良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『アンドリエーシ』(1955)パラジャーノフ初期の冒険譚。後の嗜好はすでに散見できます。

友人と彼女の家の近くにあるイタリア料理屋さんでランチをしたあとに車で駅まで送ってもらいました。最寄り駅から大阪九条まで行くために中継駅の西大寺で電車を乗り継がねばと思い巡らせていたところ、その駅から難波まで急行が出ていることをはじめて知り…

『石の上の花』(1962)これを見て、パラジャーノフだと分かる人はいるのだろうか?

さて本日最後に上映された『石の上の花』はセルゲイ・パラジャーノフ監督の初期作品のひとつではありますが、モノクロ・フィルムであり、かつ民族衣装を身に纏う者はいない。 パラジャーノフらしい要素を見つけるのがかなり難しいので、たぶん誰も気づかない…

『火の馬』(1964)全作品中でももっとも解りやすいかもしれない代表作の一つだが…。

セルゲイ・パラジャーノフ翻案によるロシア版の『ロミオとジュリエット』という趣があるのが代表作となった『火の馬』です。タイトルは火の馬ですが、じっさいの映像で火の馬が登場するわけではなく、どちらかというと死に行く兄弟が虚空に見た、“血の馬”の…

『早春』(1970)輸入版DVDはやっと発売されましたが、字幕版で見たい傑作青春トラウマ映画。

九条シネ・ヌーヴォで来月後半に集中上映されるのはイエジー・スコリモフスキー監督作品群です。公式サイトにはまだどの作品を上映するのかの詳細は記載されていませんでした。 先週、セルゲイ・パラジャーノフ特集で劇場を訪れた折にスタッフの方とお話しす…

『アシク・ケリブ』(1988)パラジャーノフ最後の輝き。ついに自分の望む形での製作が可能に。

パラジャーノフ後期の、というよりも遺作となってしまった『アシク・ケリブ』はかつてDVD化されていましたが、現在は廃盤のようで、その他のパラジャーノフ作品同様にAmazonやヤフオクで高額で取引されています。 それでも代表作である『火の馬』や『ざくろ…

『ざくろの色』(1971)パラジャーノフのたどり着いた映像美の極致。ほぼ台詞なしで魅せる。

劇場の大きなスクリーンで観ると赤と黒の鮮やかさ、くすんだ青と壁の色の豊かさがよくわかる。一回目は寝てしまうだろう。二回目は眠たくなるだろう。三回目は耐えられるだろう。四回目は計算された美しさに気づくだろう。そしてようやく五回目に意味を考え…

『レナードの朝』(1990)デ・ニーロとロビン・ウィリアムスの二大俳優共演作はもう見られない。

亡くなったロビン・ウィリアムスが出演していた作品群のなかで、もっとも心に残っている作品のひとつがこの『レナードの朝』です。 大学生時代に公開されたときはロバート・デ・ニーロの大ファンだった友人と映画館まで観に行きました。ただそのときはあくま…

『ロビン・ウィリアムズの思い出』1990年代、観に行った多くの映画で彼はニコニコしてました。

先日、知り合いが経営しているお店でランチをしているとFMラジオから一本のニュースが流れてきました。何気なく聴いていると、アメリカの演技派俳優&コメディアンだったロビン・ウィリアムズの訃報を知らせるものでした。 まだ60代前半だったはずなので、自…

『荒野の千鳥足』(1971)スコセッシがすさまじく不快と語った問題作、いよいよ公開。

この作品は1971年公開のオーストラリア映画ですが、洋画といえばハリウッドとヨーロッパのことだったわが国では当然のように当時は未公開のまま、現在に至りました。 そんな作品が突然、今年の秋に公開が決まり、40年越しの上映となり、にわかに騒がしくなっ…

『バッド・テイスト』(1987)ピーター・ジャクソン監督がやりたい放題やってしまったデビュー作。

昨日から今日にかけて、近畿地方には台風11号が長い間居座り続け、各所で交通網に影響が出ているようです。 さいわいウチの近所では大きな被害はないようですが、近くの河川の水位や勢いはかなり強く、普段の穏やかな様子を見慣れている者からすると信じられ…

『生ける屍の城』(1964)クリストファー・リー主演の隠れた佳作ホラー。

怪奇映画の老舗であるハマー・フィルム作品では有名な怪奇俳優、クリストファー・リーが主演していた作品の多くで彼は吸血鬼役を演じていました。しかし今回はマッド・サイエンティスト役での登場となります。 クリストファー・リーのメイクが不気味でまるで…

『思い出せない映画たち』小中学生のころに見たが、タイトルを思い出せない作品群。

小中学校時代に何気なく見ていたテレビ放送での映画鑑賞は星の数ほどありますが、タイトルを覚えていないものやそもそも記憶にすら残っていないものが大半を占める。宿題をしながらや夜中にぼんやりと眺めていたことが多いためでもあります。 そのなかにはメ…

『女ドラキュラ』(1936)タイトルはテキトーですが、中身はしっかりした『魔人ドラキュラ』の続編

この作品『DRACULA'S DAUGHTER』には『女ドラキュラ』という身も蓋もない邦題が付けられていますが、オリジナルタイトルも和訳すると『ドラキュラの娘』なのでそう大差はない。 ホラーの老舗、ユニバーサル映画の古典となる、トッド・ブライニング監督でベラ…

『ファントム・クリープス/ゾルカ博士の野望』(2)ルーカスも好きだっただろうアイアンマン!

今回は『ファントム・クリープス/ゾルカ博士の野望』第2~5話『ハイウェイに忍び寄る死神』『崩れ落ちる鉄塔』『見えざる恐怖』『唸る線路』です。全12エピソードを一気に見てしまいたい衝動を抑えながら、少しずつ進めています。 物語は広がりを見せ、ベラ…