良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ゴジラ対メガロ』(1973)末期的事態を迎えている第13作目。

ゴジラ対メガロ』(1973) 福田純監督によって三週間で撮られたという第13作目のゴジラ映画がこの作品です。福田監督という人は明らかにゴジラに愛情を持っていない。それだけでなく特撮映画というジャンル自体にプライドを持っているとも思えない。さらにいえば映像センスを持っているとも思えない。  いくら時間がなかったとは言っても、過去作品からの使い回し映像の使用もここまで来たかというような、ほとんどのゴジラ・ファンが見ても納得できない、そして心あるファン達の涙を誘うこの作品の価値を、一般映画ファンの方にどうやって伝えていけば良いのやら。メガロによってダムか何かが破壊されるシーン以外にはまるで見るべき所がありません。    何のために出てくるのかよく分からないガイガンゴジラもいい迷惑かもしれません。ニュー・カマーのベビーフェイスとして登場したジェット・ジャガーのあまりにも酷い容姿と扱い方にはかつてのような気概は皆無でした。大きくなったり、小さくなったり変幻自在などというふざけた設定を躊躇無く受け入れた製作者たちにはファンとして怒りを通り越し、情けなさしか感じません。  ジェットを名乗るからにはタイガー・ジェット・シンジェット・リーみたいに恐いか強いかどちらかにして欲しいのですが、大して強くない彼にはがっかりします。塩ビ人形でたしかジャガー君もいたと思うのですが、子供の頃には彼がゴジラ・シリーズの出演者だという意識はなく、ただのその他大勢の怪獣人形のひとつにしか過ぎませんでした。  どうせ低予算、やっつけ仕事ならば、ロジャー・コーマンの『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ような徹底した無茶をやってくれたほうが楽しめたかもしれません。なにをするにせよ中途半端が一番いけない。 総合評価 21点 ゴジラ対メガロ
ゴジラ対メガロ [DVD]