良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『スタローン…。』みんなロッキーとランボーが大好きだったはずだ…。おバカ映画バカ一代!

 シルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツネッガー、そしてブルース・ウィリスが加われば、ハリウッド三大おバカ映画スターだと誰でも分かるでしょう(笑)  ただしアーノルド・シュワルツェネッガーは彼らのカテゴリーに入れられることを嫌う傾向があり、役者人生もなんだか迷走してきたように思います。  40代を迎えた僕らが今こそ語らなければいけない映画スター、スタローン。そう、今回、取り上げたいのはシルベスター・スタローンです。
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 彼に対してどう思うかを各世代ごとに聞いていけば、50代以上の人たちは『ロッキー』『ランボー』に代表されるスタローンのというよりは映画史に残る作品を思い浮かべるかもしれない。その後に続く『ロッキー2』は感動的でしたし、『ランボー2』の迫力も思い出深い。  ぼくら40代は上記作品の多くの続編を楽しみながら、『コブラ』『オーバー・ザ・トップ』『クリフ・ハンガー』くらいまでは付いていったものの『ジャッジ・ドレッド』『デモリッションマン』で完全に見放したに違いない。  そして最終的には飽き飽きするのを通り越し、たまにCMで彼の姿を見てようやく思い出すほどに存在自体を忘れかけてしまいました。それでも『ロッキー・ザ・ファイナル』での老いぼれていく元チャンプの最後の花道の美学と『ランボー/最後の戦場』でようやく故郷にたどり着くラスト・シーンに込められた思いは感動的であり、物語の閉じ方の出来は素晴らしかった。
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 お金目当てと酷評を受けながらも、紆余曲折があった大ヒットシリーズにきちんとけじめをつけ、自ら引導を渡してくれたスタローンに感謝したい。大好きだった二人のキャラクターを成仏させることに成功したのではないか。  ぼくらより下の世代の映画ファンが持つスタローンのイメージはおそらく下らない筋肉映画を連発するオジサンでしかないだろう。『エクスペンダブルス』くらいまで振り切った映画バカ(バカ映画!?)ぶりを見たら、観客は納得して笑ってしまう。  おバカ路線をひた走るスタローンの姿はかえって潔い。いっそのこと、アジアのおバカ映画(?)スターであるジャッキー・チェンとも共演し、誰にも到達し得ない既視感に満ちたおバカ映画を鳴り物入りで公開し、世界中で笑われる迷作をぼくらスタローン世代にリリースしてほしい。
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 時代に合わずに大コケしても間違いなくカルト映画としてぼくらスタローン世代がニヤニヤしながら、子や孫の世代まで語っていきます。  僕が好きだったスタローン出演作品はどうしても初期に片寄ってしまいますが、『ナイト・ホークス』『デスレース2000』『勝利への脱出』などです。  もうすぐ、というよりはもうすっかりお爺ちゃんではありますが、にガキ大将映画の最後っ屁をかまして、映画館の座席からずり落ちるように引っくり返らせて欲しい。
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 このことはアーノルド・シュワルツネッガーにも言えることで、タイトルに関わらず、彼の最後の台詞は“I'll be back!”しか考えられない。ぼくらは彼の台詞に対して、「戻ってこなくていいよ!」か「冗談はやめてくれ!」の意味で“No way!”と返したい。  ただ、ぼくらの10代のころに映画の楽しみを与えてくれた彼らには“ありがとう!”と言いたい。ヨボヨボになっても、若いボクサーのトレーナー役でミッキーのようにチャンプに育て上げ、勝利を見届けながら人生を終えるスタローンの満足そうな笑顔で終わってくれたら、嬉しくなるでしょう。男の花道を飾って欲しい。おバカ映画バカ一代!燃え尽きてくれ!