『ミミズバーガー』(1975)悪趣味極まりないクソ映画!でもレンタルはずっと貸し出し中だった(笑)
レンタルビデオ最盛期だった80年代後半、ホラー映画コーナーに行くと必ず隅っこの方に置かれていたのが『ギニーピッグ 悪魔の実験』と『ミミズバーガー』でした。
前者のシリーズは宮崎事件の影響で未だに国内では正式に販売されていませんし、後者の『ミミズバーガー』もボロボロのVHSビデオがTSUTAYAでずっと貸し出し中になるほどの隠れた人気作品でした。
そんなカルト映画『ミミズバーガー』がついにDVD化される日が来るとは思いませんでした。ついでにテッド・V・マイクルズ監督の代表作となる『人間ミンチ』までがリリースされている状況はとても不思議な感じがします。
東映がエロ・グロの極北だったはずの『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』『徳川女刑罰絵巻牛裂きの刑』などの問題作を立て続けにリリースしたときにほぼ全てのタブーはオープンになったのかもしれません。
残るタブーは『スクラップ・ストーリー ある愛の物語』『博徒七人』『ノストラダムスの大予言』『獣人雪男』『狂鬼人間』くらいでしょうか。特撮封印三冠王に関しては何度も触れていますし、記事にもしていますので今回は触れません。
『スクラップ・ストーリー ある愛の物語』で問題になるのは児童買春ポルノ禁止法であり、『博徒七人』では身体障害者差別でしょう。もしかすると『博徒七人』は東映が権利を持つので、なんとか力業で出してくるかもしれません。
しかしながら、当時13才だった少女Mが出演していた『スクラップ・ストーリー ある愛の物語』が陽の目を見ることは児童ポルノを厳しく罰しようという世界的な流れのなかではかなり難しい。
ぼくは当時小6でしたが、ませガキだったので、高校生のお兄ちゃんがいる友達の家で彼女のフル・ヌードのグラビアを見せてもらいました。
普通、当時の男性誌はすべてボカシを入れるか、アングルで性器が見えないように工夫していましたが、彼女の場合は成人ではないという判断からか(?)、モロに性器が写し出されていたのを覚えています。ある意味、おおらかで、ある意味でむちゃくちゃな時代だったのかもしれません。
それはさておき。『ミミズバーガー』をぼくが見たのは高2の夏で、友達数人が一緒でした。高校生の男子が何人か集まると見るのはAVか、話題のホラーのいずれかになる。このときはホラーを借りようということになり、何本かのビデオを借りて、友人宅での上映会となりました。
最後まで見続けましたが、はっきり言って、かなり生理的に気持ちが悪くなる悪趣味な映像がひたすら続きます。当時は当然ながら、CGなどという便利なツールはありませんので、本当に演者がミミズを旨そうに生きたまま食べ続けます。
比喩でもなんでもなく、本当に老若男女が蠢くミミズがてんこ盛りのミミズバーガーにかぶりつきます。しかもご丁寧にぐちゃぐちゃ口を開けながら、ミミズを食べるシーンをどアップで映し続けます。
本当に食欲がなくなってくる映像が目白押しなので、食事時は絶対に避けた方がいい。こうしてミミズを喰らった人間はミミズ人間(?)となってしまう。
このミミズ人間の着ぐるみが最低の仕上がりで、もはや呆れるしかない。足を無くした彼らが這い回りながら、本能のままに女性に襲い掛かるシーンはむしろミミズを食べるという事実よりも気持ち悪い。見て楽しい作品ではありませんので、お薦めもしませんが、こんな最低な作品でもDVD化されるこの国の市場のモラルの欠如に呆れ果てるかもしれない。
総合評価 22点