良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『メイズ・ランナー』(2014)もうすぐ第二弾も公開。そろそろ復習をしておこうww

 今月末から公開される話題作のひとつに大ヒットしたSF映画メイズ・ランナー』の続編の『メイズ・ランナー2』があります。第一作目がヒットしたからこそ第二弾があるわけですが、どうやらこの作品はもともと三部作構成のようですので自動的に第三弾まで付き合わなければいけないのだろう。  さて第一作目のオープニングでは主人公は記憶を失っていて、なんだか訳が分からないうちに貨物用らしい檻のようなエレベーターに載せられて、一気に最上階らしい剥き出しのコンクリートで囲われた高い壁のある広場に連れていかれる。
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 コンクリートの高い壁に囲まれた狭い空間が映画の舞台としては素晴らしい。だだっ広い場所を舞台にするよりも、狭い範囲をフルに利用して人間模様をきっちりと描けていたならば、さらに幅広く多くのファン層を得ていたに違いない。  スピード感はある程度ありますし、暗闇で人間が狩られていく不条理は嫌いではありません。ただ人間味をあまり感じないキャラクターの取り上げ方が致命的に映ります。
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 記憶を失っているならば、ぼくらであればパニック状態に陥ってしまいそうな環境ですが、主人公を含めてあとから送り込まれてくる人たちもすぐに特異な環境に同化していく。これを奇異と受けとるか、順応性が強い人たちだから送り込まれてきたのかと受け取るかでそのあとの見方も変わってくるのかもしれない。  不自由ではあるが、同じ状況が続く日々に安定を求めるか、それとも自由を求めて危機に立ち向かうか、壮大な人体実験のような環境のなか、少しずつ自分たちがそこにいる理由が明かされていく。高い壁の外から大きな筋肉質の怪物が顔を出せば、それはおそらく『進撃の巨人』ですが、もちろんそんなのは出てこない。
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 代わりに少年たちを追いかけ回すのはグリーバーと呼ばれる蜘蛛とサソリを合わせたようなターミネーターでした。途中で唯一の謎の美少女がかれらの狭いコミュニティーに送られてきます。  思春期真っ只中の野郎共のなかに美少女が投げ込まれれば、普通なら彼女をめぐっての奪い合いや集団レイプが発生するはずですが、なぜか少年たちは何もせずに彼女と接する。
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 主人公と仲違いをするリーダー役の個性的な顔立ちの少年(ナルニア物語に出ていた。)は分かりやすすぎるほど対照的に描かれるが魅力はない。  主人公もいたってノーマルすぎるために無機質に映り、感情移入は難しい。低予算のアイデア一発の作品であれば、これでも十分にオッケーですが、ステージをひとつクリアすれば、エンディング後に「はい、次はこれ!」とばかりにネクスト・ステージが用意されてしまうと映画は一気にゲーム鑑賞ほどの価値に下落してしまう。
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 するとすべてのキャラクターがゲームのピースに思えてしまい、単なる駒になってしまう。巨大迷路を抜け出す設定もあまりにも簡単にクリアされるのはご都合主義に見えるし、三年の間、東洋系の少年以外はいったい何をしていたのだろう。  DVDを見ていて、なんかちょっと前に観た気がするなあと感じ、ふと思い出したのは『ピクセル』。つまりこの迷路の実験がパックマン平安京エイリアンに似ているということでした。
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 だから見ていて、激しく登場人物たちが動き回っているのに体温を感じさせず、無機質なゲーム感覚になってしまったのかもしれない。映画の世界観が似ているのは『蠅の王』に近いかもしれません。  今月末から公開だそうで、知り合いの女子大生は観に行くと言っていましたが、わざわざオッチャンが行くようなものではなさそうなので、DVD待ちで良いのかなあ。 総合評価 58点
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