良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ゴジラ2000 ミレニアム』(1999)こりゃあ、ひどい…。

 西暦2000年を迎えようとしているとき、1998年のエメリッヒ版に触発されたのか、なぜか復活したのが『ゴジラ2000 ミレニアム』でした。前作とのつながりは全く無いようで、ゴジラはもともと存在していたもののように映画世界に登場してきます。  パラレルワールド設定でしょうか。機能するならば、ファンとしては新しいゴジラを楽しめるので問題ないが、問題になるのは機能不全を起こす場合です。残念ながら、結果は予想通りの機能不全でした。  公開後にスカパーのペイパービューか何かで視聴してから17年くらい経っているのでしかたがないのでしょうが、阿部寛の意味不明の煙草を燻らせながらの「ゴジラ!」の絶叫以外にほとんどのシーンを覚えていなかったことに驚きました。
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 特撮ファンなので基本的には見たモノは結構覚えているのですが、これほど印象に残っていないのも珍しい。まあ、そのあとに続く『ゴジラ対メガギラス』も酷かったのでこれだけという訳ではない。  今回、久しぶりに見直しましたが、とにかく作品に集中できない。低予算なのが分かるような特撮場面の拙さ、間延びした展開と説得力のない脚本、ゴジラに攻撃されているにもかかわらず、まったく危機感がない群衆と登場人物たちに萎えてしまう。  ゴジラの進行方向の前を平然と自家用車で快適に通り続ける村田親子の不思議さ(自衛隊が出動している状況で一般車両が何の妨害もなく進んでいく)や最後の怪獣との対決になると全く何もせずにリング外を囲んでいるプロレス・ファンのような自衛隊と政治家たち。
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 危機管理対策組織が飛ばしたヘリ部隊が円盤の周りに異常なくらい近づきながら旋回しているためにすぐに撃ち落とされるという失態としか思えない危機管理のなさに笑います。民間人の女子供が簡単に重要機密を取り扱う防衛組織の建築物に入れるのも異様に映る。  そして粘土の塊のように不格好な円盤(ルチ将軍の頭が動いているようでした)と彼らエイリアンが送り出してくるゴジラをモデルに造形しているらしいオルガの魅力のなさなどが一体となって押し寄せてぼくらの集中力を奪っていきます。  思い入れがない分、子供のころに見てがっかりしたガバラよりもひどい出来栄えにただただ閉口してしまう約100分間でした。
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総合評価 35点