良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2013-01-01から1年間の記事一覧

『真夏の方程式』(2013)ドラマが終わったタイミングで公開!なんと商売上手なフジテレビ!

問題点は4つ。ドラマ同様に新ヒロインであるはずの吉高由里子の出番が少なすぎる。また年端も行かない子供に殺人犯罪の片棒を担がせるのは身内の大人としてどうなのか。ガリレオなのに物理学的なアプローチや見所がない。そしてタイトルは方程式だが、それ…

『コロニー』(2009)ミツバチはどこへ行った?国家とメジャーを巻き込む騒動の行方は?

ふだんの食卓や台所でよく使う甘味料といえば、普通は白砂糖を思い出すでしょう。喫茶店でも一般家庭でもコーヒーや紅茶に入れるのは砂糖が定番のようです。 しかしながら、ぼくは昔から蜂蜜が大好きで、コーヒーや紅茶に入れるのはあの黄金色のドロドロの液…

『ムーミン』(1972)岸田今日子の懐かしい声はもう聞けない。

今を遡ること数十年、子供のころに大好きだったアニメを懐かしさからもう一度見たくなり、色々と探してみてもお目当ての作品にたどり着くのは実は難しいことが多い。 ねえムーミン こっち向いて 恥ずかしがらないで もじもじしないで おねんねネ あらまあ ど…

『藁の楯』(2013)クズを守るために犠牲となるSPたち。私刑は駄目だが死刑はオッケー?

知人女性がやっているリラクゼーションのお店で大半の時間をおしゃべりしながら(というかひたすら彼女の話を聞き続けています…。)、身体中がめちゃめちゃ痛くなるリンパ・マッサージの全身コースを定期的に受けています。 施術中はかなり痛いのですが、終わ…

『ベスト・キッド』(1984)中学生の頃に映画館まで観に行った青春映画。

最近、学生時代にレコード音源を録音していたDATが20本ほど倉庫から出てきたので、暇を見つけながら、少しずつCD-Rに焼いています。 80年代はサントラ・ブームがありまして、映画と音楽業界とのタイアップが幅をきかせはじめていて、『パープル・レイン』『…

『DATって、知ってる人いるのかな?』MDの前の録音メディアだが、普及せず…。

DATを知っている人は周りにはほとんどいません。デジタル・オーディオ・テープの略称ですが、一部の音楽マニアか、20年以上前にオーディオ・ファンだった人くらいしか存在を知りません。『新世紀ヱヴァンゲリヲン』の主人公、碇シンジ君がいつもヘッドホンを…

『セデック・バレ』(2011)2部合計で上映時間260分の超大作。眼を背けずに観るべきだが長すぎ!

大阪九条にあるアート系映画館のシネ・ヌーヴォに久しぶりに出向きました。数年ぶりでしょうか。ぼくの住んでいる町の駅から九条まで直通で鉄道が走るようになったので乗り換えなしで一本で行けるのがかなり嬉しい。 乗っている時間も40分ですのでまあまあ快…

『進撃の巨人』映画化希望!実写で監督がピーター・ジャクソンならいいのになあ…(笑)

夏休みやお正月期間などに映画化されれば、おそらく最大の話題作となりそうな原作漫画に『進撃の巨人』があります。コミックスが現在10巻まで(8月はじめに11巻が発売予定。)出版され、その販売累計が1200万部以上を突破している超人気作品です。 この春か…

『青春グラフィティ スニーカーぶるーす』(1981)小学生当時、女の子はみんなたのきんファンだった!

ぼくらが小中学生だったころまでは春夏冬の長期休み期間中には必ずと言っていいほど、そのときどきに旬だった大人気アイドル主演映画が何本も公開されていました。 ぼくらより前の世代ならば、タイガースやスパイダースやジャガーズなんかの主演作品でしょう…

『ザ・ビートルズ1976 ダコタ・ハウスにて』(2000)現在は視聴困難でヤフオクで21000円?

最初にこれを見たのはたしか10年位前のWOWOWでの放送だったと記憶しています。そのときはたまたま放送していたのを見ただけでしたので録画しているはずもなく、普通にそのプログラムを見ていました。 フィル・スペクターやメイ・パンに振り回されていた『ウ…

『ステレオ 均衡の遺失』(1969)学生時代に制作されたクローネンバーグの個性溢れる初期作品。

新作『コズモポリス』の公開に合わせたのかどうかは分かりませんが、デヴィッド・クローネンバーグ監督の過去作品『シーバース』『ラビッド』がツイン・パックとなって、DVDが再リリースされています。 ヤフオクでは一時期、古びたビデオ・テープでさえも高…

『ノスフェラトゥ』(1979)ムルナウへのレスペクトのみでなく、自身の解釈を加えた意欲作。

もともとはブラム・ストーカーの原作小説があるにせよ、ヴァンパイア映画のオリジナルと言えば1922年に公開された『吸血鬼ノスフェラトゥ』です。 オリジナル版の『吸血鬼ノスフェラトゥ』はドイツ人監督で当時はタブーだったホモ・セクシャルがバレて、映画…

『白痴』(1951)無残に切り刻まれた4時間半の大作。オリジナル版は松竹倉庫に眠る?

携帯メールで文章を作ろうとして、普通にひらがなで“はくち”と入力しても、一回目にはこの映画のタイトルは変換候補に浮かんできませんでした。 Wordの変換ではさすがに出てきますが、どうやらこの言葉も過剰な配慮のために規制対象になっているのか、それと…

『相棒シリーズ XDAY』(2013)少々舌足らずな部分はあるがシリアスで良く出来ている劇場用作品。

『相棒シリーズ XDAY』の公開によって、いつの間にか相棒シリーズの映画化作品が四本目となりました。テレビドラマで見る相棒シリーズは毎週楽しみにしているのですが、どうも劇場作品になったときの出来にはあまり満足できない状態が続いていました。 テレ…

『悪魔のゴミゴミモンスター』(1975)ド素人の町の衆が集まって出来た奇跡の村おこし映画。

ビデオが届いてから、じっくりとパッケージを見るとそこには大陸書房の文字が印刷されていました。80年代後半から90年代初めまで、メジャーとは言い難いような聞いたことのないタイトルの映画や格安AV、そしてレアでマニアックな書籍等を取り扱っていたイメ…

『ザ・チャイルド』(1976)これこそがトラウマ映画と呼ぶべき一本!

副題は“フー・キャン・キル・ザ・チャイルド?”、つまり誰が子どもを殺せるのか?という意味深なタイトルが付けられているスペイン発のホラー映画です。それほど有名ではないでしょうが、大昔に見たときにはアメリカのホラー映画にはないエグさに驚きました…

『静かなる決闘』(1949)梅毒と独りで向き合う超人的な青年医師を演じる三船敏郎。

たぶん黒澤明監督作品中でこれまでに自分が見た回数がもっとも少ないのがこの『静かなる決闘』です。主演が三船敏郎なのですが、他の作品とはかなり異質な印象を受けます。 彼の代表作の一つでもある『酔いどれ天使』で観客に定着してしまった悪漢やヤクザと…

『DOCUMENTARY OF AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』(2013)

AKB48主演映画の三作目で年明け恒例になりつつある『DOCUMENTARY OF AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』を本日、難波の東宝シネマズで観てきました。正式名称は『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』で、ドキュメ…

『羅生門』(1950)永田社長は理解できなかったが、外国人によって理解された黒澤ブランド。

黒澤明監督作品中、おそらくは『七人の侍』『生きる』とともに、半世紀以上に渡って、世界中の映画ファンによってあれやこれやとさんざん語り尽くされてきたであろう『羅生門』について、今さら何を書けば良いのやらと少々気が引けます。 それでも40歳過ぎの…

『デルス・ウザーラ』(1975)さまざまなトラブルを乗り越えて放った起死回生の一撃。

この作品『デルス・ウザーラ』はかつてはビデオ化されていて、つい10年前までは普通にレンタルビデオ屋さんで借りることが出来ました。しかしながら、レンタルビデオ屋さんの在庫がVHSビデオからDVDに切り替わっていく過程で『デルス・ウザーラ』は店頭から…

『生きる』(1952)黒澤映画というより日本映画の代表的な一本。年齢を重ねるごとにズシンと響く。

最初にこの映画を見たのはたしか13歳の中学生のときでした。その後、レンタルビデオを借りてきて、二十代までの若い頃に何度も見た『生きる』は確かに良い映画でしたが、どこか共感できない部分がありました。 たぶんずっと後ろ向きに生きてきて、煮え切らな…