良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

映画(マ行)

『モスラ対ゴジラ』(1964)♪マハラ~ マハラ モスラ~♪ゴジラが悪役だった最後の映画。

本多猪四郎監督、田中友幸製作、伊福部昭音楽、円谷英二特撮に加え、関沢新一脚本、主演に宝田明、助演にザ・ピーナッツというゴジラ映画としては平田昭彦を除くほぼベスト・メンバーが出揃った作品となったのが、この『モスラ対ゴジラ』です。 基本的にゴジ…

『モスラ』(1961)綺麗なモスラと薄汚い人間たち。『モスラの歌』は古関裕而作曲だった。

モスラというと、あのヴィジュアル性がもちろん強く印象に残るキャラクターです。そして、さらにこのモンスターを怪獣映画のベビー・フェイスとして不動の位置に押し上げたのが、ザ・ピーナッツが演じた小美人と彼女らが歌う『モスラの歌』でした。 ♪モスラ…

『M:Ⅰ:Ⅲ』(2006)スパイ大作戦のパート3!マクガフィンが登場するのが嬉しい!

公開前の大掛かりなプロモーションも記憶に新しい、J・J・エイブラムス監督、トム・クルーズ主演による大ヒットシリーズ『ミッション・インポッシブル』の第三作目に当たるのが、この 『M:i-3』ということになります。 前二作をまったく知らなくとも…

『マルタの鷹』(1941)ボギーの魅力が画面を覆いつくす。ダンディー!カッコイイ!ヒロインは?

ジョン・ヒューストン監督はまだ名声を得ていなかった駆け出しの時期に、素晴らしい俳優達に囲まれて、この作品の映画製作に携わる事になりました。『マルタの鷹』は主演にハンフリー・ボガートを迎え、脇にもシドニー・グリーンストリート、ピーター・ロー…

『マジカル・ミステリー・ツアー』(1967)ビートルズが自分よがりに作ってしまったクズ映画。

ポップ音楽史上、もっとも意義のあるアルバムだった『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が大成功を収め、意気軒昂だったビートルズの陰で、一人のスタッフが亡くなりなした。彼の名前はブライアン・エプスタインで、長年ビートル…

『模倣犯』(2002) 自分の意見を持つ者は異端か?世間体など気にせずに、冷静に見ましょう。

映画を評価する時、もっとも一般的なやり方として、ストーリーが「面白かった」、「つまんなかった」で済ましてしまい、「何故、面白かったのか」、もしくは「何故つまらなかったのか」ということまで、突き詰めて語られている事はあまり無いようです。それ…

『未知との遭遇』(1977)スピルバーグは素晴らしい監督なのです。もっと、こんなの作ってよ。

1977年に公開され、全世界で、超のつくほど大ヒットしたSF作品が、この『未知との遭遇』です。監督は『激突』(1971)、『ジョーズ』(1975)と素晴らしい企画をもとに、映画監督として確実にステップ・アップしてきたスティーブン・スピルバ…

『宮本武蔵』(1944)溝口健二監督、絶不調時代の作品。ひどい出来栄えです。

1944年製作で、中途半端な国策映画の臭いがする、ほとんど溝口健二監督らしさの見えない作品です。なんのために、わざわざこのような無意味な作品が作られたのか、理解できません。孤高の剣聖と呼ばれた宮本武蔵の生き様を、勇壮に描くわけでもなく、か…

『見知らぬ乗客』(1951)ストーカー映画の原点とも言える、ヒッチ先生の絶頂期に作られた代表作です。

1951年製作、レイモンド・チャンドラー脚本による、アルフレッド・ヒッチコック監督の絶頂期に作られた傑作のひとつであるとともに、ストーカーを扱った映画の原点ともいえる作品でもあります。当時は、サイコ・キラーの一形態として珍しいタイプの犯人…

『民族の祭典』(1938) ヒトラーにより、政治的かつ劇的に利用された、最初のオリンピック。

ドイツの生んだ鬼才であり、女性監督のレニ・リーフェンシュタール監督による、1936年のベルリン・オリンピックの記録映画であり、ナチス・ドイツによって最大限に利用されたプロパガンダでもある。だが、この作品にはただの宣伝映画にはないものが多く…

『真昼の決闘』(1952) 西部劇の名作であるだけではなく、むしろ人間ドラマの傑作。

フレッド・ジンネマン監督、1952年制作作品。オープニング・シークエンスでの、悪党達の集合シーンの不穏さ、それと好対照となる保安官(ゲーリー・クーパー)と妻(グレース・ケリー)の結婚シーン。 対照的なこのシーンが、後に保安官が味わう孤独の8…

『メキシコ万歳』(1931&1979) 未完に終わったメキシコの歴史絵巻。彼の本質は不滅です。

元々は1931年に制作され、公開されるはずであったものの、ついに制作中止に追い込まれたエイゼンシュテイン監督の作品。『ベージン草原』も同じような運命を辿りました。ハリウッドに招かれて映画制作をするはずだったのが、アメリカ側と揉めた為に仕方…

『水の中のナイフ』(1962) 鬼才ロマン・ポランスキー監督のポーランド時代の傑作。ネタバレあり。

ポーランド時代の1962年製作のロマン・ポランスキー監督、初期の傑作として評価の高い作品です。倦怠期に入った休暇中の大使夫妻と偶然出会ったヒッチハイカーの三人のみで、一本の長編映画を作ってしまった、というたいそうシンプルな作品でもあります。 倦…