良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『TSUTAYAにお願いをしよう!』毎月期待している発掘良品コーナーについて。

 映画を見たいとき、まず第一の選択肢となるべきなのは最寄りの映画館まで観に行くことでしょう。お金がないときや出掛けたくないのなら、ローカル放送の映画番組や地上波放送があります。  ただし上記の形態は選択肢がかなり狭く、映画館まで行っても、興味がないものばかりを掛けていることも多い。その他の方法としてはCS放送があるにはありますが、敷居はかなり高くなります。  そこで登場するのは週末や仕事帰りに気軽に立ち寄って、見たいものを選べるTSUTAYAなどに代表されるレンタルDVD屋さんです。  まあ、レンタル黎明期のVHSビデオが店頭に並んでいるのをワクワクしながら眺めていた頃から通いつめているので、正直メジャー作品の多くは既に見ていたり、食わず嫌いのものだけになっています。
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 それでもかつてビデオ時代には棚に並んでいた作品がフォーマットの変化とともに消えてしまうのをたくさん見ていますので、基本的には興味が沸いたものはとりあえず借りてくるというスタンスを保っています。  ここ数年はDVDへのフォーマット変更が一通り終わってしまったからか、最近の旧作でソフト化されているのはマニアックなホラーや封印作品と呼ばれていたような巨匠が手掛けた幻の作品ばかりです。  この流れに先鞭をつけたのがTSUTAYAの発掘良品シリーズでしょう。大昔の深夜やお昼のテレビ放送でちょくちょく見ていた作品を再び楽しむ機会を与えてくれた企画で月に一回は新しいラインアップが登場するので、「今月は何が並んでいるのかなあ。」と期待しながらTSUTAYAに向かいます。  『エルトポ』や『眼には眼を』などは中古ビデオでも異常な高値がついていましたが、今では気軽にレンタルできますし、『恐怖と欲望』や『戦闘機対戦車』などの風変わりな戦争映画は予算を掛けて、派手に撃ち合うだけが見せ場ではないことを教えてくれます。  ぼくはこのシリーズをいったいどれだけ見たのだろうか。多分リリースされたもののうち、過半数は再視聴しているはずですし、ようやく見られた作品群の中には『ある戦慄』『マドモアゼル』なども含まれていました。
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 『マドモアゼル』や『エルトポ』などは発掘良品コーナーで紹介される前からDVDを所有していましたが、レンタルの棚に並んだときは何だか買って損した気分になってしまいました。  今後はどんな作品が並ぶのだろうか。若い人に見てもらいたいのをまずは書いていきます。  『最後の脱出』『ビーチレッド戦記』『裸のジャングル』という傑作をモノにしたコーネル・ワイルド作品はこだわりが強い職人芸を堪能できるでしょう。  『愛の地獄』『裁きは終りぬ』『洪水の前』などのアンドレ・カイヤット作品を見たら、誰でも人生の意味を深く考えるでしょう。  洋画だけではなく『夜叉ケ池』『獣人雪男』『ノストラダムスの大予言』などの封印作品をあえてソフト化して何が問題なのかを世に問う姿勢も必要ではないか。
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 また映画の起源とも言えるジガ・ヴェルトフの『カメラを持った男』、ヴィクトル・シェストレムの『霊魂の不滅』など見るべきサイレント映画でファンを啓蒙して欲しい。  ピーター・ジャクソン出世作『ブレイン・デッド』、ラリー・コーエン『空の大怪獣Q』など権利がややこしそうな作品も多々あるのでしょうが、毎月期待して待っているので頑張って欲しい。  動物パニックの金字塔である『ウィラード』、そして続編となる『ベン』は全く性質が違う映画ですが、どちらもそれぞれの良さがありますので見てほしい。  ホームページへリクエストが上がり、交渉を経て、はじめて棚に並ぶので場合によってはかなり時間が掛かるのかもしれませんが、懐かしの映画を見たいファンは足しげくTSUTAYAに通い、見たかった作品と出会える日を心待ちにしていることでしょう。  次に個人的に日本語字幕版で再度見たいものを書いていきます。 『殺人ブルドーザー』 名作ではなく迷作のスケールが小さすぎるパニック映画でこれを見た後なら、多くの映画が傑作に見えるという“映画ドーピング”に使える珍品。 『白い恐怖』 この間、記事にしたSFサスペンス映画。猿の実験室です。 『のぞき魔!バッド・ロナルド』 これも先日記事にしたトラウマ映画。海外版でDVD発売されていますが、異常に高いのでソフト化を希望します。
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『早春』 ポール・マッカートニーの元カノ・ジェーン・アッシャーが出ていた青春映画。ジェーンの等身大のパネル写真を抱いて、プールに入る主人公が切ない。 『ザ・マン 大統領の椅子』 黒人大統領が苦悩するアメリカのテレ・フューチャー。現在の大統領がオバマ大統領というのは隔世の感があります。 『ミス・ジョーンズの背徳』 三大ポルノのひとつ。ブサイクだけどなんだかエロい。DVDは発売されていますが、ポルノを買う勇気がない人のためにも是非。 『アンブリン』 スティーブン・スピルバーグが作った自主製作映画。セリフなしで音楽がずっと掛かっている実験作、もしくはミュージック・ビデオ。よく出来ています。 『愚者の歓喜』 クラーク・ゲイブルが歌った『踊るリッツの夜』が魅力的なミュージカル。モノクロ画面が渋い。  期待していますので、TSUTAYAさんには頑張ってほしいですね。