『愛しのグランマ』(2015)イマドキのアメリカの家庭の現実ってこんな感じなのかなあ…。
すこし前にTSUTAYAさんで借りたDVDの予告編にあったなかの一本が妙に気になっていたためにレンタルしてきたのが『愛しのグランマ』です。
アメリカの今どきのホームドラマのような中編作品で飾り気や派手さはない庶民生活を切り取ってきたような作風です。
ハイスクールの学生(高校生)でティーンエージャーで生活力もない。なのに妊娠してしまったイマドキな孫娘はバリバリのビジネス・パーソンな母親には妊娠してしまった事実を言えずに、ちょっと苦手なおばあちゃんにお金の工面を頼み込む。
ふだん煙たがっていたために近づかなかったバアちゃんは孫娘を手にかけた相手のセックスにしか興味がなく、無責任なバカ彼氏をぶん殴り、金を巻き上げ、反省を強要する。
レズビアン仲間からかつての誼で金策に走ってくれたりします。トンガッたバアちゃんに戸惑いながらも、親身になって考えてくれる彼女に心を開いていきます。
バアちゃんの設定が日本とはかなり違っていて、作家でレズビアンで、刺青を入れ、麻薬を吹かす。ローリング・ストーンズの歌詞に出てきたようなイカした姉ちゃんの成れの果てみたいです。
アメリカの家庭環境がどういう感じなのかは解りかねますが、おばあちゃんが孫娘を思う気持ちは万国共通のようです。
結局、普段はああだこうだと揉めていても、娘のことが心配なヤリ手の母親が金の工面をして、無事に孫娘は中絶手術を行い、一件落着(それで良いのか?)して幕を閉じます。
主演は『ナッシュビル』『ザ・プレーヤー』などロバート・アルトマン作品に出演してきたリリー・トムリンが務めています。『9時から5時まで』にも出ていました。
上映時間は80分弱と小粒な作品ですし、人気作品というわけではありませんが、こういうちょっと見せる作品の裾野の広さがアメリカ映画の奥行きを支えているのだろうなあと思わせてくれます。今だったら、WOWOWかCS放送でしかお目にかかれなさそうです。昔だったら、ひっそりと12チャンの夜中とかにやっていたんでしょうね。
総合評価 68点