良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ポールの思い出』まだ亡くなってはいませんが、聴き始めたころを思い出しました。

 ザ・ビートルズのメンバーの一人で、ジョンではない方の有名な人。ウィングスでも大儲けした人で、もっともリッチな元・ビートルズ。若くして亡くなったジョンの亡霊と常に比較される気の毒な天才。リンゴとは仲が良さそうな人。ちょっとスケベそうで、女の子が喜びそうな歌を次々に生み出したヒット・メイカー。  ポール・マッカートニーのイメージって、こんな感じでしょうか。彼が残した名曲の数々はファンではない人でも知っているでしょう。『ヘイ・ジュード』『ゲット・バック』『イエスタデイ』『ペニー・レーン』『ハロー・グッドバイ』『レット・イット・ビー』『キャント・バイ・ミー・ラブ』『ロング・アンド・ワインディング・ロード』など重要なナンバーが多い。であるにもかかわらず、いまだに「ジョンは最高だが、ポールは好きではない。」などと平気で言い放つ自称ファンがいるようです。  個人的には今となっては誰が好きとかそのような低次元で話す対象ではないと思っています。彼らは四人でビートルズであって、一人でビートルズを背負っていたわけではない。  とりわけジョンとポールの相違点が徐々に顔を出し、お互いに素晴らしいナンバーを作り出していき、誰にも到達できない領域まで進化していきました。彼らがメンバーを必要としなくなった時に解散という選択肢に至ったのでしょう。
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 そんなことはあとになって考えることであり、まだ小学生だったころに話は遡ります。当時、レコード・プレーヤーが欲しかった僕に喫茶店を経営していた知り合いのおじさんがお店で使っていたプレーヤーとステレオのセットをくれることになったのです。  持ってきてくれた当日はずっとウキウキしていました。おじさんはお店で掛けていたレコードも100枚程度一緒にくれました。ただずっと使っていたドーナツ盤ばかりだったので、ほとんどはジャケットがなく、レコードを入れていた紙袋と盤のみというのが大半でした。  洋楽がほとんどだったので、小学生に分かるはずもなく、一枚一枚誰が誰だか分からずに片っ端から聴き始めていきました。そのなかにはローリング・ストーンズの『ジャンピング・ジャック・フラッシュ/チャイルド・オブ・ザ・ムーン』、メッセンジャースの『気になる女の子』、ホリーズの『バス・ストップ/アイ・キャント・ゲット・ゴー』などに交じり、ビートルズの赤盤『アクト・ナチュラリー/イエスタデイ』、ジョンの『冷たい七面鳥』、ウイングスの『夢の旅人』というレコードがありました。
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 このウイングスで歌っているのはもちろんポール・マッカートニーですが、ガキだったぼくにはそんなことは分からず、ただ曲のみで良し悪しを判断していました。「マル・オブ・キンタイヤー」というのがオリジナルタイトルですが、歌詞カードなどなかった状態でしたので、「おんも~へいきた~い!」と聴こえていました。  そしてビートルズ・ナンバーよりも当時はこっちのほうが好きだった時期もありました。ローリング・ストーンズのシングル盤もド派手な大ヒット曲『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』よりも粘っこいミックの声が魅力的な『チャイルド・オボ・ザ・ムーン』に惹かれていました。  当時から漠然とB面曲の方を好きになるオタク気質が備わっていたのかもしれない。そういえばカーペンターズのベスト盤やキャロル・キングの『つづれ織り』なんかも混じっていました。  なんやかんや言っても、良い曲をガキだったころから聴かせてもらっていたようです。その後、本格的にビートルズを集めるようになり、ストーンズの60~70年代のレコード、ツェッペリン、ポリス、キング・クリムゾンYMOにハマっていきました。未だに好きなわけですから、できるだけ多くのバンドとジャンルを中学生までには聴いておきたいですね。