
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 監督のインタビューによると、光を調整するためフィルターをかけて撮影していたものの、フィルムを焼く過程で、担当者が明るく焼きすぎてしまったために起こったことで、本当は焼き直したかったらしいが、時間と予算がないために繋がっていないのは分かってはいたが、敢えてそのままリリースしたとのことでした。
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 まあ、低予算映画では割りと起こることなので、特撮映画好きなぼくは特に気にはなりませんでしたが、それでも作品への愛情という意味では十分とは言えないのではないでしょうか。「金になればいいや!」という匂いがぷんぷんしています。
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 これを90分以上耐えることがホラーといえるかもしれません。  総合評価 6点
死霊の盆踊り デラックス版
ジャパンホームビデオ
2005-07-22

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ある意味怖い映画知る ...
墓場でくりひろげられ ...
高いわ!まぁデラック ...
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