良い映画を褒める会since2005

他ブログで映画記事や音楽記事も書いておりました。評価基準は演出20点演技20点脚本20点音楽10点環境10点印象20点の合計100点です。

映画(ラ行)

『霊魂の不滅』(1920)サイレント黄金期の傑作。日本ではこの映像美を見られないのが残念です。

北欧スウェーデン生まれの映画監督、ヴィクトル・シェストレムのサイレント映画の傑作『霊魂の不滅』が公開されたのは今から一世紀近く前の1920年となります。 上映されていた当時は世界的評価を受けたそうですので、もしかすると淀川長治さんなら見ていたか…

『リスボン特急』(1972)ジャン=ピエール・メルヴィルの遺作。ドロンとドヌーヴが素晴らしい。

『リスボン特急』はジャン=ピエール・メルヴィル監督の遺作となったフレンチ・ノワールの佳作のひとつです。傑作と書かなかったのは彼には他に『海の沈黙』『影の軍隊』『賭博師ボブ』などの傑作がいくつもあるからです。 ただ佳作とは言ってもレベルは高く…

『ライオン・キング』(1994)ジャングル大帝との類似点ばかりが騒がれましたが…。今は廃盤!

ディズニー作品『ライオン・キング』は日本が世界に誇る、偉大なるクリエーターである故・手塚治虫の名作『ジャングル大帝』に酷似していたため、当初はパクリ疑惑などのダークなイメージがあり、興味本位なマスコミでかなり叩かれてました。ニュース等でも…

『ライト・スタッフ』(1983)宇宙開発にまつわる骨太な物語と印象的な音楽の融合。

公開当初となる1983年に、この映画のタイトル『ライト・スタッフ』を最初に目にしたときは、ライトを“RIGHT”ではなく“LIGHT”だと勘違いし、てっきり“光るヤツ”くらいの意味だと思っていましたし、宇宙飛行士を前面に押し出したポスターもあり、てっきりSF映…

『ラスト・ハウス・オン・ザ・デッド・エンド・ストリート』(1977)史上最悪のクズ映画。酷い…。

一般的(?)に駄目映画と言って、映画ファンの多くが思い出すのは洋画ならば『プラン9・フロム・アウター・スペース』、邦画ならば『デビルマン』でしょうか。上記の作品たちはたしかに最低の名前に相応しい出来栄えを誇っていますが、映画を作ろうという意…

『略称 連続射殺魔』(1969)19歳の少年が引き起こした連続殺人事件のドキュメンタリー作品。

現在でも世間を恐怖の底に叩き落す犯罪は数多いが、そのなかでも20歳未満、つまり未成年によって引き起こされた凶悪事件のインパクトは通常の事件よりもはるかに大きい。1968年にある少年が起こした事件はセンセーショナルで、社会を震え上らせました。 いわ…

『ROCKERS』(1979)監督の死後、ようやく見つけ出された、インディーズを知る、幻の一本。

音楽ファン、ここではロックを中心に話します。急にロックと言われても、もうロックは音楽のメインストリームではありません。そして自らをロック・ファンと思っていても、各々の愛する対象はさまざまで、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェ…

『リラの門』(1957)思い出の映画。当時、ぼくは9歳。フランス語をしゃべる女性はセクシーでした。

映画ファンであるならば、誰にでも特別な一本の映画があります。親と初めて観に行った映画だったり、何度も繰り返し見た映画だったり、恋人と初めて観に行った映画だったりします。映画ファンの数だけ、そういった思い出はさまざまでしょう。ぼくにとっては…

『レッド・クリフ PART Ⅱ』(2009)さあ、いよいよクライマックスへ!!!でも…。

とうとう完結編を迎えたジョン・ウー監督による赤壁の戦いを描いた『レッド・クリフ』。前作品の呼称がなぜか途中で、『レッド・クリフ』から『レッド・クリフ PART Ⅰ』に変わり、「ああ、たしかにこれを2時間で語るのは無理だろうねえ…。」と思っていた僕…

『レッド・クリフ』(2008)三国志の四大戦争のひとつ、赤壁の戦いを怒涛の映画化。

レッド・クリフと聞いて、「赤壁の戦い」を思い出した人はかなりの三国志マニアかもしれません。一般に三国志というと、ビジネス書コーナーなどでぼんやりと書店で見たこともあるでしょうが、実際に手にとって、購入するところまで行く人は稀でしょう。むし…

『レット・イット・ビー』追記。幻のアルバム、『ゲットバック』を久々に聴きました。

いまから20年以上も前の学生時代、大阪の海外ブートレッグや輸入盤専門店でレコードを買い漁っていた頃、さまざまなアルバムを手に入れました。音質は最悪、ジャケットはボロボロ、たまに反りがあったり、変な臭いがしたりと海賊盤というとマイナスなイメ…

『ランボー 最後の戦場』(2008)久しぶりに登場したジョン・ランボー!編集とカメラの勝利でしょう。

しかしまあ、良しにつけ、悪しきにつけ、なんとタイムリーな公開時期になったのでしょう。よりによって、サイクロンが吹き荒れた、こんなときに軍事政権下のビルマを舞台にした映画が封切られるとは思いませんでした。しかも有名なアクション映画の久しぶり…

『リズム21』(1921)かつてあった映画、その二。絶対映画とはどのようなものだったのか。

リュミエル兄弟の『シネマトグラフ』、ジョルジュ・メリエスの『月世界探検』、エドウィン・ポーターの『大列車強盗』以降、労働や家事で疲れきった庶民が一時の夢を見るため、そして明日また働くための活力とするためのささやかな娯楽の王様として、旅一座…

『レット・イット・ビー』(1970)ビートルズ崩壊ドキュメンタリーを25年ぶりにDVDで観た。

何度も発売の噂がまことしやかに囁かれつつも、権利問題やジョージ・ハリスンの意向でおそらく発売されることもないだろうと言われ続けているいわくつきのビートルズ映画、それが今作品『レット・イット・ビー』である。 僕自身も25年前にファン・クラブの…

『恋身女子校生パティ』(2000)これはひどい.....。中身がまるでない。

河崎実監督作品のひとつ。アダルト版とノーマル版があるのですが、衛星劇場で今回見たのはノーマル版でした。森下くるみら四人出てくる女の子達(多分AV女優なんでしょう)がゴレンジャーみたいな変身ヒーローになる他愛のない話。 ここでは変身ではなく「…

『リオ・ブラボー』(1959)後期?西部劇50年代の傑作!ゆったりと心地良い時間が流れていく。

新年明けましておめでとうございます。今年一年がみなさまにとって、素晴らしい年でありますように。そして素晴らしい映画に巡り会えることを心からお祈り申し上げます。 さて、2007年一月元旦に、まず最初に見たのは西部劇の名作『リオ・ブラボー』でし…

『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)緑のジャケットはコアなルパン・マニア向けの証。

宮崎駿監督の監督デビュー作品となった記念すべき作品がこの『カリオストロの城』でした。ではこの映画は大ヒットをしたのかというと「否。」と答えざるを得ない。では出来が悪いかと言えば、それにも「否。」と答える。つまり素晴らしい映画が必ずしも大ヒ…

『ロスト・ワールド』(1925)特撮映画の夜明け。全てはここから始まった。

観る者の目をスクリーンに釘付けにし、映画会社の宣伝文句も一番考えやすく、家族全員を映画館に動員するのに最も適したジャンル映画といえば、現在ならばディズニー映画、スタジオ・ジブリ映画に代表されるアニメ映画、そして一昔前ならば怪獣特撮映画だっ…

『ロシア映画祭 IN OSAKA』に行ってきました。名作揃いでとても濃い一日でした。

何気なくスウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマン監督の『サラバンド』を来年一月から公開してくれる、映画通好みの大阪九条にあるシネ・ヌーヴォの上映作品案内を見ていましたら、なんと一月には28本のベルイマン監督作品を一挙上映してくれるという…

『ローラ殺人事件』(1944)フィルム・ノワールの代表的作品。物語の仕掛けが斬新です。

オットー・フレミンジャー監督によって1944年に発表された『ローラ殺人事件』はフィルム・ノワールと呼ばれる一連の作品のなかでは『深夜の告白』『サンセット大通り』『現金に身体を張れ』『疑惑の影』などとともに、このジャンルを代表する作品のひと…

『倫敦の人狼』(1935)狼男、月に吠える!後のスタイルの基盤を作った作品。

サイレント映画はひとまず置いて、トーキー映画に移行してから初となる狼男映画となったのがこの『倫敦の人狼』です。そして狼男といえば、月に吠える怪物を想像します。ここで登場する狼男ははじめて月に向かって吠えるという見せ場を作りました。 余談では…

『ライムライト』(1952)これは自身のセルフ・ポートレイトである。そして最高の映画である。

チャーリー・チャップリン監督には喜劇王としてのイメージが強い。しかし注意深く見ていくと、彼が監督したほとんどの作品において、ていねいに描かれているのは悲惨な環境にいる人々の悲劇的なエピソードである。 ある時は彼の孤独であり、絶望であり、愛へ…

『ローラーとヴァイオリン』(1960)これが大学生の時の作品です。才能は全開しています。

1960年に大学生の卒業作品として制作された、ロシアの巨匠、アンドレイ・タルコフスキー監督の長編デビュー作品が、この『ローラーとヴァイオリン』です。大学生の時にすでにこのレベルに到達していたというのは驚くべき天才です。 のちのタルコフスキー…

『ロング・エンゲージメント』(2004)オドレイ・トトゥがどんどん良くなっているのを実感できる作品。

『ロング・エンゲージメント』はジャン=ピエール・ジュネ監督、オドレイ・トトゥ主演のラブ・ストーリーですが、謎とき物や戦争映画としての色彩が濃い作品でもあります。舞台は第一次大戦後のフランスの田舎町と多くの人々の回想で語られる大戦中の戦場です…

『666号室』(1982)映画の現状と未来を憂えるヴェンダース監督と巨匠たち。

『666号室』という聞きなれない題名が付けられたこの作品は、いわゆるシネマ(劇映画)ではない。ヴィム・ヴェンダース監督が、1982年のカンヌ映画祭に招かれた映画監督たち、それも超のつくほど有名な人たちに対して、シネマの現状と未来をどう捉え…

『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1960)製作日数わずか2日!の怪作。さすがミスターB!

1960年に、わずか2日という製作日数をかけて製作された伝説の映画、それがこの『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』です。このような荒業をやってのけたのはもちろん、B級映画界の巨匠、ロジャー・コーマン監督です。 ロジャー・コーマン監督作品は一…

『レオン』(1994)これが最高!これ以降の、ジャン・レノもリュック・ベッソンも輝いていない。

最も人気のあるフランス人監督といえる、リュック・ベッソン監督のというよりは90年代を代表する作品で、個人的にも年2回は見る作品のひとつです。見所としてはなんといってもナタリー・ポートマン、ジャン・レノ、そしてゲイリー・オールドマンという主…

『レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー』(1982)ストーンズがまだ日本に来れなかった日々。

つい先日も、来日を果たしたローリング・ストーンズですが、長らく日本では彼らを生で見ることは不可能でした。その理由は言うまでもなく、メンバーの薬物問題でした。何度も来日は企画されたようですが、はじめて来たのはたしか80年代後半だったのではない…

『ロゴパグ』(1963)ロッセリーニ、ゴダール、パゾリーニ、グレゴレッティ。4人の頭文字が題名。

1963年度に製作されたもので、監督に、 ロベルト・ロッセリーニ、ジャン=リュック・ゴダール、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ウーゴ・グレゴレッティという4人の個性豊かな映像作家を迎えて、製作されたオムニバス作品である『ロゴパグ』は今から考える…

『ローマの休日』(1953)オードリーって、なんでこんなに可愛いのだろう。

ウィリアム・ワイラー監督、1953年度製作作品というよりは、時代を超えて人気のある女優 、オードリー・ヘップバーンの大ブレイク作品といったほうが、わかりやすいですね。題名だけでも聞いたことのある人も含め、これを知らない人がわが国に存在するの…