2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧
かつての巨匠、エイゼンシュテイン監督の最後の作品となってしまったのが、この『イワン雷帝 第二部』です。『戦艦ポチョムキン』を発表して後は世界を代表する映画人になったエイゼンシュテイン監督も、晩年は再三に渡る制作中止とスターリン体制からの弾圧…
映画史上、とりわけ制作における重要な理論であるモンタージュ理論とその効果的な実践で、社会主義陣営のみならず、全世界の映画界、なかでも制作者全体に多大なる影響を与え、革命を巻き起こしたのはセルゲイ・エイゼンシュテイン監督でした。 彼の代表的作…
何気なくスウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン監督の『サラバンド』を来年一月から公開してくれる、映画通好みの大阪九条にあるシネ・ヌーヴォの上映作品案内を見ていましたら、なんと一月には28本のベルイマン監督作品を一挙上映してくれるという…
CG全盛といわれて久しい最近の特撮事情ですが、その中でも全ての映像がCGで構成されている唯一の、つまり世界初の怪獣映画こそがこの『惑星大怪獣 ネガドン』です。上映時間が25分という短めの作品ではありますが、ここで描かれる風景、人物、機械類、…
モノクロの新作映画をほとんど見かけなくなってから、もうずいぶん経ちます。最近の有名なモノクロ作品というと、洋画では『シン・シティ』、邦画では『ユリイカ』『サムライ・フィクション』まで遡らねばならないほど思い出せません。 そのなかでリュック・べ…
ブライアン・デ・パルマ監督作品というと、常にそれを支持する人と酷評する人とが真っ二つに分かれる珍しい作品が多い。『ミッドナイト・クロス』『殺しのドレス』『ミッション・イン・ポッシブル』『カリートの道』などは絶賛されたが、『ファム・ファタール』『…
そして今日、劇場に足を運びました。いつものように一番後ろの真ん中近くの席を取り、ノワールの世界へ浸り込む前にいろいろと演出や音楽、そしてアングルやカット割りを予想していました。原作を読んだ後に観に行くときの楽しみは自分が想像していた演出と…
フィルム・ノワール・ファンにとっては今年公開される洋画の中でもっとも期待の大きな作品がこの『ブラック・ダリア』ではないだろうか。ジェームズ・エルロイ原作による暗黒のLA四部作の第一作目の小説をもとに、ブライアン・デ・パルマ監督がどのような手腕を…
『TRICK』『ケイゾク』『明日の記憶』『恋愛寫真』『2LDK』そしてこの『チャイニーズ・ディナー』と堤幸彦監督作品を列挙していくと彼の雑食性というか興味の対象の幅広さに驚かされます。どの作品にも彼らしい個性が息づいているのも興味深い。好き…
二十世紀フランス芸術界の至宝であり、詩、映画、演劇、絵画など縦横無尽に活動の場を行き来した天才芸術家ジャン・コクトーが、1930年というサイレント映画とトーキー映画の分岐点とも言える時代の狭間にあって、100万フランの予算とともに自らの芸術…
何年か前に製作されてヒットした『ハムナプトラ』はこの作品のリメイク作品であるが、特殊撮影に頼りきりだった『ハムナプトラ』とは違い、この『ミイラ再生』はドラマ部分に重きが置かれている。そのため派手な立ち回りや特撮シーンを期待する人には満足で…
日活映画の隠れたというか忘れられた監督のひとり、野口博志監督の1956年公開作品がこの『謎の金塊』です。この作品では主演に水島道太郎、ヒロインに日高澄子を迎え、金塊強奪を狙う香港のギャング団とロマノフ王朝から金塊を受け継いだ旧関東軍の生き…
『怪獣マーチ』が流れてきた瞬間から目の前が真っ暗になるこの作品、いやさ製品。何でこんなのを世に送り出してしまったのだろうか。ゴジラ、ミニラ、ガバラ、クモンガ、エビラ、大鷲、カマキラス、ゴロザウルス、マンダ、アンギラスと頭数だけはたくさん出…