良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『マイ・ビートルズ・ブームが再びやってきた!』お金が掛かって、かなりヤバい!

 先日、近鉄奈良駅近くにオープンしていた中古のビートルズ・レコード専門店のB-SELSさんで『ビートルズ・フォー・セール』『リヴォルヴァー』を買ってから、レコードの魅力を再発見し、自分の中でのビートルズ・ブームが再燃し、レア・バージョンが多数収録されている『ビートルズ・ボックス(レアテイクの宝庫!)』『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!(楽器演奏シーンのジャケット)』『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』『ラバーソウル』『アビイ・ロード(緑帯の1970年代のプレス)』などを追加で購入していきました。  もともと、まだアナログで持っていた『レット・イット・ビー』『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(しかも三枚)』『ビートルズNo5』『アビイ・ロード(旗帯盤)』『青盤』『赤盤』『ビートルズ・グレイテスト』『リール・ミュージック』『ビートルズ・グレイテスト・ヒッツ20』『ビートルズ・レア・ライブ62』『オールディーズ』と併せ、合計で15タイトルまで集まりました。  知人からもらったビートルズ関連のレコードにはそのほかにジョン・レノンの『ジョンの魂』『平和の祈りをこめて』『シェイヴド・フィッシュ』『ダブル・ファンタジー』『ミルク・アンド・ハニー』、ポール・マッカートニーの『タッグ・オブ・ウォー』『マッカートニーⅡ』『パイプス・オブ・ピース』『ヤア!ブロード・ストリート』『オール・ザ・ベスト』がほぼ無傷の状態で入っていました。  CD時代、つまりぼくが20代前半から30代にかけて、レコードからCDに買い替えをしていきましたが、その頃にはすでにレコードはほぼ残っておらず、聴き比べとかをすることもなく、CDの音源を聴いて、「こんなもんだったかなあ…」「思春期に聴いたのと感じ方が違うのは感受性が落ちたからかなあ…」などと言い聞かせていました。  しかしながら、改めてレコードを買い直していったり、知人からもらったレコードを聴き返していくと、明らかに音のミックスが違い、音の定位がかなり変更されていたりして別物のようです。  CDでの販売にあたり、オリジナルのマスターの音圧を整えたのか、『ヘルプ!』や『ラバー・ソウル』だけでなく、その他も色々とミックスを変えたのか、CDフォーマットで聴きやすくするために平坦化されてしまい、本来のレコード時代にはたしかに存在していたボーカルの大きさや力強さがかなり小さく抑えられていたことを感じました。
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 特にジョンの歌声はレコードの音源がかなり魅力的で、ビートルズ時代もソロになってからも、稀代のロックン・ローラー、ジョン・レノンの色気と迫力、そして訴えかけてくる説得力がCDを圧倒しています。目の前でジョンが歌っているような、リスナーに迫って来る、まさにジョンの魂を感じることが出来るのはレコードというフォーマットです。  もちろん、気軽に誰でも楽しめるCDの功績は素晴らしいですし、さらにお手軽な配信というスタイルはスマホ世代の若い人にも受け入れやすいことは承知しています。ただ、音を出すまでがかなりめんどくさいレコードというフォーマットの魅力は捨てがたい。  とりわけ発売当時にレコードだった作品に関しては出来るだけレコードで聴いていきたい。現実問題として、すべて過去作品をレコードに買い替えるというのは非現実的ですし、ビートルズだけにするつもりです。  鳥の鳴き声や羽ばたきが入っている『アクロス・ザ・ユニヴァース』は『レアリティーズ』や『ビートルズ・バラード20』、チャリティー盤『ノー・ワンズ・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』に収録されています。いわゆるバード・バージョンと言われているこのナンバーですが、同じテイクのはずですが、微妙にピッチが違っていて、『レアリティーズ』のほうが随分速いように思えました。  このテイクの収録されているレコードでは『ノー・ワンズ・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』のA面トップに配置された物が一番力強さがあります。ジミー・ペイジが好きなのはおそらくこのレコードのものでしょう。お店で聴かせていただきましたが、このチャリティ・アルバムを担当したエンジニアの音へのセンスでしょうが、大胆なカッティングのおかげで、いまだにレコードは生き続けています。
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 『ヘルプ!』に関しては『ビートルズ・ボックス』にアルバム収録14曲中、ボックスに13曲が収録されているので、『ディジー・ミス・リジー』目当てだけで購入するのはさすがにもったいないので、買うにしてもアメリカのサントラ盤だけで良いかなあという感じです。値段的には一枚当たりで2000~3000円程度で買えるので、普通にCDを買い揃えるのと大差ない。  まさか、50代に差し掛かり、レコードを再び集めるようになるとは思いませんでしたが、CDよりも生きた音を出してくれるので、自分の感じたCDへの違和感を大事にして、レコードを買い進めていきます。道楽でしょうが、人生は長く見積もってもあと30年くらいですから、趣味にはある程度お金を割いていきたい。  まあ、ゴルフをやったり、骨董や絵画を集めるよりはかなり安上がりですし、音楽は薄汚れて荒んだオジサンの心を綺麗に洗い流してくれます。加齢臭やオヤジギャグも洗い流して欲しいなあ。  今はジョン・レノンベスト・アルバム『シェイヴド・フィッシュ』を聴いていますが、あまりにも一枚に詰め込み過ぎた『ジョン・レノン・コレクション』よりもこちらのほうが良い音が出ています。ジョンのアルバムを聴く前に昨年に購入していたデアゴスティーニが出したレコード復刻版みたいなやつを良い機会と思い、緑帯盤と聴き比べしようとたまたま創刊号だった『アビイ・ロード』を聴いてみました。  感想としては1970年代プレスのものと比べると、「ふざけるな!」の一言で済んでしまう出来の悪さでした。比べなければ、分からないこともあるようです。CDのデジタル・リマスターをそのまま録音したもののようで、レコード時代のオリジナル・マスターを復刻させたわけではない“なんちゃって”レコードです。  野性味は失われていて、サウンドは平坦です。淡々として『カム・トゥゲザー』が終わっていく寂しさはウンザリします。ヴォーカルが奥に引っ込んでしまい、メッセージを主張してこない。また、包装袋が悪いようで、半年ぶりに比べるために聴こうとしたところ、なんと盤いっぱいにカビが発生していました。製造自体がかなりずさんな代物で、はじめてレコードを出したときから、盤に薄いが長い傷があり、聴く前から萎えました。
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 これを聴いて、レコードってこんな感じなのかなあとは思わないでほしい。カッティングもおとなし過ぎていて、音は小さいし、本来の迫力がない。ヤフオクで良いので、緑帯か旗帯盤を競り落として、本当のレコードに触れて欲しい。  80年代に入ってからのレコードは評判があまり芳しくはなく、ブログの盟友でビートルズにも詳しいオカピーさんによると旗帯盤も好きではないとのことでしたし、お店のオーナーさんも80年代のレコードは音が良くないとおっしゃっていました。  レコードをまだお持ちの方はCDではなく、レコードを引っ張り出して、是非とも聴き比べてください。ビートルズでもそうでしたので、ローリング・ストーンズレッド・ツェッペリンジャニス・ジョップリンなどもレコードで聴くとかなり印象が変わりそうです。  ビートルズ関連で、あと買い揃えたいのは『ミート・ザ・ビートルズ』『ウィズ・ザ・ビートルズ』『プリーズ・プリーズ・ミー』『マジカル・ミステリー・ツアー』『ライブ・アット・ハリウッド・ボウル』『レアリティーズ』でした。  本日は休日でしたので、またお店に出向き、『ウィズ・ザ・ビートルズ』『マジカル・ミステリー・ツアー』『ライブ・アット・ハリウッド・ボウル』『レアリティーズ』の4タイトルを購入しました。『ウィズ・ザ・ビートルズ』の曲順が英国オリジナル・フォーマットのものとはかなり違い、『オール・マイ・ラビング』がA面トップに来ていたのは驚きましたが、旗帯盤になるまでは日本ではこの順番だったそうです。  買いたい残りは『プリーズ・プリーズ・ミー』『レアリティーズ2』くらいです。ただ結局、マニアなので買ってしまいそうなのが、『ミート・ザ・ビートルズ』『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』のキャピトル盤、『4人はアイドル(タイトルだせえ!いい加減やめよう!)』『イエロー・サブマリン(B面は聴かないだろう)』、それとノイズが多いのが玉に瑕だが、音自体はパワフルな赤盤『アビイ・ロード』でしょうか。  ソロではポールの『バンド・オン・ザ・ラン』、ジョンの『イマジン』、もしかしてのジョージの三枚組『オール・シングス・マスト・パス』まで行ってしまいそうでさすがに怖い。  聴き比べ用にCDとレコードを買い揃えるのは道楽でしょうが、すべてを買うのではなく、好きなアルバムだけで良いので、ミックスの違いやバランスを味わいましょう。