良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『アリー/スター誕生』(2018)レディ・ガガが『SHALLOW』を熱唱!

 最初にこの映画の予告編を映画館でぼんやりと眺めていたときは誰か出ているのかは気にもとめていませんでした。テレビCMが流れるようになって、ようやく「なんか、レディ・ガガに似てるなあ…」と本人のアップを目にしているにも関わらず、間の抜けた感想を持った程度でした。  先日、『上田慎一郎ショートムービーコレクション』を観に行った帰りにモールの中にある金券ショップへ商品券を買いに立ち寄った際に、ふと『アリー/スター誕生』の前売り券(今ではムビチケと言うらしい…)が目に入ったので、そのまま購入しました。  公開日は12月21日から、つまり本日からの公開でしたが、さすがはぼくが暮らす、関西でも呑気な街で有名な奈良では観客はまばらで、ゆったりとした環境での上映となっています。  レディ・ガガという人に対しては日本のファンは特別な感情を抱いており、東日本大震災の際の彼女の行動や励ましを誰も忘れることはないでしょうし、彼女のニュースが流れれば、とりあえず見てしまいます。
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 最近、大ヒットしている『ボヘミアン・ラプソディ』のクイーンも日本で人気が先行してから、外国でも認められるという異例なバンドでしたが、相思相愛の関係というのは良いものです。  レディ・ガガの最近の活動をくわしくは知りませんが、映画ファンとして出来ることは作品に足を運んで興行に貢献すること、見た感想をアップして、少しでも話題にしていくという底辺のサポートくらいです。  音楽性はレディ・ガガ自身とブラッドリー・クーパーが歌っていますので、気合いの入り方が違いますし、『シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた』『ラ・ヴィ・アン・ローズ』『ミュージック・トゥ・マイ・アイズ』『オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ ~2人を忘れない』『アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン』でのガガの熱唱、そしてブラッドリー・クーパーのギターがカッコイイ『ブラック・アイズ』など楽曲のクオリティもかなり高い。  CMでもよく掛かっている『シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた』は前半のクライマックスですが、その他のナンバーも出来が良く、聴きごたえがあります。
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 ラップなどのイケてる音楽について行けない僕ら世代には劇中で流れるスローバラードやミディアムテンポの楽曲の方が聴きやすく、心地良い。  お話の内容はよくあるサクセスストーリー、つまり安全パイの展開と思いきやラストではブラッドリーが自殺した後の追悼コンサートで彼の妻役のガガが最後の共作の歌を唄うシーンで幕を閉じます。つまり、ビターなラストの作り方なので、説得力が増してきます。  元ネタは1932年公開の『栄光のハリウッド』ですが、クラシック・ファンにはおなじみなのは1937年公開のジャネット・ゲイナー主演の『スタア誕生』とジュディ・ガーランドの1954年版でしょう。1976年にもバーブラ・ストライサンドで製作されています。  これを現代風にアレンジして製作されたのが本作なので、古典的なリメイクです。今回初めて“スタア”から“スター”に変わっています。昔見た“スタア”(にしきのあきらみたいだ!)との違いは入水自殺するか、首吊り自殺するかでした。
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 二人の関係性の変化と逆転が見どころの一つで、当初は場末で歌っていたガガを拾ったブラッドリーが彼女にスポットライトを当てて、デビューさせるころまでは彼の方がパワーを持っています。クラシックのやつは女優志願でしたが、今回のガガ版では音楽映画に変わっています。  しかし、ガガが成功を重ねて行くうちにブラッドリー自身の才能はピークアウトし、難聴とアルコール依存症、そしてコカイン吸引などの薬物使用による体調不良やグラミー授賞式での失態も重なり、落ちぶれて行きます。  ガガにスポットが当たっていますが、ブラッドリーの年齢の離れた兄弟役で出ているサム・エリオットが渋くて良い味を出しています。脇役が良いと作品は締まりますし、ドラァグ・クイーンがショーを行っている飲み屋で彼らと仲良くやっているガガの立ち位置はとても自然でした。  こういった演出はイマドキ風ですが、何から何まで古い演出にこだわる必要性もないので、現代の観客にはむしろ見やすく仕上がっています。
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 甘ったるいエンディングではないので、大人のカップルや奥さん同伴とかでも見終わってから、グチャグチャ言われない内容に仕上がっています。才能を見出してくれたかつての大スターへの愛を貫くガガは美しく、ヘアヌードも辞さない体当たり演技が光ります。よくPG12で通ったものです。  劇場公開版は通常版と音響が強化されたIMAX版があるようです。先日観に行った『ボヘミアン・ラプソディ』はIMAX版で爆音を満喫しましたが、今回は時間が合わなかったので、通常版を楽しみました。  両方ともアカデミー賞候補のようなのがとてももったいないですが、上手く賞を分けて行けば、どちらの顔も立つでしょう。そもそも賞を取るかどうかはDVDやブルーレイなどの販売やレンタルにある程度は影響が出るでしょうが、どちらもLGBTに触れているのは現代風です。  カップルや奥さん連れに囲まれていますが、なんでボクはこのラブストーリー&音楽映画を一人で観たのだろうか。まあ、良い出来だったので良しとしましょう。ロビーで見つけたポスターに写っていたのはシルベスター・スタローンでした。来年の第一発目は『クリード 炎の宿敵』かなあ。  総合評価 78点
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