良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

音楽

『コックサッカー・ブルース』(1972)ストーンズが体現したセックス、ドラッグ&ロックンロール!

ずっと長い間、お蔵入りとなっていた1972年度製作のツアー・ドキュメンタリーが『コックサッカー・ブルース』です。コックサッカーとはフェラチオするヤツという意味であり、女性が男性に対してする行為というよりもホモ野郎という意味の方が強いし、より侮…

『DATって、知ってる人いるのかな?』MDの前の録音メディアだが、普及せず…。

DATを知っている人は周りにはほとんどいません。デジタル・オーディオ・テープの略称ですが、一部の音楽マニアか、20年以上前にオーディオ・ファンだった人くらいしか存在を知りません。『新世紀ヱヴァンゲリヲン』の主人公、碇シンジ君がいつもヘッドホンを…

『サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス』(2011)一番の驚きはフサフサしたチャーリー・ワッツ!!

来年にはデビュー五十周年(!)を迎えようとするローリング・ストーンズが出演した映画のなかで、純粋なライヴ物ではないのは『悪魔を憐れむ歌』のレコーディング風景をジャン=リュック・ゴダールが撮り続けた『ワン・プラス・ワン』のみです。 孤立していく…

『ドキュメンタリー頭脳警察』(2009)全3部作品からなり、収録時間は5時間半弱。PANTA健在!

なんとまあ、全部合わせると3部作で、収録時間が3本合計で5時間半弱の超大作となってしまったのが2006年から2008年の頭脳警察再結成までのPANTAとTOSHIを追い続けたドキュメンタリー映画『頭脳警察』である。こういったビッグ・ネームのドキュメンタリー映…

『ギミー・シェルター』(1970)この曲を演奏すると、いつも何かが起こるんだ…。

なかなか決着が付かず、膠着状態と厭戦気分が蔓延していたベトナム戦争の影響からか、反権力的だったロック文化やヒッピー文化が若者の間で影響力を持ち始め、いつの間にか最高潮を迎えようとしていた1969年には、ロック史上で有名なロック・コンサートが3つ…

『THIS IS IT』(2009)“キング・オブ・ポップ”マイケルのラスト・ステージが観たかった。

マイケル・ジャクソンの名前をはじめて意識したのは中学一年生のときで、マイケルの大ヒット作となったアルバム『スリラー』からちょうどポール・マッカートニーとの初デュエット『ガール・イズ・マイン』がシングル・カットされたときだった。レコード屋さ…

『爆裂都市』(1982)土曜の夜だぜえ~!!!騒ごうぜ~!!!ああ…なつかしい!!

三十代も後半になると、積年の不摂生とストレスへの対応のために、人間は精神とカラダが随分と丸くなってくるが、ふとしたきっかけで、昔の尖った感覚が蘇ってくることがある。そのきっかけは昔よく使っていた道具だったり、聴いていた音楽だったりする。 ひ…

『ROCKERS』(1979)監督の死後、ようやく見つけ出された、インディーズを知る、幻の一本。

音楽ファン、ここではロックを中心に話します。急にロックと言われても、もうロックは音楽のメインストリームではありません。そして自らをロック・ファンと思っていても、各々の愛する対象はさまざまで、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェ…

『RCサクセション 未CD化音源』こんなに多いんだから、さっさと問題を解決してリリースを!

忌野清志郎が亡くなってからもう2ヶ月が経とうとしています。RCサクセションが公式に発表したアルバムは『初期のRCサクセション』から数えるとベスト盤やライブ盤も合わせるとかなりの数にのぼります。とくに解散後に無意味なまでに毎年のように出され…

『ビートルズのアルバムがとうとうデジタル・リマスターで発売!』うーむ…。うれしさ半分ですかねえ…。

ビートルズのCDすべてがデジタル・リマスターでとうとう発売されます。いつか発売される、そろそろ出るぞ、と言われ続けて10年以上が経ちました。その間、『イエロー・サブマリン・ソング・ブック』やら『1』やらを出しながら、マーケティングを続けてい…

『ビートルズの音源を求めて』20数年ぶりに、ビートルズ無間地獄にはまってしまった…。

アナログ時代からのビートルズ・マニアでしたが、20数年前の引越しの際にコレクションすべてを失ってしまってからはCDに買い換えて、公式盤のみで我慢しておりました。失った音源には中学のときから大学時代までに40枚近くコツコツ貯めた、レトロ調のジャ…

『レット・イット・ビー』追記。幻のアルバム、『ゲットバック』を久々に聴きました。

いまから20年以上も前の学生時代、大阪の海外ブートレッグや輸入盤専門店でレコードを買い漁っていた頃、さまざまなアルバムを手に入れました。音質は最悪、ジャケットはボロボロ、たまに反りがあったり、変な臭いがしたりと海賊盤というとマイナスなイメ…

『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』(1964)ビートルズ第一回主演映画。新鮮な躍動感!

リチャード・レスター監督により1964年に製作された、「じゃーーーーーーん!」というギター音が印象的な、言わずと知れたビートルズの主演映画の第一作目がこの『ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!』です。いまでは『ハード・デイズ・ナイト』…

『ポリス インサイド・アウト』(2006)約30年ぶりに来日を果たした彼らのドキュメンタリー。

1970年代後半から1980年代前半を駆け抜けたイギリスのロック・バンド、ポリスをはじめて聴いたのは、たしか1979年の『ドゥ・ドゥ・ドゥ・デ・ダ・ダ・ダ』だったと記憶しています。しかもそれは「なんじゃこりゃあ!」としかいいようがない、ま…

『D.O.A.』(1981)伝説のパンク・バンド、セックス・ピストルズの圧倒的なエネルギー!

総合評価 78点 沈滞していた70年代後半のイギリスが生んだ伝説的なパンク・バンドにして、当時のミュージック・シーン最大のアイコン、セックス・ピストルズが1978年の1月にアトランタからサンフランシスコにかけて、最初で最後のアメリカ・ツアー…

『フットルース』(1984)サントラ盤大ブーム時代の象徴的存在。タイアップ・イズ・マネー!

総合評価 68点 なつかしの作品というよりことよりも、ケニー・ロギンスの名前を見たのが、多分十年以上ぶりです。1984年当時は彼の歌った『フットルース』が映画のメインテーマ曲だったこともあり、かなり売れてましたね。80年代を代表するナンバー…

『コンプリート・ビートルズ』(1982)ビートルズの歴史を知るなら、これが一番!

ビートルズの歴史を纏めた映像作品といえば、現在ではアンソロジー・シリーズの膨大な歴史ビデオ全八巻(DVD全4枚組もある。ボーナスDVDがついている)がもっとも手に入りやすかったのかもしれません。これでさえ今では手に入りにくい。 肖像権やらメ…

『ピンクレディーの活動大写真』(1978)スゲエー安易!それでも歴史的価値は大きい。

その名も仰々しいこのタイトル『ピンクレディーの活動大写真』は本編(ドラマ部分)を石立鉄男、田中邦衛、秋野太作、小松政夫らを起用して無理やりカメラを回して撮ったようなコントもどきのストーリーと田中健、なべおさみ、松山英太郎らを使って撮ったメ…

『抱きしめたい』(1978)ゼメキス監督デビュー作品!本人たちの映画よりも素晴らしい?

この『抱きしめたい』をはじめて見たのは80年代後半か90年代初めかはっきりとは覚えていません。WOWOWで見る度に録画を忘れてしまい、最後に録画のチャンスがあったのは1998年後半でした。そのときは忘れずに録画準備をしていたのですが、何故…

『ハロー!フィンガー5』(1974)懐かしすぎる!りんりんりりん!りんりんりりんりん!

りんりんりりん!りんりんりりんりん!りんりんりりんっ りんりりりりん!わお!恋のテレフォンナンバー6!7!0!0!ハロー! フィンガー5の名曲『恋のダイヤル6700』をステージで歌うときの最初のコーラスは誰でも知っているでしょう。楽しそうに…

『ハイ・フィデリティ』(2000)洋楽ファンにはたまらない!クラッシュ、ディラン、そしてボス!

これはコメディ映画なのですが、みんなが手放しに楽しめる映画ではない。60年代以降のロックやポップ・ミュージック等の洋楽及びオーディオに関する知識があるなしで、受け取るメッセージと印象が全く違うであろう作品です。 そもそもタイトルの『Hi Fi…

『ワン・プラス・ワン』(1968)ローリング・ストーンズの邪魔をするゴダール。ブライアンがいる!

『ワン・プラス・ワン』はローリング・ストーンズのロック史に残る名曲、『悪魔を憐れむ歌 Sympathy for the Devil』の制作風景を、五月革命の真っ只中、左翼思想にかぶれだしたジャン=リュック・ゴダール監督が自作の短編を挟み込みなが…

『マジカル・ミステリー・ツアー』(1967)ビートルズが自分よがりに作ってしまったクズ映画。

ポップ音楽史上、もっとも意義のあるアルバムだった『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』が大成功を収め、意気軒昂だったビートルズの陰で、一人のスタッフが亡くなりなした。彼の名前はブライアン・エプスタインで、長年ビートル…

『ヘルプ! 4人はアイドル』(1965)圧倒的な成功と、じわじわ蓄積される疲労と消耗。

『ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!(原題 ア・ハード・デイズ・ナイト それにしてもよくこんなへんてこなタイトルをつけたものです。)』(1964)が興行的に大ヒットを収めた後、再びリチャード・レスター監督を起用して制作された、2作目の…

『キッズ・アー・オールライト』(1979)むしろ、奇人キースよりもピートの狂気がバンドの歴史である。

彼らのナンバーのなかでもっとも有名な曲、『マイ・ジェネレーション』から始まる、この記録映画が公開されたのは、1979年です。つまり、奇人として数々の奇行で有名だった、ドラマーのキース・ムーンが薬物の過剰摂取が原因で急死してから一年後に、彼…

『プロデューサーズ』(1968)最低のミュージカル『ヒトラーの春』で大儲け!

またまた、リメイクされた映画のひとつになった、『プロデューサーズ』のオリジナル版です。 オリジナル版の『プロデューサーズ』はメル・ブルックス監督によって1968年に公開され、アカデミー賞の脚本賞を取ったほどの作品でした。まさか『ヒットラーの…

『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』(1982)ストーンズがまだ日本に来れなかった日々。

つい先日も、来日を果たしたローリング・ストーンズですが、長らく日本では彼らを生で見ることは不可能でした。その理由は言うまでもなく、メンバーの薬物問題でした。何度も来日は企画されたようですが、はじめて来たのはたしか80年代後半だったのではない…

『ブルース・ブラザース』(1980)Shake Hip!Baby!身体が揺れるぜ!

ジョン・ランディス監督、1980年製作作品。音楽映画というジャンルの中で、僕ら30代から40代くらいの方ならば、これこそが最もしっくりとくるというか、身体が揺れてくる作品なのではないでしょうか?ミュージカルが苦手な僕には、辛いジャンルのひとつで…

『スクール・オブ・ロック』(2003)ツェッペリン、パープル、サバスetc.ロックは最高!

リチャード・リンクレイター監督による、2003年製作作品にして、その年に公開された作品の中で、唯一2回も映画館に足を運んだロック・ムービーでもあります。「ロック」という響きが色褪せてしまってから、いったい幾年月が流れてしまったのでしょうか…

『ア・ハード・デイズ・ナイト』(1964) イギリスがアメリカを音楽で占領した日。

リチャード・レスター監督により1964年に製作された、「じゃーーーーーーん!」というギター音が印象的な、言わずと知れたビートルズの主演映画の第一作目。だがこの作品はそんじょそこらのアイドル映画とはわけが違うスケールの大きさと魅力に満ち溢れ…