良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『64-ロクヨン-前編・後編』(2016)見応えある前編、おやおやの後編。もったいなさすぎる。

 数日前にTSUTAYAさんに行ってみると、スケジュールが合わなくて観に行けなかった『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』が新作コーナーに並んでいました。邦画としては久しぶりな二部構成でしたので期待していましたが、一抹の不安も感じつつのDVD再生でした。  ちょうど昨日は僕が住んでいる街では奈良マラソンというのをやっていて、大勢の市民ランナーが走っていました。ただ大通りが封鎖されてしまい、一般の通行人としては遠回りしなければいけないのがちょっと面倒で、先を急ぐ人たちはイライラしながら迂回していました。  TSUTAYAさんに行く道も込み合っていて、なかなか目的地にたどり着けませんでした。上記の二本と『インデペンデンス・デイ リサージェンス』『マネー・モンスター』を借りてきました。エメリッヒの続編はご都合主義と中国公開を意識しすぎるために無駄に中国人出演者が多く、かなり鬱陶しい。
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 ただ笑えるのは中国人同士がしゃべっているときに日本語字幕が出ないのはもちろん、英語字幕も出ていない。つまり無駄なシーンだと製作側が認めていることの証でしょう。  また巨大宇宙船に特攻を仕掛けていき、部隊が壊滅するシーンが見所の一つとして演出されているのに後半になると実は全員が生存していて、中から脱出してくるという開いた口が塞がらない最低のストーリー展開が訪れる。なんだこりゃ!?  一方の『マネー・モンスター』はそこそこ楽しめましたので、エメリッヒの酷さが目につきました。そもそも大半の俳優が再度結集しているのに、前作の主役だったウィル・スミスその人が出ていないという致命傷を負っています。
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 まあ、無駄金を浪費したエメリッヒのあとに見た『64-ロクヨン-前編』の出来がかなり良く、予想外にスリリングでした。対立軸が三つあり、県警対警視庁、県警内部の仁義なき戦い、広報部対地元マスコミの争いのすべてに中央対地方が絡んでくるのがクリアに整理されていて、渋滞を起こさずまとめられていて興味深い。  そして最後にやってくる、かつての誘拐事件に瓜二つの模倣犯による誘拐事案の発生。こりゃあ、後編を期待してしまうなあとワクワクして『64-ロクヨン-後編』のDVDを取り出して再生しました。  しかし、「あれ!?あれあれ!?」とどんどん興味は引いていき、冷静になっていきました。もっとハードボイルドにまとめていった方が素晴らしい出来になったのは明らかで、小説版と違う結末になってもそれはそれで良かったのではないか。
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 犯人の肉声を聞いたのは自分だけというだけでかすかな記憶に頼り、昔のタウンページ、つまり電話帳のア行から始めて、マ行の犯人に行きつくまで一軒一軒の電話番号にかけていき、14年以上もかけて電話し続けるというのはよく考えると無意味です。  なぜ犯人は14年も一か所にとどまり、引っ越ししないと断言できるのか。なぜ電話帳に載せない人もいることを考えないのか。あまりにも単純すぎる展開を無理やりに感動ストーリーにしてしまい、これで解決とするのは強引過ぎます。  毎回思うことは映画に感動を無理矢理にぶちこむなということです。せっかく良い俳優をたくさん使っているのに展開がグダグダになっているのはもったいない。 総合評価 58点
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