良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』(2018)入院間際に観に行きました!

 明日から2週間ほどの予定で入院が決まり、本日は週末から公開が始まった夏目友人帳の劇場版『夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~』を無理矢理観に来ています。  もともとは8年位前にアニメの第一期をCS放送で見て、それ以来、第六期までのすべてのエピソードを見ています。また単行本も新刊を見つけたときは手に取ってしまいます。  あやかし(妖)、つまり霊や妖怪の類が見えるだけでなく、対処もできる夏目貴志と友人帳の持ち主だった祖母レイコとの因縁、夏目を守護するあやかしであるニャンコ先生(斑)や犬の会(夏目シンパの妖怪たち)との関わり合い、利害関係が生じる祓い屋たち(名取や的場ら)との絡みなどキャラクターが立っている脇役が沢山いるので見ていて飽きませんでした。
画像
 そんな夏目友人帳の劇場版がついに公開されるとなるとファンとしては見に行かざるを得ません。場所は県内で唯一上映しているTOHOシネマズですので、かなり遠いが仕方ない。  内容に関しては初めて夏目の世界観に触れた方でも楽しめ、しかも長い間、見続けたファンや原作から読んできているマニアでも楽しめるかどうかが気にかかる。  劇場版を製作する以上はマニア受けだけではなく、興行として収益を上げねばならない。ファンがお金目当てで作るなというのは勝手だが、興行的にコケたら、その先の続編は企画されません。
画像
 映画でも音楽でも、製作側が金銭的成功のためにやっている訳ではないなどと言うのは言い訳に過ぎないし、無責任である。だったら、よりお金が掛からない方法を模索すべきでしょう。  投資して、収益が予想以下だった場合、それは原作が悪いか、脚本に難があったか、出来上がりに問題があったか、宣伝が拙かったかなどが原因となリます。  今回は原作は人気作品ですし、物語構成に作者が加わっていれば(原作者の緑川ゆきは今回、監修に携わっています。)、レベルは合格点です。
画像
 観た感想としては、ぼくらが見てきたアニメの世界観は活かされています。大きなストーリーを持ってくるべき作品とそうでない日常を描くことで良くなる作品があり、夏目は後者です。  普段通りにやらずに無駄に本来とはかけ離れたストーリーにしてしまい、マニア、初見の両者をガッカリさせるアニメ劇場版は数多い。そういったことが起こらなければ、この繊細な作品は成功と言えます。  個人的には多軌ちゃんが活躍してほしいと思っていたところ、登場場面も多く、ニャンコ先生を抱きしめるお約束シーンもありました。
画像
 持ち前の食い意地のせいで三体に分離するニャンコ先生の形態と各々が勝手に動き回るわがままぶりも楽しく、単純にニャンコ先生ファンも増えるでしょう。  作品全体は夏目少年や各キャラクターが普段通りに穏やかに、繊細な心情を描いてくれていましたので、マニアも満足したのではないでしょうか。平日でしたが、40人程は来ていたみたいです。  劇場版に満足した後、そのまま電車に乗り込み、毎月お参りしている大神神社、つまり三輪様にご挨拶に伺いました。三輪神社は御山と呼ばれていて、山全体が御神体というユニークな神社です。  山道は日本の原風景ともいえる田園やつづら折りの曲がりくねった参道が魅力的で、四季折々の木々や草花、夏や秋の虫の声、鶯の声などを楽しめます。入院するとしばらく行けませんので、映画を見た後に行きましたが、夏目君たちが住んでいる八ツ原の風景のように小川や深い森を堪能してきました。
画像
総合評価 85点