良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『真・映画検定』 本来ならば、こういう問題にして欲しかった一級試験。

 先週の寒い日曜日に行われた第二回映画検定試験。各所の意見を参考にし、そして自分が行った関西の会場を見るにつけ、気になったことを書いていきます。

 まずは明らかに今回の試験受験者が前回より少ないということです。これは致命的である。まだ第二回目であるにもかかわらず、このザマはいったいなんなのだろうか。マスコミへの露出が少なすぎたのが敗因に挙げられよう。

 TVタレントらが何人も挑戦した前回とは異なり、話題づくりに完全に失敗した印象が強い。他人任せでは盛り上がりようが無い。マスコミのくせにマスコミが使えないなんて、いかにキネ旬の体質が古いままなのかを証明しているようなものです。

 国内の映画館すべてにチラシを貼っておくとか、パンフに添えてもらうとかアピールが全く無い。有名人をだしに使うでもなく、権威ある執筆者たちが受けたなどということもない。

 東京会場にジャニーズ所属のタレントが受けに行くとか、大阪会場に吉本と松竹の芸人が受けに行くとか仕込みを仕掛ける才覚もない。イヴェントなんだから盛り上げてこそではないか。エンターテインメントと芸術の融合した大衆芸術が映画なのですから、面白い部分と真面目な部分を同居させるべきなのです。

 現役の映画監督たちに特別参加してもらうとか(落ちたらカッコ悪いが、それだからといって、作品の価値が下がるわけではないし)、日頃言いたい放題言っている評論家連中、とりわけ訳のわからない言葉を使う連中に受けさせるとかして欲しかった。

 ミスはまだまだ沢山あります。とりわけ重大なのはお金を取ってから、一ヶ月以上も浪費した挙句、会場が未定というのはなんなのだろう。会場などはまず最初に押さえるべきであろう。開催地を確認して、はじめて受けるかどうかを決めるのが当たり前ではないか。

 12月という社会人にとってもっとも忙しい時分に試験を実施するというのもセンスを疑う。学生だって、卒論準備、後期試験前の準備など慌ただしいのが師走なのです。いかに一般社会とかけ離れているかを猛省すべきである。受験したくても、忙しくて受験できなかったという人は大勢いたのではないか。おっちゃん連中、おばちゃん連中がかなり少なかったのは偶然ではないような気がします。

 次にキネ旬が犯した失敗が問題そのものでした。曲がりなりにも一級を名乗るのですから、設問もしっかりしたものを用意するべきでしょう。漢字テストや100字文を書かせて、一体映画の何が分かるのだというのだ?

 また若い人にはクラシックを見てくるほどの映画に浸りきった時間がまず足りない。運転距離と同じようなもので、熟練ファンになるにはそれ相応の数量を見てくる必要があります。また年をとり過ぎると価値観が固定し、好みも決まってくるので、決まったジャンルしか見なくなってしまう。これではせっかくの知識の幅が狭くなってしまうだけです。

 個人的に期待していた一級問題は500字以内で「映画と私」「邦画の現状について」「ハリウッド映画の現状について」「娯楽と芸術」「映画の未来」などの6つくらいのテーマから3つを選んで記述せよ。などの本格的な問題を期待していました。

 見事にすかされました。試験時間が二時間でも良いではないか。その答案の中からキネ旬がこれはと思うものを掲載すれば良いではないか。これだけでキネ旬からすれば、十分に元が取れるはずです。十名近くライターを手に出来れば、誌面に新風が吹き、新しい読者層が出来るかもしれません。

 で、これを読まれている方々にお願いです。是非これらについて500字以内で書いていただけませんか。これらの問題はどれも映画にたいしてのそれぞれ一映画ファンとしてのかかわりと問題意識がはっきりと出てくる問題なのです。

 これらを熱く語るのが検定のあるべき姿でしょう。人材発掘が目的なのだったらやるべきなのです。マークシートや漢字テストでは、検定に参加していない真の猛者たちの心を揺さぶることなどかなわない。

  そこで出てくるのが上記の筆記問題です。目に留まった方は是非各テーマについて書いてみてください。

 映画を良くしていくには映画ファンが動かねばならない。動いてください。映画はどんどん悪い方向に向かっています。人間を描いていない映画が多すぎるのを危惧しております。このままではいずれ廃れていきます。