良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ガメラ対ゴジラ 地球破壊計画』(200Ⅹ)第二部 G1とG2

 <ガメラゴジラ>第二部 G1とG2

<防衛軍基地内>

 太平洋を探索した極秘プロジェクトメンバー達は佐原長官に呼ばれたが、少々待たされていた。スーパーⅩ4プロジェクトの面々と先約があった長官は彼らとのガメラ壊滅作戦に時間を取られていたのだ。

 自信を持ち、彼らの誇る最新兵器の優越性を説く内藤。長官も彼とスーパーⅩ4を信じている。まずはスーパーⅩ4を現地に派遣し、ガメラを待ち受ける案が了承された。部屋から出て行く関係者たち。

<長官室外の廊下>

 意気揚々と引き上げてくる内藤は高嶋と岡田に一瞥をくれるが、相手にするわけでもない。高嶋は大人であるので、別段気にもならないような素振りを見せるが、岡田はそうではない。内藤への怒りを抑えることの出来ない彼は後姿をにらめつける。

<長官室>

 四人はガメラ発見の経緯を伝えていた。このまままっすぐに北北西に進路を取るとすれば、ガメラはあと10日で大島付近に到達する。事態は切迫していた。防衛軍が誇る対G最新兵器の主力は大島周辺及び三原山のふもとに続々と集結させられていた。

<スーパーⅩ4の出撃>

 (ここは台詞なしで、アナウンスのみで「ゲート・オープン! スーパーⅩ4 テイク・オフ!」くらいにしておく。そしてディゾルブで深海まで一気に飛ぶ。)

<太平洋深海>

 スーパーⅩ4は接近してくるガメラを捉えている。ガメラにも抗核バクテリアが効くのかは誰にも分からない。メーサー砲がどれだけ通用するかも分からない。初めての相手ではデータがあまりにも不足している。それでも難攻不落のスーパーⅩ4ならば何とかしてくれるであろう。そのような期待感があっても仕方がない。

 魚雷を発射する。レーダーに映るガメラの影と迫っていく魚雷。直撃する。大爆発が起こるが、ビクともしないガメラ。ミサイルを発射する。直撃するが、依然ビクともしない。通常兵器の限界を知った内藤は抗核バクテリアミサイルを撃ち込んだ。

 苦しがるガメラ。しかしガメラが苦しがっているのは「抗核」の威力ではない。ただ単にドリルミサイルである抗核ミサイルが身体にめり込んだのとバクテリアという異物が大量に身体中を巡って行ったので、苦しがっているのである。そうとは知らない内藤はありったけのミサイルをガメラに放った。これに対し、ガメラは迫ってくるミサイルに光線を放った。大爆発を起す海中。ソナーもレーダーもしばらくは利かない。

 計器系統が復活すると、海底にはガメラの姿はもう無かった。壊滅させたと思った刹那、レーダーの監視任務に着いている隊員が叫んだ。「大変です!ガメラが艦上空で回転飛行しています。凄いスピードです」。あっけにとられる乗組員たち。内藤も呆然としていたが、すぐに気を取り直し、追跡を指示する。

<防衛軍本部>

 スーパーⅩ4より、連絡が入る。蜂の巣を突っついたような騒ぎになっている。「このままでは夕方には本土上陸の恐れがあります。」「至急避難させろ!」「どこへだ!ヤツは飛んでいるんだぞ!」怒号渦巻く本部。とりあえず空軍に依頼が飛び、出撃していく戦闘機隊。

<太平洋上空>

 画面左の位置から右へ向けて飛んでくるガメラ。防衛空軍は画面右から左へ向かって飛んでくる。両者が接近した刹那、空軍機から猛烈な攻撃が加えられる。ビクともしないガメラ。なおも攻撃を続行する戦闘機隊。

 何十発のミサイルが命中すると、ガメラは錐もみ飛行のような状態になり、再び海中へ沈んでいった。空軍もスーパーⅩ4も完全にガメラを見失ってしまったのだ。Ⅹ4操縦席正面のディスプレイを呆然と見ている内藤。

<防衛本部>

 スーパーⅩ4による追尾が失敗し、意気消沈している本部。どうすべきか皆が分からない。ここで土屋参謀がある意見を述べた。彼は独自の調査により、ゴジラ三原山の海底で眠っていることを告げた。驚く参謀本部のスタッフと長官。「何故そのようなことを隠していたのだ?」と詰め寄る長官。だが彼には構わずに土屋参謀は防衛軍をミスリードすべく、彼の計画についての説明を続けた。

 彼はスーパーⅩ4の特徴である反射太陽光照射システムを使って、ゴジラを復活させ、ガメラにぶつけることを提案したのだ。あまりにも危険すぎるこの提案には当然皆が反対した。しかしガメラがまっすぐにここへ向かってくる以上、取るべき手はそう多くはない。

三原山近海の海底>と<軍事衛星>(カットバックで撮る)

 不気味な音が聞こえる。リズム良く、低い振動(心音)が一定の間隔で伝わってくる。海底に不気味で巨大なフォルムが見え隠れしている。見覚えのある背びれ、体の皮膚、間違いない。ゴジラだ。しかしスーパーⅩ3との抗争で疲弊したゴジラはピクリともせずに冬眠に入っているようだ。それでもゴジラを倒すまでには至らない。

 スーパーⅩ4がそのゴジラに接近する。身体に照準がロックされる。受光ミサイルを撃ち込むために。そしてミサイルはゴジラに命中した。パンドラの箱を再び自らの意思で開けてしまったのだ。殺してしまっては元も子もないので、出力は50パーセント程度である。

 それでもこの兵器の威力は凄まじい。宇宙空間から光の矢が放たれた。大音響とともに圧倒的な巨大な光の束がまっすぐに海底に降り注いだ。光に包まれるゴジラ。光の中で目を開くゴジラ。(ここは当然伊福部音楽、それもゴジラのメインテーマしかない)。

 ゆっくりと動き出すゴジラ。これを確認した本部では喜びなど何もない。悲痛な成功である。とりわけ内藤ははき捨てるように「やつを倒すために作ったスーパーⅩ4で、やつを甦らせるのか!」と嘆く。

 ただひとり土屋参謀のみがほくそ笑んでいる。レーダー監視係が叫ぶ。「ガメラ、あと10分で三原山に上陸です」。ざわめく本部。さいわい防衛軍主力は三原山に集結していたので、移動時間には問題がない。

 メーサー砲、戦車、10000人規模の歩兵団、空軍機隊、戦闘ヘリ部隊、潜水艦隊、イージス艦隊が三原山に集まっている。

<島の湾内>

 突如、大きな泡とともに海面が盛り上がり、ゴジラが顔を出す。出現したのは5年振りである。一斉射撃の準備に入る防衛軍ではあるが、まだ撃てない。彼らは指示を受けているのだ。まずはゴジラガメラを闘わせ、その勝者に攻撃を加えて退散させるしか手はないのだ。とりあえず彼らに出来るのはまだ若干残っていた避難民の誘導しかない。

<上陸>

 ゆっくりと巨体を引きずりながら歩くゴジラ。攻撃を受けていないので、まだ一度も放射能火炎は吹いてはいない。そのとき不意に南の空から迫ってくる何かに気付く。ジェット音響とともに回転しながらガメラが現れたのだ。

 放射能火炎をガメラに向けて吐くゴジラ。なおも旋回を続けるガメラ。何度目かの放射能火炎がガメラを直撃した。たまらず陸地に下りてくるガメラゴジラを下手に、ガメラを上手に配置。

 ついに対峙する両者。緊迫感が増していく。(さらに盛り上げる伊福部音楽)

ゴジラが唸り声を上げながらガメラに向かってくる。ガメラもそれに応じ、ゴジラに向かっていく。取っ組み合う両者。力は五分五分のようだ。

 放射能火炎をガメラに吐くゴジラ。たまらずガメラが逃げる。今度はガメラの番だ。ガメラも負けじと猛烈な火炎球(平成シリーズで見せた火炎をイメージ)を吐き返す。(素早いカットと引き画とアップを混ぜて、迫力ある戦闘に演出)

 場所を移動しながら火山口で対峙する両者。ガメラは手足をしまい、回転飛行の体勢に入る。ゴジラも今度が勝負どころであると察知している。猛烈な音響とともに飛行し、接近してくるガメラ。一回目はゴジラが避けた。そして旋回しながら二回目の機会を窺うガメラ

 正面は外したが、避けきれず右手を失ったゴジラ。火山口に悲鳴のような唸り声を上げながら落ちていくが、その刹那にガメラに猛烈な放射能火炎を浴びせる。この攻撃によりガメラも左手を失ってしまった。空中を飛んでいるもののバランスを崩しながら、北の空へ消えていくガメラ。それを追尾する防衛軍空軍。集中砲火を浴びせている。ついにガメラも落とされた。

 しかし海中では潜水艦隊が待ち受けていた。さらに攻撃を浴び続けたガメラ日本海溝の深みへ落ちていった。それ以上の追跡を諦め、帰っていく防衛軍艦隊。撃退の報を本部へ報告する。湧き上がる本部。ひとり土屋参謀が本部コントロールルームを後にする。

<サブ・コントロールルーム>

 彼は防衛軍のサブ・コントロールルームへ向かった。そこには5人の防衛隊員(彼らはテロリスト星人に拉致された人々で、本人たちは既に処刑されていた)が彼の到着を待っていた。土屋参謀は入室するや否や、5人以外の隊員を全員射殺した。この5人もテロリスト星人の手先だったのだ。即座に円盤に連絡を取る土屋。二つの脅威であったG(G1はゴジラ、G2はガメラのことを指す)を一気に葬ったことを報告し、もうひとつの計画を実行に移した。

 彼は部下に指示し、軍事衛星の照準を合わさせた。その先にあるのはスーパーⅩ4である。「発射!」と冷静に命令する土屋。防衛軍コントロール室でも異変に気付いたが、もう遅かった。光の束が宇宙空間を貫く。そして三原山から帰還する途中であったスーパーⅩ4を包み込む。光に包まれた艦内。訳が分からない表情を浮かべる内藤と乗組員だったが、次の瞬間には大爆発とともに消失した。

 これを皮切りに次々にシステムを稼動させた土屋は三原山に集まった防衛軍主力に壊滅的な打撃を与えた。そして三原山が片付くと、衛星の攻撃角度を変えた。東京に照準が合わされている。パワーは最大だ。しかも分散装置を用いて、シャワー状に拡散させることで広範囲に被害を与えようとしていた。彼は指令を出した。悪魔のスイッチが押された。

<宇宙空間、東京、大阪、名古屋>

 軍事衛星から先ほどよりも巨大な光の塊が放射された。合計5発の悪魔の光が東京を襲った。10キロメートル四方が一瞬の内に灰になった。東京タワーが飴のように溶けている。レインボウブリッジは二本に切断されてしまった。国会議事堂も業火に包まれている。都庁は跡形もなくなった。大阪、名古屋も無事ではない。名古屋城大阪城も一瞬の内に消滅した。

三原山の状況>

 燃え尽きた戦車、メーサー砲、溶けたようなスーパーⅩ4の残骸、重傷を負った隊員たちなど、まさに地獄絵図が展開されていた。

<サブコントロールルームに突入する岡田たち>

 「何故だ!」と問い詰める岡田に発砲してきた土屋。咄嗟に交わした岡田。その横から出てきた高嶋と麻生が土屋と隊員たちを射殺した。閃光とともに骨だけを残し、消えた六人。人類とは思えない骨格をしている。かれらは人間ではなかったのだ。愕然とする四人。長官にその旨を伝えると彼も驚いていた。

<コントロールルームのモニターに突然異星人が映し出される>

 女性の顔をしたテロリスト星人(菅野美穂)が傲慢な様子で防衛軍に告げる。「お前達の兵器は無力化されている。われわれが最も恐れていた怪獣たちもお前たちの手で退治してくれた。感謝する。その功績をたたえ、人間を奴隷として我々が使ってやろう!」。

 すべてが彼らの仕組んだ罠だったのだ。反射的に切り返す長官。「地球人はお前たちのような無法者と取引はしない!」。「ハッハッハッ!」と高笑いしながら、モニターから消えていく異星人、菅野。一体どうすればこの脅威を取り去ることが出来るのだ?ゴジラは火口に消え、ガメラは深海に沈んだ。

<第三部へ続く>

オタクイーンさんの「それぞれのGXG」リンク先です。

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