良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『X-MEN』(2000)大人気アメコミの映画化作品。偏見を持たずに見ると楽しい!

 アメリカの人気コミックを元に製作されたということを聞かされていたので、どうせメイド・イン・USAの中身がなくて筋肉質でデリカシーのない、家族向けか、十代のバカップル向けにぴったりな時間潰し用の下らない映画だと思っていました。  そのため、何度か見る機会があったものの、ついに一度も見ることなく、十年近くスルーしてきました。それが最近になり、立て続けに過去作品シリーズ4本をすべて後追いでレンタルして、全部見ることになりました。
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 原因は映画ファンの友達が強く薦めてくれたのがきっかけでした。彼女により、ほぼ半強制的ではありましたが、この3日間で『X-MEN』『X-MEN2』『X-MENファイナル・デシジョン』『X-MEN ZERO ウルヴァリン』の4作品をまとめて見ました。  彼女は今年で24歳なのですが、何故か食べ物、音楽、映画など様々な趣味や嗜好が似ていて、物の見方もかなり似ています。そんな彼女が薦めてくれるので、こちらもリラックスして見ていきました。
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 すべて見た印象としてはバットマンの『ダーク・ナイト』のような暗さと奥深さを持つ作品群で十分に楽しめました。改めて偏見を持つのは良くないのだなあと思いました。  基本的には特撮映画なのですが、特撮そのものの魅力はもちろんあり、それに加えて本編部分もきちんと作り込まれていて、キャラクターたちが上手く描かれていたように思えました。
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 超人的な能力を持つ彼らミュータントが人類から迫害を受けているという設定には疑問を感じましたが、ヒーローなのに世の中に認められず、化け物扱いしかされないという描き方は『妖怪人間ベム』を思い出しました。  理屈抜きに楽しめる映画ですし、理屈っぽく見てしまうと本来の意図とは違った楽しみ方になってしまいそうです。様々な深読みをして楽しむのもありですが、そういう視点はそこそこにして、まずはどっぷりとその世界観に浸って、素直に楽しみたい。
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 監督には『ユージュアル・サスペクツ』を撮ったブライアン・シンガーを起用し、主な出演者としてヒュー・ジャックマンウルヴァリン)、パトリック・スチュワート(チャールズ・エグゼビア)、イアン・マッケランマグニートー)、ファムケ・ヤンセンジーン・グレイ)、ジェームズ・マースデンサイクロプス)、アンナ・パキン(ローグ)、ハリー・ベリー(ストーム)らが活き活きと特撮世界に溶け混んでいます。  この映画で一番得をしたのは誰だろうか。ハル・ベリーか?ヒュー・ジャックマンか?ぼくはサイクロプスを演じたジェームズ・マースデンが一番強く印象に残りました。強いのか弱いのか良く分からないウルヴァリンも良い味を出していて、なんだか体臭がきつそうなそのキャラクターになぜか共感が持てました。
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 悪の総帥(?)イアン・マッケランと正義の味方(?)パトリック・スチュワートが最後の場面で対面するシーンがあるのですが、この正義のミュータントは敵を痛めつけるが、殺害しない。なんだか甘い気もしますが、いちいち敵を倒していくとどんどん対戦相手がしょぼくなってしまうので、昔のタケちゃんマン対ブラック・デビルのように半年くらいは同じ相手との戦い(馴れ合い?)をじっくり見ていくのもありなのかもしれません。  この作品は第1作品目となり、あちこちに謎を散りばめながら、観客の興味を持続させ、さらなる続編に繋げようとしている。結果、世界規模で新たなファン層を広げ、我が国にもX-MENファンを増やしている。『スパイダーマン』『バットマン』『ファンタスティック4』が好きな人にはハマる設定とキャラクターでしょう。明日は『X-MEN ファースト・ジェネレーション』を観に行きます。
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総合評価 75点