良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『恐竜グワンジ』(1969)時代の興味はすでに恐竜ではなく、宇宙に向かっていたのに...。

この作品が制作されたのは、『ロスト・ワールド』が公開された1925年ではなく、ビートルズが実質的なラストアルバムとなった『アビーロード』を発表し、キューブリックが『2001年 宇宙の旅』を公開して、話題になっていた1969年だったのです。そ…

『恐竜100万年』(1966)ラクエル・ウェルチがセクシーな皮ビキニ姿で、大活躍なさいます!

『恐竜100万年』は1966年に公開された作品で、特撮ファンにとっては、巨匠レイ・ハリーハウゼンが特撮で参加している作品ということで評価は高いのですが、一般の成人男性映画ファン(男性成人映画ファンではありません)にとってはハリーハウゼンな…

『水爆と深海の怪物』(1955) うぁーーー!にげろー!オオダコだあー!

低予算映画というと、つまんない、ちゃち、やる気がない、など不評のものが多く、映画会社としても時間を埋めるだけでよいという姿勢がはっきりと見えるものも多い。現在ではわが国での映画興行も、宣伝費を掛けた一作品のみのシネコン・スタイルの上映だけ…

『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)ゾンビ映画の金字塔であり、アイデアに溢れた傑作。

ゾンビ映画といえば、この人しかいないとも言える人物がジョージ・A・ロメロ監督であり、彼がまだ制作費を十分に得られず、四苦八苦していた当時に製作されたのが、この『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』です。製作されたのは1968年ということも…

『シネマトグラフ』(1895)映画の歴史が始まった、1895年12月28日。

キネトスコープなど、狭いレンズを覗いて、動画映像を観る試みは既に、19世紀末である、この日以前からありました。しかし「映写」して、動画の映像世界を、一度に多くの観客に見せたのは、フランス人のリュミエール兄弟が初めてでした。写真でも、まだ珍…

『大列車強盗』(1903)僅か15カットのこの作品が、アメリカ・アクション映画の始まりとなった。

1903年に、エドウィン・S・ポーター監督によって、製作された『大列車強盗』はアメリカ映画の幕開けと言っても良いほどの大きな意味を持つ作品でした。アメリカらしい、アメリカ映画といえば、何といっても西部劇に代表される、男の匂いのするアクショ…

『原子怪獣現る』(1953)ハリーハウゼンの技が冴える!ゴジラの元ネタとなった傑作怪獣映画。

1953年に公開されて、大ヒットした作品で、翌1954年にわが国から生まれた、『ゴジラ』の元ネタとなった、モンスター映画の記念碑的な作品であり、かつ決定版が、この『原子怪獣現る』です。製作には勿論、特撮の巨匠、レイ・ハリーハウゼンが参加し…

『模倣犯』(2002) 自分の意見を持つ者は異端か?世間体など気にせずに、冷静に見ましょう。

映画を評価する時、もっとも一般的なやり方として、ストーリーが「面白かった」、「つまんなかった」で済ましてしまい、「何故、面白かったのか」、もしくは「何故つまらなかったのか」ということまで、突き詰めて語られている事はあまり無いようです。それ…

『東京流れ者』(1966) 鈴木清順監督の映像センスが冴え渡る、快心作。

1966年に製作された、渡哲也主演のヤクザ・アクション・歌謡映画であり、鈴木清順監督がまだ日活に所属していた頃に撮られたもののひとつです。海外に多くのファンを持つ、鈴木清順監督作品のなかでも、とりわけ人気が高いと言われているのが、この作品…

『ガメラ 小さき勇者たち』メイキングを見ての感想。

<本日、本編を観てきました。最新の記事(5/20の分)にアップしていますので、そちらをどうぞ。> もうすぐ『ガメラ 小さき勇者たち』が公開されます。正直言って、かなり期待していました。なぜかといえば、1995年に始まった、平成ガメラ・シリー…

『デビルマン』(2004) これは「姉歯デザイン」に違いない。映画とは呼べない。

『デビルマン』、まさにこれは「姉歯デザイン」と言って良いほどの欠陥作品です。しかも雇い主である、ヒューザー的立場にいた東映は、出来の悪い完成品である『ピンチ・ランナー』を既に知っているのです。性質が悪いのはデザイナーとも言える監督だけでは…

『カビリアの夜』(1957) フェデリコ・フェリーニ監督の才能と暖かみを感じる佳作。

『カビリアの夜』は1957年製作の作品であり、フェデリコ・フェリーニ監督の一番の理解者でもあり、妻でもある女優、ジュリエッタ・マッシーナが、監督の長編デビュー作でもある『寄席の脚光』(1950)、名作の誉れ高い『道』(1954)、モノクロ…

『裁かるゝジャンヌ』(1927)ほぼ全編がクロース・アップのみで構成された、シネマ(劇映画)。

1927年に製作された、カール・ドライヤー監督の代表作のひとつが、この『裁かるゝジャンヌ』であり、ジャンヌダルク物では、後にこの作品を真っ向から否定する、ロベール・ブレッソン監督の『ジャンヌダルク裁判』と並んで、最高峰に位置する作品でもあ…

『ジャンヌダルク裁判』(1962)余計な演出を削ぎ落とした、シネマトグラフとは何を指すのか。

ロベール・ブレッソン監督という名前は、映画ファン、なかでも『シネマトグラフ覚書』などに代表される彼の映画哲学に興味ある人々にとっては、特別な意味を持ちます。『ゴダールの映画史』でも度々引用された、彼の映像哲学は今読み返してみてもとても新鮮…

『ハリーの災難』(1956)ヒッチコック監督の作った、可愛らしいブラック・コメディー。

1956年に製作された、この『ハリーの災難』はいかにも、アルフレッド・ヒッチコック監督らしいブラックなセンスに溢れたコメディ・タッチの作品です。ですが、ヒッチ先生の作品を見るときは、どうしてもアンドレ・バザンらに代表される、カイエ・デュ・…

『イージー☆ライダー』(1969)あの時代を突き抜けた、音楽と風俗の集大成。

1969年に、主演俳優のひとりでもある、デニス・ホッパー監督によって製作された、『イージー☆ライダー』は、ハリウッドの平均からすると、かなりの低予算映画であったのにもかかわらず、制作費に対して、10倍以上ものとんでもない興行収益を挙げました…

『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)ハリーハウゼンの温もりを感じる、特撮映画。

レイ・ハリーハウゼンの何が凄いかといって、こういった特撮映画のビデオ・パッケージに、「特撮は、あのハリーハウゼン」とか「特撮の権威、ハリーハウゼン」などの文句が、必ず書かれていることです。普通、映画を見る時はストーリー、主演俳優、監督など…

『2010』(1984) My God! Its’ Full Of Stars!x10回くらい。

1984年に公開された、この作品は、言わずと知れた『2001年 宇宙の旅』(1968)から16年もの歳月を経て、製作された続編作品です。原作者はアーサー・E・クラークではありますが、その他のスタッフは当然変わり、監督も、前作では「巨匠」、ス…

『TAKESHIS’』(2005)北野武とビートたけしを、作品にぶちまけた北野武監督の自画像。

ヴェネチア映画祭の時に、何かと話題になった、北野武監督の2005年の作品ですが、映画に物語性を期待する日本やアメリカの過半数以上の映画ファンには「?」か「???」が頭の中で一杯になる作品であったと思います。決して「!!!」という反応にはな…

『2001年 宇宙の旅』(1968)SF映画を見る時のモノサシ(モノリスではない)になっています。

映画監督としての人材が育たない大英帝国で生まれた名監督といえば、チャーリー・チャップリンやアルフレッド・ヒッチコックがいます。この作品を撮ったキューブリックは実際にはブルックリン生まれなのですが、彼の感覚はどう見てもアメリカ的ではなく、イ…

『ファンタジア』(1940)アニメと音楽で、哲学を語るウォルト・ディズニーの凄み。

1940年にアニメーションを使い、映像と音楽を融合させた、壮大な実験作が、この『ファンタジア』です。アニメといえば、どうしても子供向きと捉えられがちではありますが、ここで描かれる映像が表すものは、ウォルト・ディズニーのアニメへの強い愛情と…

『伊豆の踊子』(1933)何度もリメイクされた、川端康成の原作をはじめて映画化した作品。

今では知る人も少ない、日本映画初期の巨匠、五所平之助監督が1933年に、この川端康成原作の本作品を、はじめて映画化した時には、まさかそのあとに、何度もリメイクされるとは思っても見なかったのではないだろうか。 物語自体はそんなに起伏のある話で…

『大怪獣ガメラ』(1965)東宝のトカゲのでっかいのと、人気を二分した大亀のお話。

大映が放った、大怪獣ガメラ・シリーズの記念すべき第一作目がこの『大怪獣ガメラ』です。東宝出身の大怪獣で、1954年にデビューして以来、超人気スターであり続ける先輩ゴジラに続けとばかりに、10年以上の歳月も遅れてデビューしたのが大映の大亀ス…

ディズニーの顔役、ミッキー・マウスのデビュー作品『プレーン・クレイジー』他、モノクロ作品。

ミッキー・マウスがはじめて我々の前に姿を現してから、もうすぐ80年になります。当初、ミッキーの声を務めたのは、かのウォルト・ディズニーでした。彼にとっても、ミッキー・マウスというキャラクターはずば抜けた輝きを放っていたのでしょう。 ミッキー…

『虞美人草』(1935)なんせ、音が酷すぎる。ただ、現存しているだけでもありがたい。

『虞美人草』は1935年製作ということで、その当時の多くの映画と同じく、大戦の戦火に焼かれたものも多く、溝口作品も含めてほとんど残っていない。その大火の中で生き抜いてきた、戦前の作品だったために、かなり期待して鑑賞することになりました。 結…

『ふしぎの国のアリス』(1951)まるで幻覚剤でトリップしたような映像と精神世界が描かれる。

ウォルト・ディズニー製作で、1951年に公開されたのが、この『ふしぎの国のアリス』です。幼少時にこれを見た時には、とても強く印象に残りました。そして33年余り経った、いまでも覚えていたのはチェシャ猫、時間に追われる兎、トランプの兵隊、そし…

『シンドバッド 7回目の航海』(1958)特撮の巨匠、レイ・ハリーハウゼンの技が冴え渡る。

1958年製作作品ですので、当然、リアルタイムで見たわけではありません。はじめて見たのは、おそらくTV放送で、二度目以降はビデオ鑑賞でした。通算で、5回ほど見たことになりますが、何故か何度も見てしまう作品です。 では何故それほど見てしまうの…

『仁義なき戦い』(1973)ヤクザ映画という、狭い枠では収まりきれない強い力を感じて欲しい。

深作欣二監督の代表作ともいえる作品。『仁義なき戦い』という、冠のついた作品は数多くあれど、作品が与えたインパクトの大きさと斬新さにおいて、この初回作を越えているものはただの一本もない。ファースト・シリーズはその後も円熟味が増していき、登場…