良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

実は新刊が出ていた『映画検定公式問題集vol.2』メチャメチャ難しいですよ、これ。

 本屋に飛び込むと目に映った一冊の見覚えのあるタイトル。やっぱりそうだ、その名もズバリ『映画検定公式問題集vol.2』。今回はオレンジ色に塗られておりまして、どうせなら「赤本」にでもしてほしかったと思いました。

 前回の試験で、二級に合格したのは460人あまりだそうですが、今回は果たして何人の人が一級を受験するのだろうか。全国に散らばっている二級取得者の皆様、師走の忙しい中に第二回試験を実施するような、たわけたキネ旬には怒りが収まりませんが、無事全員で合格するように体調に気をつけながらなんとか頑張りましょう。

前回は模様眺めをしていて今回はじめて受ける方も多いと思います。色々大変ですが、各々が観てきた映画経験を信じて頑張ってください。急に伸ばせる知識といえば、公式テキストをほぼ丸暗記するくらいしかありません。

 20代ならとにかく、僕ら30代過ぎにはなかなか覚えられないので、何度も見直さないとならないのはかなり辛い。しかしまあ趣味の分野ですし、嫌いなものを勉強するわけではありませんから知識を増やしていくという姿勢で良いと思います。

 そして主催者であるキネ旬にまずはお願いしたいのは、くれぐれも一級のみ東京一ヶ所開催などという馬鹿な真似だけは止めて頂きたいということです。日本は広いので、北は北海道から南は沖縄までの受験者の苦労を考えるべきだと思います。ただでさえ師走の日曜日に行くだけでも大変なのに、移動や費用の捻出の莫大な負担増を意味する一ヶ所開催などを実施されるとどうしようもありません。

 せめて前回と同会場か、もしくは増やしてもらって、何とか皆の負担を減らして欲しいものです。もし一ヶ所開催とかになったら多分行けないので金を返してほしいですね。だいたい最初に会場を示さない時点で誠意を疑いますし、前回の対応も酷く、問題すら持ち帰れない状況には参加者のほとんどの方は不満に思われたことでしょう。改善されないのならば、折々に触れてキネ旬への不満と抗議をブログに書き込み続けるかも知れません。

 怒りはここまでにしておいて、さてさて肝心な公式問題集の内容はと申しますと、6月の第一回試験時の4~2級で出題されたものをそのまま転載されただけでした。これならばあの時の試験後にキネ旬に掲載された内容とまったく同じであり、全くもって無意味としか言いようがありません。

 しかしこれには来たるべき第一回映検一級想定問題集が100問ほど載っていました。まずは小手調べにこの前の問題を再び解いてみようと思い、半年振りに問題を順番に解いていきました。結果は4級が48問(60問中)、3級が50問(60問中)、2級が52問(60問中)各々正解でした。さてと思い、一級問題に取り組んでいきました。

 第一問目!この中で間違っているのはどれか。

ア 小津監督の第一回作品『懺悔の刃』は彼の唯一の時代劇である。

イ 黒澤明監督と木下恵介監督のデビュー年は同じである。

ウ 成瀬監督の作品に多く出演している高峰秀子だが、すべてそれは戦後である。

エ 溝口監督がはじめてベネチアで受賞したのは1952年監督賞の『西鶴一代女』である。

 いきなりとても難しいところからスタートします。

小津監督のこの作品は現存していないので、誰も見れないのに問題として出す意味があるのだろうか。イは比較的容易です。エは溝口ファンには問題なしです。ウが厄介です。成瀬監督は戦中スランプ気味だったのと戦後に良い作品を連発しているために『秀子の車掌さん』を思い出せないと間違えてしまいます。

 あと迷ってしまったのがヒッチコック監督作品でのリメイク問題。『サイコ』『ダイアルMを廻せ』『見知らぬ乗客』『めまい』が並び、リメイクされていないのはどれかというのがありました。答えは『めまい』なのですが、ブライアン・デ・パルマ監督の『ボディ・ダブル』という作品では数多くのヒッチ引用があり、『めまい』の有名なシーンも使われているのです。引用とリメイクは違うのですが、なんともややこしい問題でした。

 宮本輝原作の映画化作品とそうでないものとを分ける問題などもありました。宮本輝に興味がない僕はさっぱり分かりませんでした。裏方関連問題も多く、スピルバーグ映画に関わってきた女性プロデューサーは誰かとか、ハンガリーから亡命してきた撮影監督は誰かとか、とにかく細かく難しい。

 予告されていたように今回は記述問題もあり、映画史上での名言を残した映画人の言葉が記載されていて、それぞれ誰の言葉かを記入する問題もありました。

 黒澤明監督の『フィルムを切るなら縦に切れ!』、小津監督の『僕は豆腐屋だから、豆腐しか作れない』、ヒッチ先生の『映画は退屈な部分がカットされた人生だ』などが並んでいます。

 最後の問題も強烈で、『七人の侍』に出演した侍役の七人の俳優をすべて実名で記入せよというもの。黒澤明監督ファンなので迷う事もなく、すらすらと書けましたが、韓流俳優達と出演作品の組み合わせを記入せよとか言われたら、ソン・ドンヨルチェ・ホンマンホン・ミョンボとか書きそうです。

 前回と同じようにミュージカル、韓流、アジア、最近の邦画関連は壊滅的でした。結果は60点(100点満点で)とかなり一級突破は難しいのではないかと実感しております。せっかく買ったからには、頼むからキネ旬にはここからそのまま15点分くらいは出して欲しいものです。

 勉強と言ったって結局は知っているか、そうでないかだけだし、テキストから全てが出ているわけでもないので的の絞りようもなく、普通にいつもどおりに映画を観続けるしかないのかもしれません。しかしこれはとても難しい。

 まあ自信はありませんが頑張ります。

aisbn:4873762863映画検定公式問題集〈vol.2〉