良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

2010-01-01から1年間の記事一覧

『ウルトラマン対仮面ライダー』(1993)歴史的な邂逅!?二大ヒーローの共演。

日本の特撮ヒーローは昭和から平成を経て、星の数ほどいましたが、そのなかでも別格と言えるのがウルトラマンと仮面ライダーであることを否定する者はいません。この『ウルトラマン対仮面ライダー』は厳密に言うと劇場用のいわゆる映画ではありません。 ただ…

『踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ』(2010)第三弾!もういいでしょう…。

異常なまでの大ヒットを記録した前作『踊る大捜査線2レインボー・ブリッジを封鎖せよ』から七年が過ぎ、その間に主要な登場人物だった、いかりや長介が亡くなり、二本のスピンオフが製作されました。 ファン待望の第三弾ではありましたが、七年間の空白は長…

『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』(1974)ハヌマーン映画のまさかの第二弾はライダーとの共演!

今週ヤフオクで何気なく見つけた、この映画のタイトルは『ハヌマーンと5人の仮面ライダー』、つまり『ウルトラ6兄弟と怪獣軍団(原題は『ハヌマーンと7人のウルトラマン』)』の続編でした。 権利関係の怨念もあり、おそらく円谷プロからは永久にウルトラ…

『告白』(2010)中島監督の新境地。見応え十分な作品でした。

松たか子ばかりがクローズアップされているようですが、ぼくが一番気になったのはファッション誌のセブンティーンの現役専属モデルを務める橋本愛でした。彼女のクールで悲しそうな目はタイプは違いますが、『バトル・ロワイアル』に出演したときの柴咲コウ…

『スターウォーズ ジェダイの復讐』(1983)ついに完結。ラスト・シーンはオリジナルが一番!

まず始めにおことわりをしておきますと、この映画のタイトルは『スターウォーズ ジェダイの復讐』であって、決して『スターウォーズ ジェダイの帰還』ではない。 なぜそうなってしまうかについて書いておくと、この映画は1983年に世界中で公開される直前まで…

『黒蜥蜴』(1968)深作欣二監督、丸山明宏主演、三島由紀夫出演の幻の作品。

いつものように、これもまた、現在わが国ではDVD化されていない作品の一つで、断片を動画サイト等で見ることはあっても、全編となると、なかなか視聴の難しい作品ではあります。 『黒蜥蜴』はもともとは原作が江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が戯曲化した舞台…

『ティンカー・ベル』(2008)ちっちゃい女の子なら、多分みんな好きなんじゃないでしょうか。

TINKERの意味はたしか“職人”や“いたずらっ子”であったと思います。ピーター・パンでお馴染みのティンカー・ベルは職人技を持つ妖精ではありますが、もの作りの妖精と呼ばれ、妖精世界であるネヴァー・ランドのピクシー・ホロウでは、華やかさとは程遠い下層…

『スター・ウォーズ・ホリデー・スペシャル』(1978)デス・スター破壊後を描いた、封印作品。珍品!

1977年に公開されて、世界中で大ヒットした『スター・ウォーズ』にはじつはあまり知られていない、というか、ルーカスが隠そうとしている幻の続編があります。 そのタイトルはもともとはテレビ番組としてCBSでオンエアされた『スター・ウォーズ・ホリデー・…

『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』(1980)IT IS YOUR DESTINY!ヨーダ登場!

『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』、これは自分が劇場に見に行った、初めてのスター・ウォーズ映画になります。このときは自分も小学校の高学年になっていて、なんとかひと月分のお小遣いを注ぎ込めば、見に行けるようになっていました。 公開された当時に買…

『スター・ウォーズ』(1977)数十回以上見たのはこれだけかも!フォースと共にあれ!

最初に『スター・ウォーズ』という映画を意識したのは小学校の低学年で西暦は1978年、その対象はコカ・コーラの250MLビン(ブッシュマンのニカウさんがこの世の果てまで返しに行ったヤツと同タイプです。)に付いていた、金属製の王冠キャップでした。 全部…

『ラスト・ハウス・オン・ザ・デッド・エンド・ストリート』(1977)史上最悪のクズ映画。酷い…。

一般的(?)に駄目映画と言って、映画ファンの多くが思い出すのは洋画ならば『プラン9・フロム・アウター・スペース』、邦画ならば『デビルマン』でしょうか。上記の作品たちはたしかに最低の名前に相応しい出来栄えを誇っていますが、映画を作ろうという意…

『トイストーリー』(1995)公開当時、CGとキャラクター戦略には違和感がありましたが…。

最初にCGアニメを劇場の予告編で観たとき(この映画のではありません!)、体温というか、人肌の温かみを感じることが出来ずにとても失望し、それ以降はCGそのものにあまり興味がなくなりました。そうはいっても、1982年公開の『トロン』は中学生のときに観…

『ウルフガイ 燃えろ狼男』(1975)千葉真一主演映画なんですが、犬神描写のため封印中!

大昔に見た映画について書こうとすると、最近は様々な障害が発生する。これも現在、視聴が難しい作品の一つではありますが、その理由は狼族の血を引くという血筋に関してのもので、特定の血筋が災いをもたらすという文脈が差別を助長するのだとのことなので…

『ただいま捜索中の映画』見たいけど、まだ機会がない映画たち。いくつかはゲットできました。

映画ファンも長いことやっていると、大昔に見た映画や大昔にレンタルで見かけていたにもかかわらず、縁がなくて、結果として未見のものも数多い。東京12チャンネルの深夜や午前中に、何も考えずに見たようなかなりマニアックな映画をふたたび見たいと思って…

『大統領の陰謀』(1976)スリリングな一本。結末は誰でも知っているが、語り方でこれほど変わる!

ゴールデン・ウィークのこの3日間で、ウォーター・ゲート事件及びニクソン大統領絡みの映画を三本立て続けに見ました。一本は数年前に公開された『フロスト×ニクソン』、もう一本はオリバー・ストーン監督の『ニクソン』、そして最後が『大統領の陰謀』でし…

『ザザンボ』(1992)奇才・渡邊文樹監督の問題作。天皇・同和・警察以外なら良かったはずなのに…。

渡邊文樹という監督の周りには常にトラブルが絶えない。それも法的なものが多く、この映画に関するものでも、死因追及のためとはいえ、モデルとなった少年の墓を無許可で勝手に暴こうとしたりして、これだけが原因ではないものの、少年の遺族から訴えられて…

『タイタンの戦い』(2010)特撮は劇場に限りますが…。DVDだと伝わらない。劇場でも伝わらない?

つい先日、隣町まで見に行った『アリス・イン・ワンダーランド』に続き、むしょうに映画が観たくなり、夜7時からの回のチケットを早めに購入し、先に食事を済ませることにして、レストランに向かいました。 サラダ・バイキングのあるハンバーグ専門店でした…

『しあわせのかおり』(2008)話題作にはなりませんでしたが、秀作でした。

中華料理の命は火力と速さだと聞きます。素材に素早く熱を入れ、新鮮な一皿をお客に出す。生きている海老を瞬時に老酒の入った鍋に蒸し焼きにして、すぐに食す。返還前の香港の料理屋さんで食べた海老は大変美味しかったのを今も覚えている。高温で弾けるよ…

『混血児リカ』(1972)三部作の第一作目!今では差別用語の連発で、国内流通は無理かも。

これもある種の見せ物映画になるのだろうか。タイトルに大きく、混血児と謳っていて、内容も主人公リカ(青木リカ)は母親(お下げ髪の女学生)が米兵に強姦されてしまった結果として生まれてくるという設定で、生まれる前からすでに不幸で、成長しても継父…

『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)不思議の国のアリスの3D版だと思っていたら…。

最近というか、今月は映画館に行こうとすると、なぜかいつも激しく雨が降ってくる。ここ数年は気候の巡りもおかしく、今年に関しても、なんだか春を飛び越えて、梅雨のシーズンに入ったみたいです。 今日は有給が取れたので、必要以上に評価されている『アバ…

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956)SFノワール!影の使い方が美しい!

『盗まれた街』を原作に持つ、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』はドン・シーゲル監督初期の異色の作品であり、1950年代のSF映画の代表作品の一つでもある。このオリジナル版がSFファンの心をがっちりと掴んだためか、何度もリメイクをされ、70年代のカウフ…

『第9地区』(2009)猫缶に海老まっしぐら!しばらく何を観たのか整理するのに時間が掛かりました…

会社が終わってから、雨が降りしきる中、ダッシュで電車に乗り、隣の市の映画館まで観に行ったのがピーター・ジャクソンがプロデューサーを務めた『第9地区』だった。特殊効果も一連のピーター・ジャクソン監督作品で有名になったWETAが入っているので、だい…

『丑三つの村』(1983)軍部がわが国を支配していた頃、実際に起こった、津山三十人殺しを扱った映画。

津山三十人殺しは軍部が政権を掌握していた1938年に、岡山県の津山で一人の地元青年(役柄では犬丸継男)によって計画的に実行された、比類のない大量殺人事件であり、しかもすべてが一夜のうちに起こされているという凄まじさであった。この話は戦中という…

『原子力戦争:Lost Love』(1978)反原発運動は命がけ?でも戦争じゃないけど…。

田原総一朗原作の小説から製作された、黒木和雄監督のATG映画の一本であるが、あまり芸術臭というか、ATG臭さは無い。原田芳雄がチンピラに扮し、自分の情婦の死因を究明するうちに、土地ぐるみの原発事故隠蔽工作に巻き込まれていく。と書いていくと、サス…

『アバター』(2009)映画の可能性が近づいてきた。それは良いことか、それとも…。

映画は虚構を前提とした娯楽であり、芸術である。実物はそこに無く、映し出されるすべての対象は上映されるたびに、同じ動きを繰り返す。奥行きを感じさせるが、すべては平面でしかない。映画の表現は左右という水平方向、そして奥行きという後ろの方向への…

『抵抗 死刑囚の手記より』(1956)死と背中合わせの圧迫感と緊迫感。

ロベール・ブレッソン監督作品、つまり“シネマトグラフ”を映画館のスクリーンで観るのは今回が初めてということもあり、普段なら億劫でなかなか行こうとは思わない道のりが、今日はウキウキしながら、奈良から梅田までの一時間余りの移動時間を過ごしました…

『2012』(2009)エメリッヒ的な大きな映画だが…。地獄の沙汰も金次第という胸糞悪い映画。

ローランド・エメリッヒ監督の作品で、多くの映画ファンがすぐに思い出すのは『デイ・アフター・トゥモロー』だろうか。彼の仕事の印象としては大きい映画を任される人物であるという程度です。 去年の年末からお正月にかけて、話題になっていた映画でしたが…

『赤軍-PFLP 世界戦争宣言』(1971)プロパガンダの最良の形態は武装闘争である!

もちろん、ぼくは学生運動などしたことはないし、僕らの頃には赤軍派だけではなく、共産主義そのものがすでに時代遅れになっていた。ゴルバチョフが登場し、ロシアの惨状が明らかになるにつれ、幻想はしぼみ、冷戦の象徴であった、ベルリンの壁は90年代を前…

『略称 連続射殺魔』(1969)19歳の少年が引き起こした連続殺人事件のドキュメンタリー作品。

現在でも世間を恐怖の底に叩き落す犯罪は数多いが、そのなかでも20歳未満、つまり未成年によって引き起こされた凶悪事件のインパクトは通常の事件よりもはるかに大きい。1968年にある少年が起こした事件はセンセーショナルで、社会を震え上らせました。 いわ…

『蒸気船ウィリー』(1928)解釈学的視点によるミッキーのデビュー作品。

この物語に登場するアメリカ人の主人公、ミッキーマウスは現存在として先駆的了解をするには至っていない。1920年代の後半である1928年では、彼は迫り来るナチズムの台頭にかかわらず、安全地帯のアメリカ内陸部でゆったりと構えていて、いまだ覚醒してはお…