『映画検定第二回試験に行きました。』難関とされる一級レベルはどうだったのか?
さあ!またまたやってきました、第二回映画検定試験。前回は受験者が1万人近く集まったようでしたが、果たして今回はどうなのでしょう。
テキストと問題集を読み直し、今までに見た映画から出題されることを祈りながら、三時からの一級試験に備え、とりあえずご飯でも食べようと思い、友人が大勢いる天六の街をうろうろしておりました。
今日は日曜日だったので、行きつけだった洋食屋さんも一杯で、仕方なくその辺のお好み焼き屋さんを探すも、さらに満員で、なかなかご飯を食べられませんでした。一時間ちょっと掛かる会場なので、先に家で食べておけばよかったと後悔しました。
試験会場は今回、関西大学のキャンパスでした。前回よりは近いので文句は言えませんが、最寄り駅として掲載されている地下鉄天神橋6丁目駅は各社乗り入れがあり、三層構造になっているのではじめて来た人はかなり迷うのではないだろうか。
なにはともあれ会場に着いたのは良いが、一時間ほど早く来てしまいましたので、教室をブラブラと見学していました。外はかなり寒かったのでスタッフの方にどこか良い場所は無いかと聞くとラウンジがあるとのことで、まっすぐにそこへ向かいました。
そこには十人以上のいかにもな人々がいて、終始無言でひたすら勉強をしていました。前回もそうだったが、なぜそこまで暗くなれるのかが不思議でした。趣味の検定なのだから、もう少し楽しそうに出来ないのでしょうか。
この試験はいわゆる落とすための試験ではなく、通すための試験なのだから本来は他人を蹴落として自分が受かれば良いという「お受験」ではないのです。楽しむ余裕が欲しいと改めて思いました。
気になったのは今回の受験者数はかなり少ないのではないかということでした。あれほどニュース等で採りあげられた前回とは異なり、静かな感じがしました。寒いという現実も手伝い、余計人気のなさを感じたのかもしれません。
そしてついに2時半になり、指定された教室に向かうとそこは大教室で、600人以上は楽々収容できる309号室でした。既に僕が教室に入る頃にはほとんどの席に受験者たちが座って勉強していました。僕が彼らを見なかっただけで、多くの人はとっくに入室していたようです。
何百人もの人数を教室で見るのは久しぶりだったので結構楽しかった。普段の通勤時に見るのは慣れていますが、静かな場所に大勢いるというのは迫力があります。
席順をスタッフの方に聞くと僕の席順は前の方でした。前回は時計を忘れたために時間が分からず困ったので、今回はきちんと腕時計をしていきました。しかし必要なかったようです。なぜならば教室の正面に大きな時計が掛かっていたからです。
そしていよいよ3時になりました。解答用紙を見るとマークシート式が52問、記述式が8問の合計60問でした。そしておそらく配点はマークシート式がすべて1点換算、人名を記述させる6問が2点換算、最後の2問が最高8点ずつの配点のようです。
何故配点が分かるかというと、解答欄の横に(0~8)と印刷された採点社用のマーク箇所があるためです。ちなみに人名問題の横には(0~2)と印刷されていました。総合すると記述が8問で、そのうちの配点が全部で28点満点ということです。
マークシートは52点なので、結果として80点満点で、70パーセント以上の正解率で合格なので、56問正解で今回の試験はパス出来るということになります。
さあ!一級問題を解く時が来ました! 他の人も真剣です。まるで日テレでやっていたウルトラクイズのサイパンに行くまでの飛行機内での400問(確かこれくらいの数だったような?)ペーパークイズのようなノリでした。
始めていくと「!!!!!」が「?????」に変わりました。マークシート問題のほとんどが一級想定問題集からほぼそのままの形で出題されていたのです。何問かを数える暇はありませんでしたが、かなりの数がそのまま何のひねりもなしに出題されていました。これはおそらく「ちゃんとここから出すから、買ってね!」というキネ旬からのメッセージではないでしょうか。
受ける人は今度からはちゃんと買わないと損しますね。前回の問題集はほとんど役立たずで、ほんの数問程度しか出題されていなかったので、第二弾を買う人は少なかったのではなかろうか。極端ではありますが、僕は買ったので助かりました。
マークシート式に関しては52問中で、少なく見ても40問は正解していると思います。問題の意図の分からないものも二、三問ありましたので、それらも含めています。戦前の「三羽烏」は誰と誰と誰か?なんてのもあり、ちんぷんかんぷんでした。
その他の問題では、撮影テクニック問題で「アイリス」についての問題、伊丹万作と伊丹十三親子についての問題、ゴダール監督『軽蔑』でラング監督が撮っている架空の映画のタイトルは何?というのもありました(答えは『オデュッセイア』)。
没後50年の溝口監督関連問題の少なさ、同じく生誕100年のルキノ・ヴィスコンティ監督関連問題が皆無だったのが不満でした。また全く分からない韓流が出なかったのも幸いでした。
以下は記述問題の抜粋です。
1.フィルモグラフィから誰の作品かを当てさせる問題
『春のめざめ』『腰弁頑張れ』などが記されていて、この監督は誰か?というもの。
答えは成瀬巳喜男
2.同じくフィルモグラフィから誰の作品かを当てさせる問題
『夫を変える勿れ』『男性と女性』『地上最大のショー』から、この監督は誰か?
答えはセシル・B・デミル
3.ショウ・ブラザーズで製作部長をしていたが、のちに会社を興した人は?
答えはレイモンド・チョウ
4.ピーターウィアー監督の『危険な年』で、男性カメラマンに扮し、助演女優賞を取った女優は誰でしょう?という問題
答えはリンダ・ハント
6.「ハリウッド・タイクーン」について100字以内で書けという問題
配点は0~8点
7.パン・フォーカスについて100字以内で書けという問題
配点は0~8点
以上が記述問題であり、6と7に関しては採点者によって判断されるものなので、最悪各5点ずつに減点されたとしても二問で10点(ポイント)は堅い。1~5は全問正解しているので12点(ポイント)獲得している。よって記述問題全8問を通して、最高28ポイント中の22ポイントは獲得していると思います。
すると合計は40プラス22ポイントで、62ポイントは獲得している。マークミスが5問あったとしても57ポイントはあるので、名前の記入欄にミスがなければ、そして合格必要ポイントが正解率七割で、80問中の56ポイントだとすると、まあ結果の通知が着てみないとなんとも言えませんが、ほぼ大丈夫だろうという結果になりました。
今回の試験で感じたのは前回受けた二級の試験よりも、かなり易しく感じたということです。前回あまりにも多くの不合格者を出したために、揺り戻しで易しくなったのでしょう。
冬なのでかなり寒かったけど、こういうのは参加した方が楽しいですよ。次は多分、来年の六月なんでしょうね。とりあえずは早く来年1月11日という合否(合格であって欲しい)通知を貰って、この検定からは逃れたい。
というか今回限りで受験を終わらせるつもりです。映画を見るときにスタッフロールばかりが気になってしまうというのはあまり良くはない。作品にどっぷりと浸るほうが楽しい。筆記のみで映画の中身について記述するとかいうのならば、興味がありますが、漢字のテストや用語の説明などを記述しなければならないというのであれば、もう興味は無い。