良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『映画検定一級試験へ向けて。』12/3実施で受験費用は4900円!高い!

 キネマ旬報が主催し、結構盛り上がった企画『映画検定』が12月3日に再び実施される。前回の反省を踏まえた二回目の試験がどのような形で行われるのかは興味があります。まず変わったのは実施される場所が前回よりも増えているようなのです。たしか6月の時には5ヵ所くらいしか会場がなかったはずですが、今回は10ヶ所以上で行われるようです。

 会場は前回が神戸元町という関西圏の人間にとってはかなり中途半端な場所でしたので、今度こそはまともな会場を大阪で確保して欲しい。アクセスが困難な会場に行くだけでも大変な重労働なんです。見知らぬ場所、しかも坂道の一番上にあるような辺鄙な会場に雨に打たれながら行く者の身にもなって欲しい。

 参加費用も4900円と微妙に高い。問題の回答を渡すわけでもなく、問題の持ち帰りすら許さないような不寛容な姿勢を貫いた前回の様子からしても、あの程度の劣悪なサービスしか提供できないのだから三千円程度で妥当でしょう。

 また一級を受ける今回は開始時間が午後三時から午後四時までという中途半端な日程もきつく、人数が少ないのだからさっさと午前中にでもやって欲しい。午前午後ともに使えない一日になるのは時間が勿体無いので考慮すべきであろう。

 全国で約400人しかいない二級の人数の中で、今度の試験に出てくるのはおそらく半分か三分の二程度で彼らが十会場に分かれるとすれば、一会場平均で40人になってしまう。他の級と同時進行でもまったく問題ないと思います。運営についてはまだまだ改善点が多いようですね。

 次に今度の一級を受けるに当たり、気になってくるのが問題のレベルです。テキストをきちんと暗記していれば十分に通るのか、それともCDロム版で三万円もするキネ旬の歴史テキストを買って勉強しなければならないようなふざけた問題になるのか。これによって第三回以降の出願者の数も変わってくると思います。

 キネ旬の金儲けのためにいつまでも映画ファンは付き合ってられませんし、別に得をするわけでもない映画検定に毎回交通費を含めて一万円以上を掛けるのもバカバカしい。はじめて実施される一級へのネタ探しも兼ねて参加するだけです。

 前回雨降りの日に出て行って、挙句の果てに落第された方々が今回再度チャレンジするかどうかも疑わしい。今回、もし前回の出願者の合計を超えたとすれば、それはリヴェンジ組ではなく、前回参加を見送った猛者たちがやってくるからに違いない。

 特に彼らが殺到するのは二級でしょう。クラシック映画を普通に見ている人が受験すれば、ほぼ確実に合格するからです。覚えているかどうかの問題なので、映画体験の蓄積がそのまま点数に表れます。見れば見るほど点数が上がっていくのは必至です。

 他人のことはともかくとして一体どんな勉強をすればよいのであろうか。とりあえず映画の教科書的な書籍を読み返そうか。アメリカ映画の歴史書、小津監督本、黒沢監督本、溝口監督本を読み返そうか。ヌーヴェル・バーグの映画人たちのフィルムを見返そうか。

 出題傾向を読む楽しみもあります。ミュージカル作品やアジア映画などに関する出題も多かった前回ですが、ネオリアリズム、アニメ、ホラー、特撮映画などはほぼ無視されていました。今度の試験でこれらが来ると助かります。

 映画全般ということであれば、技術的な問題や映画だけではない歴史の常識問題も増えるかもしれません。画像があってそれがどのレンズ(広角、標準、望遠)で撮られているかというような選択問題も出てくるかもしれない。

 移動撮影のテクニック問題(パン、ティルトを組み合わせてズーム・バックしながらのクレーン移動など)、組み合わせ問題(監督、年号、主演俳優、題名、歴史的事件とを合わせる)、「古典的パラダイムとは何か」、「リア・プロジェクションとは何か」などという用語問題など複雑怪奇な問題が金太郎飴状態で出題されるとかなりきつい。

 同年度に製作された映画の公開順番を記入していく問題(同年度ではなく何月かで!)などは悪夢としか言いようがない。雑学的なものならば、「黒澤明映画で唯一の女性のヌード・シーンがあるのはどの映画か」などは難易度が高い。ジャック・ワーナー、アドルフ・ズーカー、アーヴィング・サルバーグらの顔写真を並べ、誰が何処の会社の大立者かを答えさせる問題は嫌がらせ以外のなにものでもない。

 どんどん映画の本筋から離れていきそうな問題ばかりが出そうで、早く見たいような見たくもないような感じです。とりあえず小津作品、溝口作品、黒澤作品、グリフィス作品、トリュフォー作品、そしてあまり興味がない最近の作品の情報も見ておこう。

 鍵を握るのはミュージカルとアジア映画なんだろうなあ。

aisbn:4873762715映画検定公式テキストブック