良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』(2017)最後か?

 ずっと映画館まで観に来ていたので、いまさら今回だけ見に行かないという訳にもいかず、宣伝爆弾大量投下中のジョニー・デップ主演の大人気作品シリーズのパイレーツ最新版のために近くの映画館まで来ています。  前のはどうだったっけかなあと思い出しながら、たしかペネロペが置き去りにされた南海の孤島にジョニー・デップの人形が流されてきたなあなど記憶をたどりました。  しかしながら、ペネロペがまったく出てこず、第4弾のスタッフロール後の乞うご期待エピソードについて全く触れられず、回収されることもなく、何もなかったことにされている。なんだこりゃ!?
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 知り合いの女子大生はあのシリーズって、終わる終わる詐欺ですよねと言っていましたが、今回も『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』という邦題が仰々しく付けられている。  ただ内容を見れば分かりますが、ちっとも完結編などではなく、バルボッサ船長の身内話で終わってしまう。そもそも原題は“Dead Men Tells No Tales”、つまり“死人に口なし”。深読みすると生き残った者は言いたい放題出来るのだとも取れる。  中身としてはゾンビ・シャークがジョニー・デップ御一行に襲い掛かる予告編でお馴染みのシーン、英国軍に捕まり、ギロチン刑に掛けられるところが見どころでしょうか。  銀行の建屋ごと町中を馬車のように練りまわる下りは冗談いっぱいで笑えます。死人の海賊船がイギリス海軍をぶちのめす下りなども印象に残りますが、戦闘シーンや海賊船同士の戦いなどは既視感いっぱいで、まさか今さら『十戒』や『大魔神』でも表現された海割りが出てくるとは思いませんでした。
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 しかもクライマックスとして用意したはずのポセイドンの槍のマクガフィン感が半端ではなく、呆気なく人間さまの剣で簡単に叩き折られるクオリティの低さに特撮ファンならば怒りを覚えるでしょう。  レイ・ハリーハウゼンら先駆者に謝れと言いたいようなショボい展開でした。宿敵バルボッサが愛娘のために命を張るカッコ良さにはグッときますが、それ以上ではない。  今回もスタッフ・ロールのあとに特典映像的な“最後まで付き合ってくれてありがとう”コーナーがあります。中身は息子とジョニー・デップのおかげで呪いが解けたオーランド・ブルーム(父親)と キーラ・ナイトレイ の小ネタですが、デイビー・ジョーンズが出てきちゃっています。
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 はっきり言って不要で、これなら再び無人島で一人で戯れるペネロペの様子を映したほうが爆笑が取れたかもしれません。  まあ、普通に数年後に続編が何事もなかったかのように製作されるでしょうが、実質的な主人公はオーランド・ブルームなので、フラフラとスクリーンを漂うジョニー・デップではない。  世代交代で ブレントン・スウェイツ(ヘンリー・ターナー、つまりオーランドの息子ですね)、カヤ・スコデラーリオ(カリーナ・バルボッサ) が今後の中心になるのでしょう。  元気に生きていれば、ポール・マッカートニーがまたチョイ役(ジャック叔父さん)で出てくるかもしれません。ついでに主題歌(曲ではない。シリーズ初でしょう!)も作っちゃえばと願っております。
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総合評価 58点