良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』(1997)新鮮味は無くなったが、駄作ではない。

 先月は『ジュラシック・ワールド』公開に備えて、三部作『ジュラシック・パーク』『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』『ジュラシック・パーク3』のDVDを三日連続で再チェックしていました。すると気づいたのは三部作をごちゃごちゃに覚えていて、まるで大魔神みたいだなあと自分の記憶のあやふやさに驚きました。  一作目『ジュラシック・パーク』はさすがに衝撃的でしたので、しっかりとお話の展開とヴェロキラプトルの脅威を覚えていたものの第二弾と第三弾は融合していて、ティラノザウルスがアメリカ本土で暴れるところとプテラノドンが襲いかかってくるのは同じ映画だったのかなあなどと勘違いしていました。
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 実際はティラノザウルスが本土上陸するのが『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』でプテラノドンが襲いかかってくるのは『ジュラシック・パーク3』でした。どの回にも登場するヴェロキラプトルの印象が大きすぎるのかもしれません。  『大魔神』も同様で、頭に杭を打たれたまま城主に襲いかかるのが第一弾、モーゼの十戒みたいに海が割れるのが第二弾、そして雪山で鳥に襲われたのが第三弾ですが数年前に見直すまで三つがごちゃごちゃになっていました。
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 では第二弾と第三弾が楽しくなかったのかと言われれば、十分に楽しめたのは事実です。ただ驚きは無くなっていたのも事実です。刺激を求めると、欲望は膨張していきますので際限がない。あと変えられるのは違う人と見に行くか、違う劇場まで足を運ぶかしかない。  第二弾『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク2』はVHSビデオも購入しているので、不満があったわけではないだろう。なにぶん20年以上前なので、なぜこのビデオテープを買ったのかは覚えてはいませんが、嫌いではなかったのでしょう。
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 見直してみるとそう駄作でもないし、公開当時に観に行った人ならば、それほど失望しなかったのではないか。ただ特撮映画として致命的だったのはティラノザウルスは密林では無敵だが、ニューヨークではマンションや一般家庭のプールよりも小さいことでしょう。  1930年代、キングコングエンパイア・ステート・ビルの屋上まで登り、自分の優位性を誇示しましたが、さらなる高みから軍用機による攻撃を受け、地面に叩きつけられる。天まで届くようなバベルの塔を築き、神を超越しようとした人類も神の怒りに触れて、共通語を話していた高度文明は大混乱を来す。
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 しかしながら、ティラノザウルスは高速で歩行するもののそれ以上ではない。お話の展開として、キングコングを愛する世代はオマージュを理解してくれたかもしれないが、若い世代には文明世界とティラノザウルスの邂逅は大した意味を持たなかったのではないか。  『ジュラシック・パーク3』でも翼竜であるプテラノドンを飛ばしてしまうが、これも新たな土地へ向かわせてしまう。彼らはどう考えても、戦闘機とは破壊力が違うので戦闘シーンが成立しない。あくまでも孤島内のみで成立する作品群なので、たぶんこれから続編が製作されていくでしょうが、島からは出ないで物語を進めるべきです。
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総合評価 68点