良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

映画(マ行)

『マッド・マックス/サンダー・ドーム』(1985)三作目までは来たものの…。

マッド・マックスのシリーズは第四弾まで用意されているとずいぶん前から聞かされていたものの、実際に公開されたのは1985年の第三弾『マッド・マックス/サンダー・ドーム』までです。 当時、高校生だったぼくはすぐに映画館まで観に行きました。すでに30年…

『マッド・マックス2』(1981)シリーズ最高傑作!大空を翔けるジャイロ・キャプテンが最高!

前作『マッド・マックス』から2年後の1981年に公開されたのが『マッド・マックス2』です。ぼくがこの映画を見たのは1984年にテレビ放送された時で、マックスの声を柴田恭平、ジャイロ・キャプテンの声をジョニー大倉が務める悪名高いチンピラ・バージョンで…

『マッド・マックス』(1979)最初に見た時に受けた衝撃は今も覚えています。

かなり昔の話になりますが、小学生の頃、夜のテレビで映画を見ていたら、暴走族と警察官が殺し合いをする作品を夜9時ごろに普通に放送していました。 その日の夕方に友達と遊んでいたときにちょっとマセガキだった彼は「今日の映画はスゴいらしい。なんでも…

『モンスター・パニック 怪奇作戦』(1970)胡散臭さがプンプン匂うSFホラー。

“モンスター・パニック”というタイトルの映画を近所のTSUTAYAで探していると、せいぜい見つかるのは半魚人が白人の若いオネエチャンをレイプしまくる80年代の俗悪作品にしか辿り着きませんでした。これも昔は大らかにアナログ地上波で夜9時台に放送されてい…

『真夏の方程式』(2013)ドラマが終わったタイミングで公開!なんと商売上手なフジテレビ!

問題点は4つ。ドラマ同様に新ヒロインであるはずの吉高由里子の出番が少なすぎる。また年端も行かない子供に殺人犯罪の片棒を担がせるのは身内の大人としてどうなのか。ガリレオなのに物理学的なアプローチや見所がない。そしてタイトルは方程式だが、それ…

『ムーミン』(1972)岸田今日子の懐かしい声はもう聞けない。

今を遡ること数十年、子供のころに大好きだったアニメを懐かしさからもう一度見たくなり、色々と探してみてもお目当ての作品にたどり着くのは実は難しいことが多い。 ねえムーミン こっち向いて 恥ずかしがらないで もじもじしないで おねんねネ あらまあ ど…

『眼には眼を』(1957)アンドレ・カイヤットの最高傑作と呼ぶに相応しい奥深さ。意味を三日は考える…

『眼には眼を』『洪水の前』『愛の地獄』『火の接吻』『裁きは終りぬ』などで知られるアンドレ・カイヤット監督作品から受ける印象はなんとも言いようのない重苦しさと数日間に渡って続く自問自答です。 普通そういう風には思わないのですが、彼の作品を見て…

『マドモアゼル』(1966)ジャンヌ・モロー主演、ジャン・ジュネ脚本のエロティック・スリラー。

一本の映画DVDを発売日前に注文したつもりになっていましたが、Amazonのカートを確定させていなかったことに先週になって、ようやく気付きました。 あらためて注文をしたところ、ようやく昨日になって、前から見たかったジャンヌ・モロー主演、ジャン・ジュ…

『四人の復讐』(1938)ジョン・フォード監督の撮った異色の現代劇。

WOWOWシネマの深夜帯をぼんやり見ていると、一本のモノクロ映画が始まりました。タイトルは『四人の復讐』とあります。内容は軍の機密を知って、謀略にはまって汚名を着せられて不名誉除隊させられた高潔な軍人が帰宅後に殺害され、残された四人の息子たちが…

『ミミズバーガー』(1975)悪趣味極まりないクソ映画!でもレンタルはずっと貸し出し中だった(笑)

レンタルビデオ最盛期だった80年代後半、ホラー映画コーナーに行くと必ず隅っこの方に置かれていたのが『ギニーピッグ 悪魔の実験』と『ミミズバーガー』でした。 前者のシリーズは宮崎事件の影響で未だに国内では正式に販売されていませんし、後者の『ミミ…

『マイク・ザ・ウィザード』(1988)これを見て、楽しくなけりゃ映画ファンじゃない?

部屋の整理をしようとして、押入れ奥のビデオの段ボールを引っ張り出してきました。ふいにある作品を見たくなり、ガサガサと箱の中を探していたのですが、この作品のビデオテープを発見したので、数年振りに一本のビデオを見直しました。 20年物のVHSテープ…

『未知との遭遇』(1977)昔見た時はSF大作、今日見たら、中盤はまるで異常者の映画…。

今年の元旦、映画の見初めに選んだのは『未知との遭遇』でした。この映画を最初に見たのは小学校の高学年だったと思います。ただ公開当時のもっと小さいころからすでにこの映画の存在は知っていましたので、そうとう一般の大人たちの認知度は高かったに違い…

『マネー・ボール』(2011)アスレチックスの快進撃を支えたGMビリー・ビーンを描いた実話作品。

その昔、ブラッド・ピットが『セブン』『12モンキーズ』に出演していた頃、一緒に見に行った友人は「ブラッド・ピットの映画って、カッコいいけど意味が分かんないの…。」とよくこぼしていました。 たしかにその後に出演していた『ファイト・クラブ』も単純…

『マンディンゴ』(1975)アメリカのタブー“奴隷牧場”を暴いた問題作!『ルーツ』の裏側を知れ!

60年代後半から70年代中盤にかけてのアメリカ映画界で、『トラ・トラ・トラ!』で知られるリチャード・フライシャー監督が撮った問題作はふたつほどあり、一本はつい先日、記事にした『絞殺魔』であり、もうひとつが1975年公開の『マンディンゴ』です。 ハ…

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2011)

来週木曜日の6月9日にはファンによる毎年恒例の人気投票である選抜総選挙の結果開票が行われるわけですが、別にこれの結果によりメンバーの一年間の立ち位置が変わるわけではない。 あくまでもグループ22枚目のシングル曲のメンバーが歌う立ち位置が決まるだ…

『Mishima:A Life in Four Chapters』(1985)封印作品だが…。

わが国では未公開だった今作品でしたが、海外での公開年度が1985年ということもあり、邦画ファンにとって今となっては鬼籍に入った方やテレビで見かけなくなった懐かしい人々も多いので、まずは出演していた俳優陣の豪華さから見ていきたい。 緒形拳(三島由…

『未来少年コナン』(1979)超自然児コナンの冒険譚!魅力的なキャラクターが躍動!

現在の視聴者のようにアニメ作品の裏方である製作者たちや声優たちの名前を意識することなく、ぼくには子供の頃に純粋にひとつのテレビ・アニメとして毎週楽しく見ていた番組が三つありました。 タイトルは『ルパン三世』『アルプスの少女ハイジ』、そして『…

『燃えよデブゴン』(1978)ここまで動けるとは!最初に見たときは衝撃的でした!?

ここ数年、というか10年以上、ほとんど見かけることもなくなっていたかつてのスターであるサモ・ハン・キン・ポーを特保飲料のウーロン茶のCMで見たときはかなり懐かしく思い、また白髪に白いものが混じっている様子を寂しくも思いました。 日本では活躍して…

『MW-ムウ-』(2009)手塚治虫の生誕記念映画にしては残念な結果でした。100周年に期待だ!

『MW-ムウ-』は日本が世界に誇る漫画界の巨人、手塚治虫の生誕八十周年記念映画として製作された作品です。『ブラック・ジャック』『鉄腕アトム』『ジャングル大帝レオ』『リボンの騎士』など多くの傑作を持つ彼の作品の中から、なぜこれが選ばれたのかは不…

『めぐり逢えたら』(1993)最近ラブコメをたくさん観ています。まあ、いいかあ…。

ミュージカル以外にはあまり食わず嫌いもなく、どんなジャンルの映画も見続けておりましたが、最近仲良くなった女性がめちゃくちゃラブコメが好きで、その手の映画の話で盛り上がっています。彼女は20代前半ですので、1990年代後半以降の映画を観てい…

『ミステリアス・ピカソ』(1956)芸術家のタッチを堪能できる実験作品。素晴らしい!

今回採り上げた『ミステリアス・ピカソ』は単なる芸術家の絵画制作過程を追ったドキュメンタリーではない。何しろスタッフが群を抜いている。監督としてこの作品を仕切ったのは『情婦マノン』『恐怖の報酬』などの秀作を持つアンリ=ジョルジュ・クルーゾー…

『メトロポリス』(1984)サイレントの名作に80年代ポップナンバーを結びつけると…。

総合評価72点 現在は入手不可能になっている『メトロポリス』(1984)サウンド版はIVSのサイレント版では収録されていなかったオリンピック・シーンなどが挿入されていたり、ヨシワラ・クラブのスチールなどを挿入するなどしていて、元のイメージに…

『メトロポリス』(1926)<第二部>デカダンス、混迷、不信…。ドイツの世相が凝縮されている。

このSF映画の傑作『メトロポリス』で、もっとも重要な俳優である主演女優、ブリギッテ・ヘルムが一人二役で表現したのは対照的なマリアとアンドロイドではある。ヴィジュアルとしては二つの役は別物ではあるが、暗喩としては『ジギル博士とハイド氏』のよ…

『メトロポリス』(1926)<第1部> SF映画の金字塔にして、映画芸術の真価が分かる傑作。

総合評価 98点 メトロポリスという言葉の響き自体がすでになんとも興味をそそるではありませんか。しかもフリッツ・ラング監督によって、この作品が製作されたのは1926年ですから、いまから80年以上前の作品ということになります。 では、そんなもの…

『ミッドナイトイーグル』(2007)スケールは大きいが、設定がスカスカでご都合主義なのが…。

総合評価 62点 現在公開中で松竹のお正月大作映画として成島出が監督を務めた『ミッドナイトイーグル』についての賛否両論はかなり多く、どちらかといえば否定する意見が多いように思います。 主な不満点は以下の通りであろう。まず台詞では、明らかに誰で…

『殯(もがり)の森』(2007)河瀬監督自身、二度目のカンヌ映画祭受賞作品。

河瀬直美監督がカンヌ映画祭グランプリを受賞した『殯(もがり)の森』は冷静にストーリーのみを追っていくと、恐ろしいほどに単純な映画であると言わざるをえない。 <以下ネタバレバレなので、観に行く予定のある方は要注意です。> 冒頭に土葬される風習…

『萌の朱雀』(1997)河瀬直美監督が最初にヨーロッパで認められた美しい作品。

『萌の朱雀』は奈良県出身の河瀬直美監督がその名をはじめてヨーロッパ及び日本(なぜか日本では海外で評価されるまではまったく一般に評価されない。)に知らしめた記念すべき作品である。 『殯(もがり)の森』がカンヌ映画祭でグランプリを獲得したため、…

『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(2006)映画シリーズ10作目の顔見世興行。

『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(2006) 青山剛昌原作の大ヒット・コミックスと毎週放映されているアニメ番組、さらに定期的に発表される劇場版の最新作です。 作品の出来栄え自体は悪くないのですが、いい加減マンネリ気味で、コナン君や怪盗キッド…

『マタンゴ』(1963)男女七人キノコ物語。ゾンビ映画やモラル的な寓話としても鑑賞可能。

人間性とは何か?自然に適応するとはどういうことか?生存するために必要な行為である「食」を制限された時に、人間たちはいかなる行動を取るのか。理性が勝つのか、生命体としての欲望が勝つのか、野性とは何なのか。 置かれた住環境に合理的に適応して行く…

『ミイラ再生』(1932)ボリス・カーロフの演技が光るラブロマンス・ホラー。

何年か前に製作されてヒットした『ハムナプトラ』はこの作品のリメイク作品であるが、特殊撮影に頼りきりだった『ハムナプトラ』とは違い、この『ミイラ再生』はドラマ部分に重きが置かれている。そのため派手な立ち回りや特撮シーンを期待する人には満足で…