良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『抵抗 死刑囚の手記より』(1956)死と背中合わせの圧迫感と緊迫感。

ロベール・ブレッソン監督作品、つまり“シネマトグラフ”を映画館のスクリーンで観るのは今回が初めてということもあり、普段なら億劫でなかなか行こうとは思わない道のりが、今日はウキウキしながら、奈良から梅田までの一時間余りの移動時間を過ごしました…

『2012』(2009)エメリッヒ的な大きな映画だが…。地獄の沙汰も金次第という胸糞悪い映画。

ローランド・エメリッヒ監督の作品で、多くの映画ファンがすぐに思い出すのは『デイ・アフター・トゥモロー』だろうか。彼の仕事の印象としては大きい映画を任される人物であるという程度です。 去年の年末からお正月にかけて、話題になっていた映画でしたが…

『赤軍-PFLP 世界戦争宣言』(1971)プロパガンダの最良の形態は武装闘争である!

もちろん、ぼくは学生運動などしたことはないし、僕らの頃には赤軍派だけではなく、共産主義そのものがすでに時代遅れになっていた。ゴルバチョフが登場し、ロシアの惨状が明らかになるにつれ、幻想はしぼみ、冷戦の象徴であった、ベルリンの壁は90年代を前…

『略称 連続射殺魔』(1969)19歳の少年が引き起こした連続殺人事件のドキュメンタリー作品。

現在でも世間を恐怖の底に叩き落す犯罪は数多いが、そのなかでも20歳未満、つまり未成年によって引き起こされた凶悪事件のインパクトは通常の事件よりもはるかに大きい。1968年にある少年が起こした事件はセンセーショナルで、社会を震え上らせました。 いわ…

『蒸気船ウィリー』(1928)解釈学的視点によるミッキーのデビュー作品。

この物語に登場するアメリカ人の主人公、ミッキーマウスは現存在として先駆的了解をするには至っていない。1920年代の後半である1928年では、彼は迫り来るナチズムの台頭にかかわらず、安全地帯のアメリカ内陸部でゆったりと構えていて、いまだ覚醒してはお…

『蒸気船ウィリー』(1928)印象批評的な見方によるミッキー・マウスの記念すべき作品。

しばらくはパロディで進めていきます。印象批評とはいわゆる面白い、面白くないという個人的主観で、つまり確固たる根拠がないのに、文学作品にああだこうだ言う立場です。文学批評では色々な考え方が批評に利用され、記号論、解釈学、受容理論、現象学、構…