良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(1978)わざわざTSUTAYAさんでお取り寄せしたが…。

 ちょっと前にTSUTAYAさんのお取り寄せ端末で何気なく思いついた『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』を入力してみると当然のように僕らの町のTSUTAYAさんにはなく、注文することになりました。  数日後、一緒に頼んだ『ブレックファスト・クラブ』『断絶』『殺しが静かにやってくる』『フライング・ハイ』とともにこの『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』が届いたとの電話が入り、取りに向かいました。  お店のオネエチャンが各DVDを一本一本確認で読み上げていったのですが、最後のこの作品のタイトルを読み上げるときに吹き出しそうに「あたっく おぶ ざ きらーとまと?」という顔をしていました。
画像
 まあ、ぼくがお店の人でもたぶん「なんだこりゃ?」と思うでしょうから、仕方ない。おまけに『フライド・グリーン・トマト』とは違い、一部マニアには有名なおバカ映画だからなおさらです。  80年代後半にはこれの続編である『リターン・オブ・ザ・キラー・トマト』も出ていました。さすがにこれは見ていませんでしたが、オリジナルの『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』を見ていたので、続編に見る価値はないだろうなあと確信していましたので、後悔はない。  ビデオ時代にあまりのバカバカしさに戸惑い、もう見ることもないだろうと思っていましたが、TSUTAYAお取り寄せに引っかかり、ついつい借りてしまいました。
画像
 さあ、数十年ぶりのバカ映画との再会です。DVDを再生すると何とも懐かしいテーマが掛かってきました。そうだ。このテーマはこの映画の音楽だったのだと思い出しました。  あたぁ~っく~♪ おぶざ きらー とめいとう~♪×2  (殺人トマトが襲ってくる~♪×2回)  久しぶりに聴きましたが、あまりの破壊力に引っくり返りそうになりました。しかしなんだか分かりませんが、耳にこびりついて離れない独特のマーチは実は監督自身による作曲だったので、二度びっくりしました。この曲があるからこそ、この映画は物好き映画ファンの心をがっちり掴んでいるのでしょう。  難敵トマトの弱点が『思春期の恋』というしょうもない曲というのは『イエロー・サブマリン』で宿敵ブルー・ミーニーズをやっつけるのが愛を歌った『愛こそはすべて』へのオマージュだろうか。それだったらもっとましな曲にしてほしかった。  内容は突然狂暴化したトマトが人類を無慈悲に殺害していき、わずかに残った人類との最終決戦に臨むという大げさな内容です。一応植物パニックものという線引きをしていくと、名作SF『トリフィドの日』に繋がる系列ということになるのでしょうが、内容が全く伴っておらず、ヒッチコックの『鳥』に代表されるパニック映画に分類されるのでしょうが、何とも言えません。
画像
 パロディというには面白くないですし、真面目に作ったとも思えません。同じ最低の映画を作るにももうちょっとやり方があったように思えます。  時代は1970年代。シュールな作品だと好意的に判断し、赤いトマトは腐ったソ連のテロリストの暗喩だとこれまた超好意的に考えるとこれは共産主義を馬鹿にするための映画なのかと思わないでもない。
画像
 調子に乗って続編がどんどん製作され、『リターン・オブ・ザ・キラー・トマト』(1988)、『キラートマト/決戦は金曜日』(1990)、『キラー・トマト/赤いトマトソースの伝説』(1991)と続いていきます。見たいとも思わないなあ。  もっともこの映画のラスト・シーンでは狂暴なトマトをなんとかやっつけた主人公カップル(ブス&チビデブ)が夕日に向かって畑を歩いていくのを見届けた“キラー”にんじんが続編を匂わせてくれます。まだ『アタック・オブ・ザ・キラー・キャロット』というタイトルではまだ製作はされていないようです。  総合評価 30点