良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『アビイ・ロード』ここぞで掛けるのはいつもこの一枚。

 高校入学の祝いでアンプ、レコード・プレーヤー、スピーカー、カートリッジを買ってもらってから、40年近くが経ちます。時代はまだ昭和でしたので、その後の平成、令和と元号が三つ目になるので、長生きするとあと二つくらい行けそうです。

 

 中学まで使っていたのは知り合いの喫茶店で使っていた一体型の家庭用オーディオをもらったもので、一台にカセットデッキ、チューナー、レコード・プレーヤーがギュギュっと搭載されていて、それにスピーカーをつなげるというかなり力技の機器でした。

 

 当時読んでいた週刊FMやオーディオ雑誌ではちょこちょこ予算別で厳選したオーディオ機器買い換え企画が不定期で載っていて、ぼくら貧乏な学生にとってはおとぎ話のような夢の雑誌でした。

 

 お金持ちの友人にはたんなるカタログとしてしか見られていませんでしたが、ぼくらには夢の雑誌だったのは間違いなく、貧乏な友達同士でこれとあれを組み合わせたら、良い音がしそうだねと話していました。

 

 そんな折、ぼくも友人も高校受験に受かったら、欲しいステレオ(大昔の表現。親にも分かるような言い方です)を買ってほしいという必死の訴えをしていて、根負けした親も認めざるを得ず、受験にも受かった僕らは晴れて、ステレオ持ちになりました。

 

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 総額で25万円くらいしたので、かなりの出費だったとは思いますが、高度経済成長が続いていたので、大丈夫だったのでしょう。

 

 入学してから一週間後くらいに学校から戻ってみると、親がにやにやしながら「部屋に行ってみな!」と言ってきたので、部屋に入るとすでに電気屋さんにより、しっかりとセッティングされたオーディオ機器がついでに買ってくれたらしいラックにピシッと並んでいました。

 

 はじめて親に心からありがとうと言いに行き、すぐにどれを聴こうか迷い、10分くらいが経過しました。そして選んだのはビートルズの『アビイ・ロード』でした。

 

 そのころには『リヴォルヴァー』『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』『ラバーソウル』『ビートルズ・フォー・セール』『ウィズ・ザ・ビートルズ』『マジカル・ミステリー・ツアー』『レット・イット・ビー』『ザ・ビートルズ』『オールディーズ』はすでに持っていました。

 

 その中でどれを最初に聴こうかとウキウキしながら迷った挙句、ついに決定したのが『アビイ・ロード』(東芝EMIのEAS盤)だったのです。

 

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 ゆっくりと針を下ろし、A面一曲目の『カム・トゥゲザー』が鳴りだしたときにはかなり興奮したのを覚えています。ジョンの「shoot me!」とハンド・クラップにはウキウキしました。

 

 このセットには大学卒業までなので7年くらいお世話になり、実家に置いていましたが、色々と事情があり、新世紀を迎えるころには処分されていました。

 

 次にレコード・プレーヤーを買ったのは2006年くらいで、そのころ持っていた映画観賞用のAVシステムにPHONO端子があったのを思い出し、久しぶりにレコードを聴きたくなったこともあり、オデオンシングル『プリーズ・プリーズ・ミー』とともに『アビイ・ロード』の東芝音工盤を落札しました。

 

 昔のインディーズやロック関連のアルバムも何枚かありましたが、僕にとってのプレーヤーの「こけらおとし」は『アビイ・ロード』なので、わざわざこれを取り寄せました。15年ぶりくらいにアナログで流す『アビイ・ロード』は格別で、他のレコードとは違う意味があります。

 

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 このプレーヤーは今も自宅でクリーニング再生やシングル盤再生に活躍していますが、ここ数年のB-SELSさん通いでいよいよモノラル・カートリッジが欲しくなったタイミングで、DENONのシェル交換が出来るタイプのプレーヤーを購入しました。

 

 今回のこけら落としも当然、マイ・ルールの慣例に従い、『アビイ・ロード』を掛けることにしましたが、今回は手持ち4枚(EU盤、EASの東芝EMI盤、東芝音工盤、赤盤)の中から、もちろんの赤盤を選び、初回再生を行いました。

 

 ちなみに今回はシングル盤は赤盤『アクト・ナチュラリー/イエスタデイ』で行っています。前回はYMOライディーン』でした。

 

 問題は次回のレコード・プレーヤーを買い換えた時の対応です。おそらく10年後くらいになるでしょうが、そのときには上記4枚に加えて、東芝プロ・ユース盤、イギリス・オリジナル・ステレオ盤、ブラジル・モノラル盤なども候補に入って来る状況での選択になりそうなので、今から楽しみではあります。