『最後のブルース・リー/ドラゴンへの道』(1972)お~ま~え~は たんろんかあ~?
武漢ウイルスの全国的蔓延のため、土日も遊びに行けないどころか、全国的に活動自体を自粛していく局面に入っています。都会に遊びに行けないなら、その代わりに近所の商業施設やスーパーにレジャーとして行っても良いわけではありません。
密集、密閉、密接の三密になりやすい映画館にもしばらく通っていませんし、近所の映画館も全館休業しています。持病のあるぼくは通院で病院に行きますが、今回は熱はないものの、しばらく咳が止まらない症状が出ていたので、念のためにCTスキャンを受け、結果としては炎症反応を示す指標も問題なく、アレルギー症状による咳との診断でした。
万全を期すために、会社と相談した結果、一週間ほど自宅療養となり、ようやく今週から仕事復帰になりました。今回の発生及び感染源である独裁国家中国が春節の民族大移動で無責任に世界へばら撒いた災厄により、自国民でおそらく数十万人(どうせ最後まで隠蔽し、正確な数値も原因も明らかにしないでしょうが、骨壷やら遺体を入れる袋やら、携帯電話の解約などからボロが出る!)、その他の世界でもイタリア、スペイン、アメリカで数万人の犠牲者を出しています。
今回の教訓としてはどこの国に関わらず、生産拠点は分散しなければいけない、少なくとも民主主義の枠組みに入っていない国は生産拠点に使わないこと、移民なんてもっての外、国連はすでに役割を終えたこと、投資しても自社工場を接収するような非資本主義国家の正体を晒している現状、求められるリーダーの資質が平時と有事下では違うこと、自粛要請よりも強制力を持つ命令が不可欠であることなどが広く共有されるでしょう。
平和ボケした日本ですが、今は実質的な戦時中の戒厳令下だと心得、無駄な外出は控えたい。もっとも社会インフラに関わる業種の場合、休みたくても休めない業種があるので、ロックダウンしても2割の人は出勤せざるを得ないのも難しいところではあります。
もともと映画、レコード鑑賞、読書、ウォーキング、スポーツ観戦が趣味のぼくは現状、スポーツ観戦以外は毎日のように行えるのでダメージは少ない。お昼はまだ近所のレストランでもランチをやっていますし、営業も夜8時とか9時まで頑張っています。
ぼくはアレルギー症状で今週いっぱいまでは自宅で過ごしていましたが、通院以外はせいぜい散歩で近所の川っぺりの葉桜を眺める程度です。そんな感じなので、楽しみは本を読むか、録りためたDVDを見るか、60年代から70年代のレコードを聴きこむくらいしかやることはない。
昨日はボブ・マーリー『レジェンド』『カヤ』などを聴いたあとにブルース・リー作品『燃えよドラゴン』『ドラゴンへの道』などをボケっと眺めていました。最初にブルース・リー映画を見たのは小学生低学年だったと記憶しています。
カンフーと言えば、ブルース・リーの怪鳥音とヌンチャクだったのがコミカルな蛇拳や酔拳の動きに変わるのは数年後の話です。今回、記事にしたのはローマのコロシアムを舞台にブルース・リー対チャック・ノリスのメイン・イベントに持ってきた『最後のブルース・リー ドラゴンへの道』です。
子供のころに見た時は違和感なく楽しんでいましたが、大人になって見た時には「ありゃ?こりゃあチャチなセットだったんだなあ…」と少々ガッカリとしました。それでも脳裏に焼き付く名シーンの一つであることは間違いない。
主演・監督・脚本をブルース・リーが一手に引き受け、製作はレイモンド・チョウが矢面に立つのがこの作品です。仕上がりとしては前半から中盤に掛けてまではコメディ色が強く、そこそこは楽しめます。合間合間に本来の彼が見せたいカンフー・アクションが突っ込まれてきます。
もちろんボクらボンクラ中年が見たいのはそっちなので、脚本や編集の粗さには堅いことは言わない、敢えて見ないという姿勢を徹底していかねばなりません。ジャッキー・チェンが現れるまでのカンフー映画は殺伐としていて、その代表スターがブルース・リーだった訳です。
僕らより五歳以上上の世代はジャッキー・チェンを馬鹿にしがちで、ブルース・リーを神格化する傾向があります。UWF的なブルース・リーとタイガーマスクみたいな空中殺法メインのジャッキー・チェン。どちらも楽しめばいいのにと思ってはいたものの、カンフー映画の売れ筋はジャッキー・チェンが圧勝し、真面目なプロレス・ファンはU系から総合格闘技に突き進んで行きます。
話を戻すと、格闘技の危険さを真面目に伝えたのがブルース・リーだったのでしょう。何気にトドメに金玉潰しや金的蹴りを多用するダーティな終わり方を迎えるブルース・リーを今の目で見るとリアルな印象を受けます。
実戦でハイキックなどを放つのはかなりリスクが高く、蹴るならば、間合いを詰められないための防御としてのローキックか、決め技としての関節蹴りが主体になりそうです。実際、ノリス戦ではハイキックも使いますが、決め技として放つのは関節蹴りで、一撃で仕留めた後は気迫のみでなお立ちふさがるノリスに不本意ながら止めを刺す。関節蹴りはかなりダメージを与えていて、ノリスは痛そうですし、一般人が使うことはないでしょう。
ヌンチャク遊びをしても、プラスチック製ならともかく、木製ヌンチャクで遊んでいて、頭に当たる痛さはとんでもないので、良い子のみんなは真似しないでねと言うのが今も昔も正しい。ついでにノラ・ミャオは今も昔も可愛らしいので、見ておきましょう。
この映画の見どころはカンフーアクションなのは当然ですが、今でも覚えているセリフは刺客が放つ「お〜ま〜え〜はぁ タンロンかぁ〜」という変な日本語です。いつ見ても横山ホットブラザースの「お〜ま〜え〜はぁ あほか〜」を思い出します。
総合評価 70点