良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988)あれから14年後!赤い彗星とアムロ最後の戦い。

 1988年ですから、たしか大学受験の後くらいでバタバタしていた時期に地元の映画館で公開されていたのがこの作品でした。初代の完結編である『機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙編』以来の劇場版になります。  高校の頃は部活などに忙しく、夕方にテレビでやっていたΖガンダムやZZには付いていけなくなっていたので内容も定かではなく、この『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は観に行っていません。  はじめてこれを見たのは大学生になってから、それもTSUTAYAさんで借りてきたレンタルビデオでした。三部作と違いって印象は薄く、歳を喰ったシャア(34歳。若いじゃないか。もう年下になったのか。カツオくんと一緒だ!)が地球に落下させようとした小惑星(アクシズ。訳すと枢軸になるのは作為的か。)の岩壁に脱出カプセルごと押し付けられ大気圏で燃え尽きる運命のようです。
画像
 今度こそアムロに息の根を止められそうにボコボコにされていたこと、いざ巨大隕石を落下させる下りになると敵味方関係なく、それを阻止しようとするという訳が分からない展開に「!?!?」となった思い出があります。  また緑の髪の毛という不思議なローティーンの女の子ニュータイプであるクェス・パラヤの存在がどうも訳が分からない。ララァの亡霊がいつまでも二人の間を行ったり来たりするのもホラーみたいです。しかもアムロはイライラしている。自分が殺したくせに!  旧ジオン軍はサイド落としを敢行し、連邦軍ガンダムマニアを震撼させましたが、ギレンに率いられたジオン軍と違い、彼らは軟弱者(カイはセイラさんにそう言われ、ビンタを食らう。彼も登場していませんが、詳しい人に聞いたところ、すでにお亡くなりになったとのことでした。)のように作戦放棄してしまう。  なんだろう!?大気圏間際での激闘というのは第五話『大気圏突入』やサイド落とし以来のビッグイベントなので、ファンからすると盛り上がるのでしょう。
画像
 そもそもですが、スペースコロニーって、大量の資材を地球から宇宙空間まで各部品を送ってから組み上げるはずでしょうし、大気圏に再突入できるほどの高熱処理まで施されているのだろうか。デカ過ぎる物量ならば耐えられるのかなあ。  永井一郎のナレーション時のように完全な状態で形を保っていられるのかは謎です。誰も気にならないのでしたが、ふと大昔の小学生のころから思っていたことで、あれだけサイドを落としてきたのだから、なんで早くから、「そうだ!!小惑星を落とそう!!」とならなかったのだろうか。  シャアがこれまで搭乗してきたモビルスーツ一年戦争時にはザク、ズゴックゲルググジオングが挙げられます。小説にはシャア専用リック・ドムも出てくるそうです。
画像
 小学生の頃、模型店に展示されていたジオラマでも赤く塗ったドムがガンダムと戦う様子を作った作品もありました。どんな感じの戦いなのだろうとは思いましたが、当時は読書が嫌いだったので、小説を読もうとはなりませんでした。  百式(黄色っぽい。すごくカッコいい。)やリック・ディアズなどその後のΖやOVAでもシャアが駆るモビルスーツが出てくるようですが、全貌を把握は出来ていません。とにかくシャアが出てくるプロットの多くで赤いモビルスーツが出てきます。  小説の作者もどうせなら自分好みのモビルスーツに彼を乗せたいので当然です。いっそのこと、ガンダムに乗せちゃえって思ったクリエーターはいないのだろうか。
画像
 ガンダムの作品世界にシャアが登場するとやはり盛り上がるのは確実なようで、彼らの生い立ちやアニメ版でカバーしきれなかった部分は今でも『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』などで描かれています。  なんだかスターウォーズのスピンオフが延々と小説化されたり、映画化されたり、アニメ化されるのによく似ています。それは二匹目のドジョウをいつまでも狙い続ける製作側のあざとい姿勢を批判することも可能ではありますが、受け入れてくれるマーケットがあるならば、それほど悪いとは思わない。  いっそスパッとイデオンのように全員殺してしまうという荒業もありなのでしょうが、多くのファンはパラレル・ワールドもしくはご都合主義と嘲笑されるとも、新作をああだこうだ言いたいのです。
画像
 ガンダムマニアはスターウォーズエヴァゴジラのファンと同じ心境なのかもしれない。とりあえず全部好きなぼくはすべてのご都合主義を受け入れるようにしていますし、ファンは楽しいのだから「これでいいのだ!!」と納得しています。  ちゃぶ台返し上等です。いっそのこと、シャアの遺伝子を残していたことにして、シャアのクローンが大挙してニュータイプ部隊を全世界で編成し、政界をのっとり、優れた者による支配を目指す独立戦争を仕掛ける展開を描く。『ブラジルから来た少年』『スターウォーズ/クローンの攻撃』を足して二で割る感じです。  それか、過去の女性遍歴が華やかな彼の子孫(隠し子たち)が己の出生に悩みながらも周りに推されてリーダーにのしあがってくる様を描いた作品などを見たい気がします。 総合評価 65点