良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2017-01-01から1年間の記事一覧

『恐竜・怪鳥の伝説』(1977)追悼・渡瀬恒彦というには悪意が…

この映画の存在を知ったのは1977年の公開当時で、小学校の正門前で映画館のスタッフの人が割引券を配っていました。当時の僕は小学二年生でちまたでは『ジョーズ』が流行っていました。 ただ今になって思うのはこの券を配っていた人は実際にこの映画を見たの…

『知られざる大陸』(1957)知られざる特撮映画。実は拾い物!

特撮映画は好きなので、かなり見てきましたが、当たり前ですが、知らないものも多数あります。先日、Googleの画像検索で特撮画像をいろいろ見ていたところ、「おや!?これは見たことないなあ…」と気になるモノクロ画像がありました。 興味が出てきたので探っ…

『どですかでん』(1970)黒澤明が放つ、救いのない世界観。

『どですかでん』は黒澤明監督作品のなかではもっとも異彩を放っています。自身初の試みとなるカラーフィルムの仕上がり具合を手探りで試すようなセットや手作り感覚溢れる独特の色使いはヨーロッパの作品のようでもあり、現代版の『どん底』のようでもある…

『グッドモーニングショー』(2016)出したのが15年遅いかも…。

『踊る大捜査線』などフジテレビ系列の脚本を多く手掛けてきた君塚良一が監督したコメディがこの『グッドモーニングショー』です。今では当たり前になったネット環境も15年位前ならば、普及が爆発的に進んでいく過程でウィニーなどのファイル交換ソフトによ…

『SING』(2017)お話の内容よりもサントラが素晴らしい。!?

『SING』はユニバーサル製作(ピクサーだと思っていましたので、オープニングに地球一回転のユニバーサルの曲がかかったのでビックリ)の音楽満載のアニメで個人的な感想としては話題だったミュージカル『ラ・ラ・ランド』よりも楽しめました。 まあ、ミュージ…

『キングコング 髑髏島の巨神』(2017)次回はGとの対戦決定?

3月の年度末決算処理が無事に終わり、年度はじめの組織改編やら面倒臭くてゴチャゴチャする雑事が一段落し、ようやく映画館に来ることが出来ました。 何とかして見たかったのは『SING』『キングコング髑髏島の巨神』の二本です。しかしながら、大阪と奈良の…

『チア☆ダン~』(2017)明るく、楽しく、美しく!すずちゃん主演

正式タイトルは『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』で相棒劇場版と同じく異常に長い。 先日の日本アカデミー賞の発表では最優秀助演女優賞と最優秀主演女優賞にノミネートされたものの惜しくも落選した広瀬すずちゃん主演…

『ゴンドラ』(1987)AVで有名な伊藤監督の才気溢れるデビュー作。

政府や経団連は月間残業時間の上限を100時間にすべきという意見を吐き、鬼畜ぶりを発揮しています。労働時間を100時間ではなく、残業時間を100時間です。 欧米(EU)では月間30時間だそうなので、過労死基準になるその差に驚きます。基本的に日本企業のほと…

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)カネ・クスリ・女の連打!

確定申告シーズンということもあり、先週日曜日は税務署が朝からオープンするのをホームページで確認し、早めに申告しに行ってきました。目的は医療費控除です。 受付は9時からでしたが、8時20分ごろに着いたときにはすでに50人以上が寒空のもと不機嫌な顔で…

『ラ・ラ・ランド』(2017)こ、こ、これ良いの?過大評価でしょうw

本日、近所のシネコンの上映スクリーンに入るとすでに予告編が流れていて、いきなり目に飛び込んできたのは『暗黒女子』で、PRしていたのは話題の清水富美加でした。個人的には出家が悪いとは思いません。 日本も太平洋戦争に負けるまでは宗教が重視されてい…

『超高層プロフェッショナル』(1979)鉄骨職人の漢が大活躍するぜ

この映画をはじめて見たのはテレビ放送の吹き替え版で小学生の頃でした。誰が解説していたのかも覚えていません。ただ土曜日か日曜日だったのはおぼろげに覚えているので、おそらくはフジテレビか12チャンあたりでしょうか。 題名はもちろん忘れていましたが…

『相棒-劇場版IV- (2017) 』タイトル長すぎ!寿限無かよ!

正式タイトルは『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』とかなり長く覚えられないし、覚えようとも思わない。もっとシンプルにすべきで、まるで火曜や土曜のサスペンスのタイトルか、誰かが亡くなった時の戒名みたいで鬱陶しい…

『サバイバルファミリー』(2017)電気が止まれば、この世は終わり?

本来なら、公開が始まった先週土日に観に来る予定だったのが『サバイバルファミリー』でした。ただ翌日の月曜日に社内研修があったので土日にするか、研修が終わってからにするかでちょっと迷っていました。 それを仲が良い後輩社員(この娘も映画好きで毎月…

『ゴースト・バスターズ』(2016)なんか、他にネタがなかった?

昨年夏に公開されていた話題作のひとつに1984年に大ヒットしたSFコメディ『ゴースト・バスターズ』のリブートがありました。 主役クラスはほとんど皆30歳越えの女優たちに切り替わり、出てくる俳優はほとんどが間が抜けた感じばかりになっています。男は使え…

『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994)ええっ!宇宙のゴジラって…

2005年からブログを始め、いつのまにか12年以上も経ってしまいました。当時から全作を書こうと思っていた黒澤明監督作品は残すところ、あとは『どですかでん』『まあだだよ』の二本を残すだけになり、ゴジラ映画もひとまずの区切りとなる『ゴジラVSデストロ…

『カメラを持った男』(1929)工業化した共産ロシアはパラダイス?

『カメラを持った男』はジガ・ヴェルトフ製作のロシア映画です。じっさいにはソ連映画と呼ぶべきかもしれない。 日本初公開時には『これがロシヤだ』という題名だったそうです。すごく適当すぎて笑いましたが、邦題は今も昔もいい加減なものだということだろ…

『南部の唄』(1946)人種差別映画?心温まる友愛映画?まさかw

この映画を見たのはテレビだったか、レンタルのVHSビデオだったかははっきりと覚えていません。存在すらも忘れかけていましたが、思い出すきっかけとなったのは町山智浩『もっとも危険なアメリカ映画』でした。 この本ではディズニーの偽善についてチクチ…

『この世界の片隅に』(2016)2016年最高のアニメはこっちです!

『この世界の片隅に』は昨年夏以降、あまりにもというか異常に大ヒットした『君の名は。』や『シン・ゴジラ』の東宝勢の陰に隠れてはいますが昨年11月からの公開で今年の1月末になった現在でもじわじわとまだ上映されているロングヒット作です。 話題性とい…

『ザ・コンサルタント』(2017)地味で宣伝も少ないが、高レベル!

先週から公開が始まった『ザ・コンサルタント』はそれほど大ヒットしているわけでもなく、話題の『沈黙-サイレンス-』(もう観に行きました)、大量宣伝の『ドクター・ストレンジ』、来月から始まるブラピの『マリアンヌ』(予告編を見ていると『イングロリ…

『沈黙-サイレンス-』(2017)遠藤周作不朽の名作。神とは何か。信仰とは何か。

「踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。踏むがいい。私はお前たちに踏まれるため、この世に生れ、お前たちの痛さを分つため十字架を背負ったのだ。」「弱いものが強いものよりも苦しまなかったと、誰が言えるのか?」(遠藤周作『沈黙…

『妖星ゴラス』(1962)子供のころ、異質に映ったSF特撮映画の傑作。怪獣マグマは必要!

東宝特撮映画の傑作である本作品の製作年度は1962年です。その頃からすると作品舞台となっている1979年は近未来であり、科学の進歩がポジティブに語られる時代であったに違いない。万国博覧会、東京オリンピック、高度経済成長など昭和の発展を代表する言葉…

『ゴジラVSメカゴジラ』(1993)平成版初登場のメカゴジラ。しかも人類所属の最新兵器!

平成ゴジラシリーズが『ゴジラVSモスラ』からヌルイ描写ばかりで子供向けに大きく舵を切ったことを察知したときに大人ファンのぼくらはこの日が来るかもしれないとうすうす不安を覚えていました。 しかし本当にミニラの跡継ぎとしてベビーゴジラが登場し、し…