良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『めぐり逢えたら』(1993)最近ラブコメをたくさん観ています。まあ、いいかあ…。

 ミュージカル以外にはあまり食わず嫌いもなく、どんなジャンルの映画も見続けておりましたが、最近仲良くなった女性がめちゃくちゃラブコメが好きで、その手の映画の話で盛り上がっています。彼女は20代前半ですので、1990年代後半以降の映画を観ているようです。

 出てきた映画は『めぐり逢えたら』『ニューヨークの恋人』『ユー・ガット・メール』『ゴースト/ニューヨークの恋人』『アメリ』『ブリジット・ジョーンズの日記』とその続編などでしたので、おそらく彼女はメグ・ライアンのような可愛らしさとオドレイ・トトゥのようなセンスが好みなのでしょう。

 実際、彼女はロマンチックな映画には憧れている、可愛らしい女性です。自分も何気なく付いていけていたのは映画の雑食性のおかげだったのでしょう。クラシックもちょこちょこ見ているようで、オードリー・ヘップバーン主演作というよりは映画の歴史上の宝物でもある『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』なども好きなようでした。

 ラブコメ好きな彼女はその趣味について「ばかっぽいとか思われるでしょうね?」とか、「くだらないって、思うでしょ?」とか、えらく気にしているようでしたので、「そんなことないよ。」とフォローしておきました。ジャンルにこだわらず、少しずつ、自分の映画の趣味のテリトリーを増やしていければ、彼女もいつかサイレントやフランス映画の魅力に気づいてくれる日がくることを願っております。

 映画を観ている自分も、どこかつねに傍観者になっているというか、一線引いた目で観るようになって久しいため、彼女のような純粋に映画を楽しむという、本来のスタンスを忘れてしまったように思えました。

 そして、ぼくはこの週末はツタヤに走り、10年以上前にレンタルで借りた『めぐり逢えたら』『ニューヨークの恋人』『ユー・ガット・メール』『ゴースト/ニューヨークの恋人』を再び借りてきて、ここで記事にもした『アメリ』もまた観なきゃと思い、WOWOWで観た『ブリジット・ジョーンズの日記』を録画したDVDを引っ張り出してきました。

 あらためて見直すと、男目線でばかり映画を観ていたなあと愕然としましたし、よく観ているとほのぼのして良いなあと思い直しました。ケーリー・グラントの『めぐり逢い』を上手く使っていた『めぐり逢えたら』が特に印象が強い。中年夫婦とトム・ハンクス、彼の息子役である少年と彼のガール・フレンドである少女が別々のところで『めぐり逢い』を観ているのですが、どちらも女たちは号泣し、男たちは醒めた目で彼女らを見る。

 また反対に男たちが『特攻大作戦』の話で大いに盛り上がっているときには女たちは見下したような目で彼らを見る。これって、かっこつけてばかりの映画よりもよっぽど男と女の映画の「ツボ」の違い、もっといえば人間の違いを見事に突いているように思え、おもわず唸ってしまいました。

 今度のお休みに、彼女は『マンマ・ミーア!』を観るようです。僕はすでに観ましたが、個人的には60点くらいかなあ、という作品でした。今度会ったら、彼女の視点をまた聞いてみるつもりです。新鮮な感覚で観る映画の話もまた、楽しいものです。自分ひとりで映画を究めるのも素晴らしいですが、他の人たち、それも若い人たちとの会話の中で、簡潔に、しかもくどくどしくないように、そしてマニアック過ぎないように映画の魅力を語るのもまたとても刺激的に思う、今日この頃です。

 ブログでは長く、その映画を語るのに慣れてしまっているので、かなり難しいのですが、ここでも「面白い。」とかは絶対に言わずに、各々の映画を語れれば良いかなあ、と思っています。