良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

『ウルトラマン対仮面ライダー』(1993)歴史的な邂逅!?二大ヒーローの共演。

 日本の特撮ヒーローは昭和から平成を経て、星の数ほどいましたが、そのなかでも別格と言えるのがウルトラマン仮面ライダーであることを否定する者はいません。この『ウルトラマン仮面ライダー』は厳密に言うと劇場用のいわゆる映画ではありません。  ただしこの作品が持つ、歴史的な意味は小さくはありませんので、今回はこれを取り上げてみます。このVHSビデオのフォーマットに収録されているのはウルトラマン仮面ライダー・シリーズのお馴染みの名シーンばかりですが、このビデオにはモロボシダン(森次晃嗣)やV3(宮内洋)のインタビューが収められていて、興味深く見ていました。  その他にも生前の石ノ森章太郎と円谷皐とのトップ会談の模様を見ることが出来て、その席上で両プロダクションのコラボレーションの約束が取り交わされる。当時、円谷プロの経営状況は思わしくなく、少しでも金になる話には飛びつかざるを得なかった円谷プロにとっては渡りに船だったであろう。
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 それこそが今回、新しく製作された、一本の短編でした。収録時間でいうと、ほんの10分間でしかありませんが、ウルトラマン仮面ライダーが初めて共演して悪と戦い、しかも仮面ライダーが巨大化しました。それだけでも見る価値は十分です。  巨大化するシーンではウルトラマンのように、片手を突き出しているポーズで前に迫り出してくる感じで、ファンには馴染み深い、巨大化する変身方法でした。正義の味方が巨大化するのに対して、悪の怪獣と怪人はさらに難しい合体というか融合します。  大きさが同じで融合するのであればドラゴンボールのピッコロ大魔王がいましたし、同じ大きさならば、勇者ライディーンのシャーキン後の敵方メカは合体していました。それが今回は大きさがまるで違う者たちが一つになってしまうのがあまりにもご都合主義的でしたが、準備期間やコラボするという意義の前では思考停止したほうが楽しめる。
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 残念ながら、再発売及び放送はしないという両プロダクションの申し入れ通り、この作品はDVD化されることもなく、現在はレンタル屋さんを丹念に回るか、ヤフオクやアマゾンで見つけるしかありません。ただ商品の性質上、需要と供給のバランスが崩れると一気に高騰し、最高値で15000円以上するものも見かけました。  先ほども書きましたように、ウルトラマン仮面ライダーの共演はわずか10分程度でしかない訳で、これを見るためだけに一万円以上を払うというのは如何なものであろうか。マニアのニーズに応えるには出回る数が少なすぎるのでしょう。作品の質もやっつけ仕事の感が否めない。
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 ただ両者を小さいときから観ていた者にとっては共演という事実だけでも嬉しく、というか微笑ましいのです。 総合評価 55点