良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『ソドムの市』(1975)なんじゃこりゃあ!鬼才パゾリーニの遺作がこれだなんて。

『ソドムの市』(1975) 鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の遺作である。これまでにも何度かトライしましたが、何度見ても途中で気持ち悪くなるために、最後まで見れません。通して見れないと作品全体の意味が伝わってこない。 しまいには原作者マル…

『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(2006)映画シリーズ10作目の顔見世興行。

『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(2006) 青山剛昌原作の大ヒット・コミックスと毎週放映されているアニメ番組、さらに定期的に発表される劇場版の最新作です。 作品の出来栄え自体は悪くないのですが、いい加減マンネリ気味で、コナン君や怪盗キッド…

『嵐を呼ぶ男』(1957)裕次郎はモノクロが一番!見せ場であるドラム合戦は強く印象に残る。

『嵐を呼ぶ男』(1957) 大スター石原裕次郎の有名な作品ではありますが、あまり好きではありません。個人的には『錆びたナイフ』『狂った果実』の彼が最高!というのが実感です。『風速40米』は好きです。カラーよりもモノクロの方が裕次郎は映える。…

『見たのに書けなかった映画たち。』理由は一体なんなのだろう?

今年は300本近い作品を主にWOWOW、スカパー、BSー2、DVD、ツタヤ、劇場を利用して見ていった訳ですが、どうしてなのか見たにもかかわらず、記事に出来なかった作品が多数あります。それらをいつものように長文スタイルにして書いていくのは不…

『花と蛇』(2003)ただのポルノ映画。しかも美しさも無い。なぜこれほど話題になったのか?

『花と蛇』(2003) 団鬼六原作、石井隆監督で杉本彩が主演し、彼女の体当たりの演技が話題になった作品。しかしはっきり言って、ただのポルノじゃないか!という感じでした。 しかも中途半端に年を取っている彼女の裸を何故わざわざ見なきゃならんのだ…

『ゴジラ対メガロ』(1973)末期的事態を迎えている第13作目。

『ゴジラ対メガロ』(1973) 福田純監督によって三週間で撮られたという第13作目のゴジラ映画がこの作品です。福田監督という人は明らかにゴジラに愛情を持っていない。それだけでなく特撮映画というジャンル自体にプライドを持っているとも思えない。…

『深夜の告白』(1944)名匠ビリー・ワイルダーの、そしてフィルム・ノワールの傑作。

ビリー・ワイルダー監督の三作目の監督作品にして、フィルム・ノワール作品の中でもベストの部類に入る傑作がこの『深夜の告白』です。脚本にレイモンド・チャンドラーを迎え、音楽には次の作品『失われた週末』でも起用するミクロス・ローザが参加していま…

『ポスレンは魅力的だろうか?』クラシック映画ファンにとってポスレンは素晴らしいとは思えない。

レンタルの新形態として去年あたりからポスレンが話題になることが多い。「在庫40000タイトル!」とか聞くとたいそう多く感じるわけではありますが、普通レンタル屋さんでは10000以上は置いているようなので、この40000という数が多いとは思…

『第二回映画検定 一級用受験票が届きました。今度は天六だ!』

本日、キネ旬から一枚のはがきが到着しました。関西で受験する僕にとっては試験場所がかなり気になっていました。それというのも前回の会場が行ったこともない神戸元町の大学キャンパスで、しかもそこは結構小高い山の上にあったためです。 受験する人々の年…

『揺れる大地』(1948)ルキノ・ヴィスコンティ監督によるネオリアリズモの傑作。

イタリア映画界の巨匠、ルキノ・ヴィスコンティ監督の第二作目の長編映画『揺れる大地』が公開されたのは1948年です。戦時下のイタリアで、大きな話題となったデビュー作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』からすでに5年の月日が流れていました。 その間、…

『クレオパトラ』(1934)豪華絢爛な衣装と舞台装置。デミル映画らしさが楽しめる!

クレオパトラの映画化作品というと、一般的には20世紀フォックスを破滅させる寸前まで追いやったエリザベス・テイラー主演の『クレオパトラ』(1963)が有名であり、1934年度版のこの作品を知る人は少ないかもしれません。 しかし映画としての出来…

『ロスト・ワールド』(1925)特撮映画の夜明け。全てはここから始まった。

観る者の目をスクリーンに釘付けにし、映画会社の宣伝文句も一番考えやすく、家族全員を映画館に動員するのに最も適したジャンル映画といえば、現在ならばディズニー映画、スタジオ・ジブリ映画に代表されるアニメ映画、そして一昔前ならば怪獣特撮映画だっ…

『ブラザーズ・グリム』(2005)老いたり!テリーと見るか、仕方ないよ今回はと見るか?

監督の名前や前宣伝だけを信じたら、劇場に行った時にとんでもない目に合わされるので気をつけましょうという典型的な作品が、この『ブラザーズ・グリム』という作品ではないだろうか。今でも読み応えのある、せっかくのエピソードの宝庫であるはずのグリム…

実は新刊が出ていた『映画検定公式問題集vol.2』メチャメチャ難しいですよ、これ。

本屋に飛び込むと目に映った一冊の見覚えのあるタイトル。やっぱりそうだ、その名もズバリ『映画検定公式問題集vol.2』。今回はオレンジ色に塗られておりまして、どうせなら「赤本」にでもしてほしかったと思いました。 前回の試験で、二級に合格したの…

『年間ベスト10企画』について思うこと。ベストは毎年10本もないでしょ?

もうすぐ年の瀬を迎える今頃から12月になると、映画雑誌は毎年恒例で「年間ベスト10」などと称して、お抱えのライター陣や有名人の映画ファンから彼らが観た映画年間ベスト10を列挙してもらい、それらの集計を掲載することが多い。楽な企画ではあるが…

『ハリウッド恐怖生物大全』(2004)映画史上に欠かせないパニック映画の主役たち。

ハリウッドのみならず、古今東西各国の映画には身近な様々な生物たちが恐怖の対象として描かれてきました。わが国でも化け猫に代表されるように猫に対する恐怖映画が多く作られてきました。身近なペットである犬、猫、鳥だけではなく、昆虫などを含めると特…

『マタンゴ』(1963)男女七人キノコ物語。ゾンビ映画やモラル的な寓話としても鑑賞可能。

人間性とは何か?自然に適応するとはどういうことか?生存するために必要な行為である「食」を制限された時に、人間たちはいかなる行動を取るのか。理性が勝つのか、生命体としての欲望が勝つのか、野性とは何なのか。 置かれた住環境に合理的に適応して行く…

『ある殺し屋』(1967)市川雷蔵の秀作は実は現代劇にある。哀愁漂う無口な殺し屋の魅力。

森一生監督、増村保造脚本、主演に市川雷蔵と来れば、出来上がりが素直な作品であるわけがない。市川雷蔵というと一般には「眠狂四郎」シリーズ、「忍びの者」シリーズ、「大菩薩峠」シリーズなどの時代劇が有名であるために、現代劇のイメージは皆無かもし…