良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ガメラ対ゴジラ 地球破壊計画』(200Ⅹ)第一部 太平洋の脅威

 <完璧に空想世界です。むきになって怒らないようにして下さい。登場人物その他すべて完璧なフィクションであり、実名で出てくる俳優さんたちも、あくまでもイメージですので、実年齢にはあまりこだわらないでください。ファンの方は腹を立てないでください。肖像権その他一切侵害するつもりは毛頭ございません。また科学的なことは門外漢なのでツッコミどころ満載だと思いますので、いちいち突っ込まないようにしてください。あくまでもお遊びなので。>

 『ガメラゴジラ 地球破壊計画』<第一部>太平洋の脅威

 200Ⅹ年、廃墟になった東京の街。夕方5時30分を回ったところである。聳え立っていた東京タワーは飴が溶けたように曲がっている。見渡す限り、繁栄を極めた東京のビル街の面影はどこにもない。そこに立ち尽くす防衛隊員がいる。颯爽とした姿勢を保っているが、どこか華奢な体つきである。隊員は彼女(麻生久美子をイメージ)であった。参謀本部にいた彼女の最近の主な任務は復興支援だ。

 廃墟になってしまったが、人類はそれでも新たな生活を始めようと必死に頑張っていた。多くの人々が倒れたが、子供たちはどんな環境でも逞しく生命力が強い。めげそうな大人達も彼らを見ることで癒される。

 未来のために働くというのは子供たちのために住みやすい環境を作り出すことである。じっと彼らを見ていた麻生であったが、微笑みには陰りがある。彼女は指輪を見つめている。(ここから彼女のフラッシュバックが始まり、物語は5年前に戻る。)

 <参謀本部

 200Ⅹ-5年、麻生は参謀本部で、優秀な防衛隊員として日々日本と世界の平和のために働いている。一番奥の席に着き、人を射すくめるような視線を周りの人々にぶつける参謀は土屋嘉男。彼のそばにいる副参謀は抜擢された防衛大卒のエリート・岡田准一だ。岡田と麻生は(カップルという設定ではなく、同僚)はお互いに認めつつも、反発しあっている。

 今日も土屋は些細なことで岡田と麻生を罵倒した。謝りつつも合点がいかない二人。土屋は厳しい参謀ではあったが、人間味もある人であった。彼は一体どうしたのであろうか。いつから変わってしまったのか。

 防衛本部の通路で歩きながら話す二人。彼らもお互いにわだかまりがあるので、たどたどしい会話になるが、土屋の豹変振りについては意見が一致した。土屋がおかしくなったのはヨーロッパ視察の後、北極経由で帰国してからだった。土屋に何があったのか。

 <帰国途中の機内>

 ゆったりと座り、温和な笑みを浮かべている土屋。時計の針は午後5時30分を指していた。そこへ突然、怪光(異星人の円盤がこの飛行機に接近遭遇していたのだ。)が機体を包み込み、轟音とともに機内が激しく揺れた。

 しばらく光が乱れ、揺れが続く。乗員は機長を含め、皆意識を失ってしまっていた。そこへ光の塊が機内を探し回る。光は土屋参謀を持ち上げると円盤に運び込んだ。それが5分も経つと元の状態へ戻る。

 何事も無かったかのようだ。しかし5分間の記憶は全く無い。訝しげに思う機長ではあったが、とりあえずは何事も無かったからか、皆一応に安堵の胸をなでおろし、喜びの表情を見せている(引き画)。そこへゆっくりと土屋のアップが入る。何かがおかしい。彼の目に悪意が浮かんでいる。口元が妙に歪んでいる(照明を暗く当て、顔全体が見えにくくなっている)。

 <再び参謀本部

 防衛省長官佐原健二が土屋参謀に相談している。長官は最近、地球上空で頻繁に見られるようになっている未確認飛行物体について土屋参謀の見解を聞いている。当然そんなものはありえないと一笑に付す土屋参謀。その顔は笑っているようにも見えるが、目は笑っていない。陰険で邪悪な目を長官は見逃している。

 何かを彼は知っているのだ。参謀に否定された長官は稀有な心配に過ぎなかったのかというような安堵の表情を見せている。長官もまさか土屋参謀が異星人(宇宙の鼻つまみ者だが、大量殺戮兵器を持ってしまったテロリスト星人)の手先となっていることなど夢にも思ってはいない。しかしどこか腑に落ちないのも確かである。

 深謀遠慮に定評がある長官は切り札であるスーパーⅩ4号の完成を急がせるとともに、極秘で円盤プロジェクトを始める。まずは防衛軍の花形であるスーパーⅩ4計画について触れておく。この計画の責任者は内藤剛志である。

 <富士近隣の秘密基地内>

 整備が進んでいる基地内で、内藤がスーパーⅩ4の武装をチェックしている。内藤はスーパーⅩ4の艦長でもある。抗核バクテリア・ミサイルを標準配備し、耐熱反射ミラーも前回(対ビオランテ)解けてしまった苦い教訓を活かし、さらに強度を高めている。通常兵器としてはミサイルのほかに小型化したメーサー砲も備え付けられている。

 そして今回の目玉は反射太陽光照射システムである。ソーラーパワーを蓄える軍事衛星を宇宙空間に配置し、スーパーⅩ4が受光ミサイル(当たると、パラボラアンテナのような形状になる)をゴジラの背後に突き刺すことを想定して製造されている。

 宇宙空間から照射された太陽光をいったんスーパーⅩ4の耐熱反射ミラーに当てて、それを受光ミサイルのミラー目がけて一気に光をぶつける。威力は数倍になるので、さしものゴジラでも、無力化されるであろう。

 また大型ミラー車両が基地内にあり、おびき寄せた時にはこれらすべてのミラーでゴジラを包み込み、照射と同時にゴジラを溶かす計画である。スーパーⅩ4は幾度かの試行錯誤を重ねて、核を持てないわが国が作り出した究極のエコロジー兵器である。

 軍関係者も今回のスーパーⅩ4には誇りを持っている。軍の威信を象徴する兵器ともいえるのがこの計画なのである。軍の上層部にはむしろゴジラに出てきてもらいたいような危険な驕りすらある。彼らにはさらに何人もの犠牲者が出ることよりも、最新兵器の実験をしたいような雰囲気すらあるのである。平和ボケしているのだ。

 これに比べ、日陰者のようなポジションに置かれてしまっている極秘プロジェクトのほうはプロジェクトの場所も防衛本部の地下の一室である。責任者となったのは岡田、支えるのは麻生である。二人は長官室に呼ばれ、極秘任務であることを告げられる。二人に部下が二人付けられる。

 ひとりは高嶋政伸、緻密な性格を持つ彼は二人と同じく参謀本部に勤めてはいるが、いまでは出世街道からは完全に外れている。

<過去映像としてスーパーⅩ2及び3を使った戦闘シーン、隊員の葬式シーン、墓参りをフラッシュバックで入れる>

 彼は十年前、ゴジラが鎌倉を襲った際、対Gとしては二度目の指揮を任され、再度、抗核バクテリアゴジラの胸に集中させて打ち込ませた。

 彼はメーサー砲戦車を数十台並べ、さらに莫大な予算のかかったスーパーⅩ3を使って、メーサー砲の射程距離まで誘導させ、ゴジラの神経が集中する後頭部一箇所のみを集中砲撃したが、見事に失敗し、スーパーⅩ3を失い、数百人の隊員をたった10分間で死亡させた。その責任を取らされる形で資料室に回されてしまったのだ。

 その彼に再び回ってきたチャンスではあるが、彼は円盤などには興味はない。何故ならば彼が怨念をぶつける相手はゴジラのみであり、日夜閑職にあっても、対G壊滅作戦を常に練っていた。しかし最後にゴジラが現れてからすでに5年以上の月日が経っていた。彼は有給を取り、妻・小高恵美、娘・蒼井優とともに権藤一佐の墓参りに行っていた。そこへ携帯が鳴る。着信は佐原長官であった。

 強引さが目立った彼の指揮能力も今では知る人ぞ知るほどの実力を持つほどになっているのだ。彼に目をつけた長官はさすがに目が高い。長官は何かが起こるかもしれないという漠然とした不安から、最悪の事態を想定して極秘チームを始動させたのだ。

<墓参り帰りの車内>

 終始沈黙していた二人であったが、小高が高嶋につぶやく。「ゴジラがくる…」。高嶋は胸の高鳴りと不安を感じていた。もしかすると彼が長官に呼ばれたのは対Gプロジェクト絡みかもしれない。と彼は思っている。

<防衛軍の科学研究施設の一室>

 もうひとりはオダギリジョー、彼は音波や周波数の専門家だ。彼の研究はゴジラがどんな音を好むか、嫌うかを黙々と研究しているのだ。地味な研究なので、誰も彼に興味を示さない。しかし彼には確信があった。

 1983年にGが現れた時に帰巣本能を利用して、三原山にGを転落させたことがあったが、その後は音の研究は全くされてはいなかった。これをさらに突き詰めて、音を使ってGを自在に動かそうというのが彼の究極の目標であり、その前段階としては倒せないのであれば、出てこれないようにしようというのがオダギリの発想である。

<本部に呼ばれた4人>

 お互いに認めていない者ばかりを集めているので、纏まりがまるでない。岡田は高嶋を負け犬を見る目で見ている。オダギリはまるで他の三人に興味はない。麻生は任務でなかったら、その場にいるのも嫌だという表情を見せている。

 残る一人高嶋は彼らと距離を置いていた。彼は対Gプロジェクトへの復帰を確信していたのであるが、呼ばれていたのは青二才ばかりであることに気付き、彼の予想が間違っていたのを察知し、気力が萎えている。ふてくされ気味の彼は長官への義理立てのためにいるだけで、この日陰のプロジェクトに積極的に関与しようとは思ってはいない。

 彼らを見た長官は何故か笑みを浮かべている。彼に気付いた4人はバツが悪そうにしている。長官はこの任務の重要性と極秘であることを強調した。内面では良くは思っていない4人だが、ここは軍人の顔に戻り、命令を聞いていた。

 <太平洋深海> 

 宇宙人の基地を探すために、さまざまな場所を回っているプロジェクトチーム。昨日UFOを見たという石油タンカーの情報、しかもこの船はUFOを見たという情報を告げてからすぐに消息を絶ってしまったのだ。その捜索もかねて彼らは太平洋に調査しに来たのだ。

 三日三晩探し回った彼らだが、何一つ有力な物証を得ることが出来ない。諦めかけて帰ろうとした矢先、ソナーが何かを捉える。かなり大きい。直径が50メートルはあろうかという巨大な円形の物体が北へ向けて移動しているのだ。この物体は明らかに意思を持ち、一定方向を目指していた。

 岡田らは潜水艦に乗り込んでいて、前方の巨大な物体に気を取られていたが、後方に位置する、もうひとつの円形の物体には全く気がついていなかった。円盤である。前しか見ていない乗組員。ふいに前方の巨大な物体が彼らの方向に向けて光線を放った。咄嗟に逃げる潜水艦。間一髪避けて潜水を続ける彼ら。その刹那後ろでは大爆発が起こった。

 安堵するとともに巨大物体への憎悪を燃やす麻生、岡田の二人。しかし彼らは勘違いしている。巨大物体が狙っていたのは潜水艦ではなく、円盤だったのだ。先ほどの大爆発は円盤が破壊された音だったのだ。そうとは知らない彼らは新たな脅威としてしか巨大円形生物を捉えていない。

 そのなかで、音の専門家であるオダギリは岡田、麻生に異を唱えた。彼だけが後方の音が自然なものではなく、円盤に違いないと確信していたのだ。当然オダギリは巨大円形生物を敵視してはいない。しかしお互いを信用していない彼らはオダギリの意見を取り入れない。

 高嶋は無言であったが、ことの重要性は分かっている。エスパーである妻に告げられ、ゴジラの復活を確信していた彼は新たな脅威としての巨大円形生物との避けられない一戦を予感する。しかしそれを他のメンバーに伝えることはしなかった。

 暗号を打つ岡田。新たな脅威として認識された巨大生物は形状が円形で、亀のような頭を持っているためにガメラ命名された。ゴジラに続く、第二の脅威として。

 <第二部へ続く>

オタクイーンさんの「それぞれのGXG」リンク先です。

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